やまだえっせい

サッカーとかサッカーじゃないこととか。日常にちょっとした文のお洒落を添えて。書いたno…

やまだえっせい

サッカーとかサッカーじゃないこととか。日常にちょっとした文のお洒落を添えて。書いたnoteを本にしたい。

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  • サッカーの記事

    サッカーの記事っぽいものをまとめました。

  • 学校の先生っぽい記事

    授業のこととか学級のこととかまとめておきました。是非ご覧ください!

  • 個人的に好きなnote

    たくさんある記事の中で自分で読み返して「よく書けたな」と思う好きなnoteをまとめてみました。是非感想いただけると幸いです。おもしろければシェアしてあげてください!

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「先生はいつも欲しい時に欲しい言葉をくれました」

水泳の東海大会の引率が終わり、新幹線に乗って三島に帰っている。全中の標準突破を狙った県大会、惜しくもあと少しでそこに届かなかった彼女は今日大きくベストを更新して全中の標準を切った。大会の規定上、東海で標準を切っても全中には出られないのだけれど、気持ちのこもったレースに会場中から送られた拍手は決して乾いた拍手なんかじゃなかったと思う。 帰ってきた彼女に掛けた言葉は「感動したよ、おめでとう」だったけれど合っていただろうか? 純粋な嬉しさがあったのか、悔しさの残る嬉しさだったの

    • 「ちゃんとサッカーしようぜ」と言うけれど

      目標であった県大会出場を危なげなく決めたゲームの後なのに、選手達の表情に笑顔はない。 「自分達のサッカーに納得がいっていないから」彼らは言う。入学からずっと戦ってきて、一緒に戦うことができる残り2ヶ月のサッカーにしてはあまりに出来が悪い。 準々決勝までの2時間のインターバルでボード上でマグネットを動かしB-upを確認した後、空きコートではなぜあそこまで2トップのプレスに苦労したのかを話し合う。選手それぞれにその時かかっていたプレッシャーや、考えていたことをヒアリングし、C

      • 光らなくなってしまった自分を愛せるか

        「17:45業務終了しました。明日も出社予定です。お先に失礼します」 チームのzoomチャットに誰よりも早く勤務終了を告げる。さてここから寝るまでの時間をどう過ごそうか?17時過ぎからそんなことを考え始めたらワクワクと胸は踊り出す。 「16:45業務終了しました。明日もフレックスです。8時に出社予定です。お先に失礼します」 駐車場までの足取りは軽く。1時間早く帰れるとなるとできることも多い。トレーニングとスタバのハシゴができる。ゆっくり本が読める。最高かよ。 「17:

        • 言語化や伝えるということに対して僕が大切にしていること。

          まずこの世の中で一番好きな読み物が自分の日記や文だったりします。喋るよりもちょっとスピードを落として、言葉を選んでいく作業が好きで僕の幸せな瞬間のひとつです。 時間を掛けてせっかく選んだ言葉も前後の繋がりや全体のリズム、文の長さ、重さから何度も読み返して最後の最後で他の言葉に変えることがあります。時間を置いて読み返してみると、他の言葉がしっくり来ることがあります。 文章を書くコツは?と聞いていただけることがありますが、時間を掛けることだと思います。たくさんある言葉の中から

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          僕と新入社員研修

          「僕も2週間前にここに来ました」 人に与えられた時間は有限であり、これまで時間をかけてきたものだけがやがて受け取ってもらえるだけの価値になる。 気づいた時から僕は人と関わることが好きで、もうちょっと掘ると、何かが発芽する瞬間を見つけるのが好きで、その芽が育つのを近くで見るのもまた好きだった。 それが仕事になるといいなと思って興味を進めていったら、たまたま僕の価値は教育にあった。有名な教育者というわけではないけれど、先生という国から認められた教育のプロとして10年近く仕事

          僕と新入社員研修

          可処分時間をどう使うか

          4月1日より企業で働きはじめてから2週間が経った。 この2週間は本来、僕ら教員は忙殺され、かつ黄金の3日間を含む出逢いの時期はここを逃したら1年が終わるというプレッシャーを抱えて精神をすり減らして生きている。反して出逢いの美しさはそれがあまりに光って見えるものだから、精神的な疲労をも飲み込んでしまう。しかし、調子に乗った子どものためは、もっともっとと際限なく加速して、連休を迎える前には一度この仕事を続ける自信をなくす時がある。 今年の僕はというとしっかり9時に出社し、定時

          可処分時間をどう使うか

          僕が一般企業で働きはじめた話

          一般企業で働きはじめた。 驚かせてしまっただろうか?無理もない。一番驚いたのは僕だし、1週間わけもわからないまま働いて日曜日を迎えてもなお、明日はこれまで通り学校のある右側に最初のウインカーを出しそうである。 3月の半ば。皆が異動の内示を受けたその日、僕も校長室に呼ばれた。言葉は嘘をつけれど、身体はいつも正直だから、僕にはきっとまだ今の学校でやりたいことがあったんだろう、サッカーも志半ばだったんだろう、ゆえに心拍数は急に上がり出す。 勘弁してくれよと思った矢先に伝えられ

          僕が一般企業で働きはじめた話

          初めて教壇に立つ人に僕はどんな声が掛けられただろう

          僕は誕生日や何かの節目を記事にしないと発作が起きる病気を患っている。 9年目を終え、明日から10年目を迎える。よくこの仕事を続けてこれたなと思う。そんな今日、何かを残しておきたくて駆け込みで書き始めた。 去年初めて教壇に立つ人に送ったメッセージがバズった。今年1年は承認欲求みたいなものを丹念に減らしてこれた1年だったから、目につきやすいXに流すよりは、丁寧なクリックの上、読みたいと思ってくれる人に読んでもらえるnoteを志そうと思う。 でもワンチャンバズれ。 書ける量

