モロッコの女、強い

先週土曜日は、モロッコ大地震のニュースを見て朝からひっくり返った。

なにしろ、弊社で扱っている主要商品のひとつはモロッコから輸入している。
しかも工場が震源から割と近い。当然、会社は(密かに)大騒ぎとなり、偉い人たちが休日にも関わらずメールを飛ばしまくっていた。

幸い、工場やそこで働く人々に被害はなかったらしい。
月曜に出社した際にはみんな口々に「無事でよかったねえ」と言い合った。

命は無事だったが、生産ができる状態なのかはまた別問題だ。
みんな働ける状態なのか、工場の設備に損害は出ていないか。
その辺りを確認するのはわたしの役目だ。
丁重にお見舞いの文言を打った上で、おそるおそる「新しく注文を検討しているのですが、生産は可能ですか?」と尋ねるメールを送付した。

メールは幸い、翌朝すぐに返ってきた。

「私たちはみんな無事です。でも怖くて2晩も外で過ごしました」
と地震への恐怖が綴られたあと、
「月曜日から私たちはいつも通りに働いてます。発注書送ってくれて大丈夫!」

ちょっと目を疑っちゃったよ。
え、普通に働いてるの?ホンマかいな?

ちなみにここの取引先はみんな女性だ。
収入源がほとんどない現地の女性たちの自立のため、大学の先生が手を貸して立ち上げた組織なのだ。

いつもたどたどしい英語メールで連絡をくれる彼女たちは、今回みたいな大きな地震は生まれて初めてだったはずだ。
たくさんの死者が出て、被害の少ない地域でも外で眠らなければならないような夜を過ごした後でも、彼女たちは普通に働いているという。

いやー、強い。強いよ貴方たち。

ちなみに今日は続報で「生産体制問題なし、設備異常なし、全て大丈夫です!」と元気なメールが来た。

彼女たちの強さ、逞しさに、ただただ敬服するばかりだ。


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