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芸術における人為
まず、自分が美を為すといういやしい気持ちを捨てることである。むしろ、石がその風貌の力によって辺りの土や苔の感触をひき立てようとする心ばえを読みとり、手を貸すだけである。中村良夫
作庭における「石の心ばえ」とは何だろう。
無生物の心ばえなど、もともとないわけだから、これはもともと比喩である。
しかし、あたかも石が心ばえを持っているかのように読み手に迫ってくる。
霊感を重んずる考え方にも通じるところがあるのだろう。
自分の考えを作品に注入するというより、そこに客観的・俯瞰的な観点を加える「余地」を与えること。
自分の力を出し切ってしまうという自己満足に陥らないこと。
「天才」はそうしたサムシングの部分が大きいともいえる。
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