          初めて教壇に立つ人に僕はどんな声が掛けられただろう

          3年3組へ

          3年3組のみんなへ、卒業おめでとう。 今年初めてみんなに出逢った僕は、2年分の思い出が足りないから、仲間に入れてもらいたくて必死でそれを埋めようと思いました。言葉は関係性の上で浅くも深くも響くから、届かない思いを知る度に、人生って難しいなと思いました。それでも、たくさん喋って笑いあい、関係性ができていく音がすると、話を聞いてくれる時のみんなの目が変わっていくのがわかったから、人生っておもしろいなと思いました。結果的に友達か何かと勘違いされるポジションの大人になってしまったこ

          後悔はなぜ残り続けるのか?

          「そういや今年って節分いつ?8月?」 「いゃ真夏。今年とかないっす。だいたい2月3日です」 「ほーん、なんか年取るとマジでイベントごとに興味なくなるのよ。プレゼントもらえるわけじゃあるまいし」 「年の数だけ豆もらえますよ」 「いらねーよ、誰が喜ぶんだよ豆もらって」 「先生、恵方巻とかは食べません?」 「うーんどうだろ。食べるの?」 「まぁ一応、お母さんが作るんで」 「なんか今朝テレビでやってたけど今年の恵方は北北南らしいよ」 「あ、またテキトーなこと言った。

          後悔はなぜ残り続けるのか?

          僕とマット運動

          もうすぐ保健体育教諭としての9年目を終えようとしている。僕が初任の頃に望んだ9年目よりもずっといい感じがするし、予想していた以上に視界はいい。 それはそうか。僕らが予想、想像ができるものは僕らの経験の枠を出ないから、僕が初任の時に望んだ9年目の姿はあの頃、僕のもっている経験の中から覗いてみた曖昧な9年後であり、近くにいる9年目の姿から照らし出した曖昧な理想像である。 同じように、今の僕が予想するここから先の10年後は僕が見てきたものや知識に依存する。少しいいものを知ってし

          僕とマット運動

          やさしさのつくりかた

          「30代独身、実家暮らし、ローンなし」僕は最強のステータスを持ち合わせている。 決意を新たにすること、人生を変えてやろうと誓うことではあんなにも切れたスイッチを入れ直したのに、環境を変えることはこんなにも簡単に人生を変える。去年の4月に僕は世にも珍しく30代にして実家に戻った。 僕は今年、とてもやさしくなった。やさしくなりたいと誓いを立てることなく、気づいたらやさしさが板についてきた感じがする。 傷つけられることがなくなったから、傷つけてやろうなんて思わなかったし、その

          やさしさのつくりかた

          勝てない僕らには運がないのか?

          2年前のこの記事のアンサーソングとなる文を書いてみようと思う。 2年後、チームを変えても僕は強さにならない上手さに頭を悩ませている。 シュート10本と3本、終始攻めながらゴールが遠い。PKだと分が悪いと前に人数を掛けたアディショナルにカウンターを食らって失点した。 僕が今の中学に来てから勝てば県大会のゲームを6つも接戦で落としている。おそらく僕に指導者として勝たせるという才はない。Jリーグならとっくにクビになっている。 前の学校の時も僕の後任の野球出身の後輩がすぐに2

          勝てない僕らには運がないのか?

          15歳、あなたの素晴らしさを人のせいにしないでほしい。

          今年もまた受験生の担任をしている。初めて自分の意志で進む道を決める子どもの傍にいてほしい大人の姿は、不安でたまらなかった15歳の時に僕が出逢いたかった大人の姿にある。 今15歳は長い長い受験期に直面している。大人の僕らからすれば人生の数ある選択のひとつに見えるものも、15歳にとっては初めてかつ落ちてしまうかもしれない少し先の未来への不安が相まった人生を左右するような大きな決断なのだ。「大したことないわ、大きな決断に見えるだけよ」と言う勿れ。これから先、何度もある選択を繰り返

          15歳、あなたの素晴らしさを人のせいにしないでほしい。

          サッカーの授業の教科書

          僕が愛したサッカーというスポーツのおもしろさを、サッカーという難しそうなスポーツに初めて出逢った子ども達にどうやって伝えるか?そんな授業の足あとを残しておきます。 0時間目 ラインブレイクゲーム 1時間目 合言葉は胸合わせ2時間目 ボールポゼッションに挑戦3時間目 2対1に挑戦4時間目 ゲートゴールポゼッションに挑戦5時間目 トランジションゲームに挑戦6.7.9時間目 2対2に挑戦公開授業 スライド 8時間目 ゲーム分析会10.11.12時間目 8人制サッカーどうかサッ

          サッカーの授業の教科書

          11月、アイスタの君が代は

          11月に代表戦がアイスタであるらしい、そんな噂を早々に聞きつけ、部活の日程も決まらない9月の頭に気づいたら知り合いづてにチケットを3枚、自分と両親の分を取っていた。 この代表には立ち上げ当初から三戸舜介(アルビレックス新潟)が呼ばれているから、そこはかたいだろうと。もし呼ばれたら自分が関わった生徒の活躍を両親に見せてあげることができる。教え子のJリーガーが増えるたびに誇らしげに彼らの話をし続ける僕の話をいつも嬉しそうに聞いてくれる両親にちょっとした親孝行のつもりである。そう

          11月、アイスタの君が代は