日曜日に思うこと
「日曜日に思うこと」という題名を提案したのは僕だけれど、別に水曜日でも良かったであろう内容になってしまうことを許して欲しい。土曜日の夜に感じた不思議な気持ちを引きずってたらいつの間にか日曜日になってたって理由で「日曜日に思うこと」でどうだろうか?
11月21日(土)に僕は友達の結婚式に参加した。この年にしては多く、これまでもう15回以上の結婚式に参加しているけれど、どれもそれぞれのこれまでの人生のストーリーに触れて泣きそうになる。初めて結婚式に参加した5年前はとにかくその非日常的な催しが楽しくて仕方なかった。早くみんな2回目の結婚式してくれ!(大不謹慎)と思うほどにはかっちりとお洒落して、酒飲んで、料理のフルコースを食べれる、それでいて人の幸せに触れられる催しが楽しくて仕方なかった。
そんな楽しかった式も年齢を重ねると楽しさに加えてちょっとネガティブな感情をお土産に持ち帰ることになる。ついこの間まで一緒にボールを蹴っていた友達が、同じ学校で遅くまで一緒に働いている同僚が、みんな幸せになっていく姿は幸せの形が人それぞれであると諭されてもなお羨ましく、その焦りは苦しくもあるのだ。だから結婚式は変わらず楽しく大好きな場所ではあるんだけれど、同時にその後の感情と向き合う時間は通らなければならない道なんだと渋々受け入れることにしている。
11月21日(土)は親友の結婚式だった。友人関係において親友か友達かをカテゴライズするのはナンセンスだとは思うし、どうすれば親友と呼んで良いかもわからないけれど少なくとも毎日一緒に過ごして、あらゆることを隠さず伝えられて、何より一緒にいて心地良い友をそう呼んで良いのなら間違いなく親友と呼べる友達の結婚式だった。
その日はこれまで以上に気合をいれて式に臨むものの、なんだか元気が出ない。式後にあれこれ考えて落ちることはあっても披露宴中にお調子者が静かになるなんて不思議だった。日曜日なら次の日からの仕事がその理由になりそうだが、なんと言っても3連休の初日。理由はそこにはなさそうだ。お酒の飲み過ぎか?いゃウエルカムドリンクはプロテインだったじゃないか(ちょくちょく間違えるんだアイツは)
結局その日僕は彼とフタコトしか喋らなかった。同期全員で写真を撮りに行った時の「今日静かじゃん」「まぁ」とお見送りの時の「ありがとう」「おう、明日からだっけ?気をつけて」のみ。一生に一度の大切な日に、自分にとっても何ヶ月も前から大切な日にしようと決め込んでいた日に、なぜかコントロールできずにいた気持ちの理由を考えたくはなかった。元気のない理由が自分の中にあるとしたら、まさか彼が幸せになることへの嫉妬か、いつも一緒にいるのに置いていかれそうな焦りか、そんなことが自分の中にあるかもしれないことを否定したかったからだ。
日曜日に思うこと
自分でもどう振る舞って良いかわからずにいた不思議な気持ちを振り返ったのはちょうど日曜日に差し掛かった頃だった。
その日お土産に持ち帰ったのは最近もれなくいただいていた嫉妬や焦りではなく、なんかもっと違った感情だったことに気づくのはそんなに難しいことではなかった。結局、僕が披露宴の間ずっと抱えていたのは純度100%の嬉しさだったんだと思う。たまたま同じ教科で同じ市に採用されて、年も1つしか変わらない。今は同じ学校で働き、毎日共に過ごす彼の苦労をよく知っているから彼がたくさんの人に祝われて人生が報われた姿は僕にとって本当に嫉妬や焦りの微塵もない嬉しさだったのだ。
涙もろく人の結婚式では主役よりも泣いてしまう彼は人の幸せを心から喜ぶことのできる人だ。そんな人が自分の結婚式で泣かないわけがなく、何回泣いたかは覚えてないけれど、それを見て僕は今にも泣き出しそうで、誰かと話をすると泣いてしまいそうだから静かに過ごすしかなかったのだろう。みんなとワイワイやる結婚式も大好きだけど、しみじみとなんか親心みたいな気持ちを持って過ごす結婚式も同じように幸せだと気づいたのはちょっと嬉しい発見だった。
人の幸せを心の底から喜べる彼は本当にカッコよく、その日も色んな人が幸せになれるように用意されたサプライズに驚かされるばかりだった。中でも奥さんのために用意したサプライズムービーを担当したのはナイツ。僕が心から愛して止まないコンビでその日の朝もラジオを聴いていたぐらいだ。目の前で自分の友達が大好きな芸人にネタにされてる姿は最高だった。
色んな意味でまたひとつ先を行かれてしまった気がするよ。
周りからはお前のだけ手抜きだなって笑われた「これからもよろしく」だけ書かれた席札が何よりも嬉しかった結婚式を振り返ったらそろそろ朝になりそうだ。今日はB級でエコパまで。なんで日曜日に往復4時間も運転しなきゃいけないんだって思うのだ。
結婚おめでとう。