やまだえっせい

サッカーとかサッカーじゃないこととか。日常にちょっとした文のお洒落を添えて。書いたno…

やまだえっせい

サッカーとかサッカーじゃないこととか。日常にちょっとした文のお洒落を添えて。書いたnoteを本にしたい。

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  • サッカーの記事

    サッカーの記事っぽいものをまとめました。

  • 学校の先生っぽい記事

    授業のこととか学級のこととかまとめておきました。是非ご覧ください!

  • 個人的に好きなnote

    たくさんある記事の中で自分で読み返して「よく書けたな」と思う好きなnoteをまとめてみました。是非感想いただけると幸いです。おもしろければシェアしてあげてください!

最近の記事

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「先生はいつも欲しい時に欲しい言葉をくれました」

水泳の東海大会の引率が終わり、新幹線に乗って三島に帰っている。全中の標準突破を狙った県大会、惜しくもあと少しでそこに届かなかった彼女は今日大きくベストを更新して全中の標準を切った。大会の規定上、東海で標準を切っても全中には出られないのだけれど、気持ちのこもったレースに会場中から送られた拍手は決して乾いた拍手なんかじゃなかったと思う。 帰ってきた彼女に掛けた言葉は「感動したよ、おめでとう」だったけれど合っていただろうか? 純粋な嬉しさがあったのか、悔しさの残る嬉しさだったの

    • 僕とSS伊豆

      きっとクラブの岐路だから、力いっぱいの言葉を紡ぐ。 熱狂的なエスパサポの友人に連れられて、アイスタに行った。僕は物心ついた時からサックスブルーの血が流れるジュビロサポなので、これは王国の法を犯すきれいな裏切り行為に当たるのだが、あくまでいちサッカーファンとして参戦したまでである。 山原怜音のユニを貸してくれると言った友人に「いゃクラブへの忠誠心があるから」「うっすい忠誠心のくせに」 グッズ販売に並ぶか聞いた友人に「いゃクラブへの愛着があるから」「弱い愛着のくせに」 パ

      • 見えている僕らは見えているのか?

        本を読もうと思った。 何の事はない。最近好んで聴いてるPodcast「スポーツが憂鬱な夜に」の2人、同世代の河内さん、井筒さんの知的なお喋りに惹かれ、その思考量と言葉の多さに憧れた事に他ならない。 2人はサッカー人でありながら、文化系パーソンであり、ようやく見つけた僕のありたいかっこよさの延長線上にいる人達だと知る。30代に突入し、目指すべき「かっこよさ」をどこに置くかに迷っていたのだが、どうやら思考の多さと言葉の多さを今の自分はかっこいいと感じるらしい。 サッカーが上

        • 暇すぎて心を壊しかけた話

          #これは何かを残そうとすることを意図しない、エゴイズム。 #また月曜日を元気に働くための書くというヒーリング。 これまで働き過ぎて心を壊していく人をいくつも見てきたし、皆見たことがあると思う。見たことがなくとも、そのメカニズムの説明を求められたらなんとなくは答えられるのではないだろうか。 自分自身もその2、3歩手前を経験したことがあるからそれは納得がいく。忙しさに徐々に余裕をなくし、笑っていようにも上げた口角は重力に抗えなくなる。 では逆に、働かなさ過ぎると人はどうな

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          友達がいなくなった。

          まとまった休みをもらうとギョッとすることがある。これは今回の夏休みもGWの連休時にも感じたことではあるんだけど、ワタクシ自分でデザインする休日が圧倒的に苦手である。 だから、いとも簡単にパズルのようにしたいことを見つけて、それを組み合わせ満足のいく絵にし、明日から始まる仕事や学校を憂いまだ目を瞑りたくない人たちに羨望の眼差しを向けることがある。こちらにはさっさと終えたい今日がたくさんあるというのにだ。 友達がいなくなった。 本当に会わなくった。実感として、30を越えたこ

          友達がいなくなった。

          弱小校コンプレックス

          「久しぶりに心落ち着くオフがあったら何をしよう?」 そんなことを考えることで、逃げたい緊張をいくらか和らげていたのだけれど、メダルをとったオリンピアン達も試合後のインタビューで同じようなことを考えていると答えていたので、結局、楽しみを用意して耐え難い苦しさに立ち向かうという意味では僕もオリンピックに出場したことになる。 そこまで言わずとも、競技こそ、闘うレベルこそ違えど、人が元々もつメンタリティにはさほど差はないというのが最近の自分の見解である。メンタリティなるものは、環

          弱小校コンプレックス

          魔法が解けてしまう前に

          何もかも新しいことで溢れていた4月は、その新しさに馴染もうと春らしい無茶な色付きをしていた僕も、今では新しくない慣れた景色の中で、周りが青色だと言うことに、肩の力を抜いてちゃんと青色ですねと言えるだけの夏を迎えようとしている。 子どもに囲まれた当たり前が、当たり前でなくなった時に感じた無力感を人生の縁(ふち)と解釈したけれど、季節柄訪れるそんな一過性の視力の悪さを理由に、止まってしまわなくて本当によかったと振り返る今日までである。 いい時間を過ごしていると、自分のことが好

          魔法が解けてしまう前に

          具体と抽象の話

          「やまだくん、社長が回転寿司に行ったことがないらしくて、回転寿司がどんなところか説明してほしいらしいんだけど」 「いるんですか?今時回転寿司行ったことない人なんて」 「いるんだよ、回転寿司行ったことない人が今時。しかも、社長お忙しいから30秒しか取れないらしいんだけどいける?」 「いるんですか?1日24時間もあるのに30秒しか時間取れない人なんて」 「いるんだよ、30秒しか時間取れない人が、1日24時間もあるのに」 ……… …… … 「社長、失礼します。ただいまお

          具体と抽象の話

          10年前の僕は

          企業の人事部ではたらき始め、人材開発や組織開発という言葉に出逢った。「これはおもしろい」と自分の興味の形にバシッとはまったそれを暇を見つけては勉強している。 学校を離れて2ヶ月、今のところまったく寂しさがないのは、自分にとっては大人、子ども関係なく教育というものが格別におもしろいものだと知ったからであろう。 基本的に何を口にしても「美味い」か「めっちゃ美味い」しか感想をもち合わせていない僕は、仕事も同様に基本的には何をやっても美味しく感じるのだが、教育に関しては圧倒的後者

          「ちゃんとサッカーしようぜ」と言うけれど

          目標であった県大会出場を危なげなく決めたゲームの後なのに、選手達の表情に笑顔はない。 「自分達のサッカーに納得がいっていないから」彼らは言う。入学からずっと戦ってきて、一緒に戦うことができる残り2ヶ月のサッカーにしてはあまりに出来が悪い。 準々決勝までの2時間のインターバルでボード上でマグネットを動かしB-upを確認した後、空きコートではなぜあそこまで2トップのプレスに苦労したのかを話し合う。選手それぞれにその時かかっていたプレッシャーや、考えていたことをヒアリングし、C

          「ちゃんとサッカーしようぜ」と言うけれど

          光らなくなってしまった自分を愛せるか

          「17:45業務終了しました。明日も出社予定です。お先に失礼します」 チームのzoomチャットに誰よりも早く勤務終了を告げる。さてここから寝るまでの時間をどう過ごそうか?17時過ぎからそんなことを考え始めたらワクワクと胸は踊り出す。 「16:45業務終了しました。明日もフレックスです。8時に出社予定です。お先に失礼します」 駐車場までの足取りは軽く。1時間早く帰れるとなるとできることも多い。トレーニングとスタバのハシゴができる。ゆっくり本が読める。最高かよ。 「17:

          光らなくなってしまった自分を愛せるか

          言語化や伝えるということに対して僕が大切にしていること。

          まずこの世の中で一番好きな読み物が自分の日記や文だったりします。喋るよりもちょっとスピードを落として、言葉を選んでいく作業が好きで僕の幸せな瞬間のひとつです。 時間を掛けてせっかく選んだ言葉も前後の繋がりや全体のリズム、文の長さ、重さから何度も読み返して最後の最後で他の言葉に変えることがあります。時間を置いて読み返してみると、他の言葉がしっくり来ることがあります。 文章を書くコツは?と聞いていただけることがありますが、時間を掛けることだと思います。たくさんある言葉の中から

          言語化や伝えるということに対して僕が大切にしていること。

          僕と新入社員研修

          「僕も2週間前にここに来ました」 人に与えられた時間は有限であり、これまで時間をかけてきたものだけがやがて受け取ってもらえるだけの価値になる。 気づいた時から僕は人と関わることが好きで、もうちょっと掘ると、何かが発芽する瞬間を見つけるのが好きで、その芽が育つのを近くで見るのもまた好きだった。 それが仕事になるといいなと思って興味を進めていったら、たまたま僕の価値は教育にあった。有名な教育者というわけではないけれど、先生という国から認められた教育のプロとして10年近く仕事

          僕と新入社員研修

          可処分時間をどう使うか

          4月1日より企業で働きはじめてから2週間が経った。 この2週間は本来、僕ら教員は忙殺され、かつ黄金の3日間を含む出逢いの時期はここを逃したら1年が終わるというプレッシャーを抱えて精神をすり減らして生きている。反して出逢いの美しさはそれがあまりに光って見えるものだから、精神的な疲労をも飲み込んでしまう。しかし、調子に乗った子どものためは、もっともっとと際限なく加速して、連休を迎える前には一度この仕事を続ける自信をなくす時がある。 今年の僕はというとしっかり9時に出社し、定時

          可処分時間をどう使うか

          僕が一般企業で働きはじめた話

          一般企業で働きはじめた。 驚かせてしまっただろうか?無理もない。一番驚いたのは僕だし、1週間わけもわからないまま働いて日曜日を迎えてもなお、明日はこれまで通り学校のある右側に最初のウインカーを出しそうである。 3月の半ば。皆が異動の内示を受けたその日、僕も校長室に呼ばれた。言葉は嘘をつけれど、身体はいつも正直だから、僕にはきっとまだ今の学校でやりたいことがあったんだろう、サッカーも志半ばだったんだろう、ゆえに心拍数は急に上がり出す。 勘弁してくれよと思った矢先に伝えられ

          僕が一般企業で働きはじめた話

          初めて教壇に立つ人に僕はどんな声が掛けられただろう

          僕は誕生日や何かの節目を記事にしないと発作が起きる病気を患っている。 9年目を終え、明日から10年目を迎える。よくこの仕事を続けてこれたなと思う。そんな今日、何かを残しておきたくて駆け込みで書き始めた。 去年初めて教壇に立つ人に送ったメッセージがバズった。今年1年は承認欲求みたいなものを丹念に減らしてこれた1年だったから、目につきやすいXに流すよりは、丁寧なクリックの上、読みたいと思ってくれる人に読んでもらえるnoteを志そうと思う。 でもワンチャンバズれ。 書ける量

          初めて教壇に立つ人に僕はどんな声が掛けられただろう