映画「カラオケ行こ!」感想:テンプレじゃ無いから面白い
久々に映画を観ました。
これが大当たりですごい面白かったので、忘れないうちに感想をば。
《あらすじ》
もう一度言います、めちゃくちゃ面白かったです!
面白ポイントはたくさんあるんだけど、そのひとつに「まったくもってテンプレじゃないシナリオ」があるんじゃないかな、と思います。
①子供が大人に託す物語である
この映画のざっくりしたストーリーラインは、中学生の岡くんがヤクザの狂児にカラオケのアドバイスを頼まれる、ってものです。
岡くん、最初はめちゃくちゃ嫌がるんですよね(そらそう)。
けれど、だんだんと積極的ではないながらも、助言らしきものをし始める。
それは回数を重ねて狂児に多少心を開いていったこともあるんだろうけど、自身の変声期の影響も少なからずあるように感じます。
合唱部の部長で、ソプラノパートで、それで3年生まで頑張ってきた岡くん。
生真面目な彼にとっては、引退を前にして声が出なくなるのは、どんなにかフラストレーションを感じる状況でしょう。
だから彼は、目の前にいる男を通じて、このフラストレーションを解消しようとする訳です。
自分ではどうしたって上手く歌えない。
だから、狂児を通じて「上手に歌う」を叶えようとしている。
こういうのって、ドラマとかでよくあるシチュエーションですよね。
学歴コンプの親が、子供にお受験を強要する、とか。
ケガで引退した元天才スポーツ選手が、若い主人公を指導することになる、とか。
よくあるシチュエーションなんですけど、それは大抵のばあい、大人が子供に自分の願望を託している。
この映画みたいに、子供が大人に代理をさせようってパターンはあまり見かけない気がします。
だからそこにひとつ意外性が生まれて、新感覚の面白さになるのではと思いました。
②大人の言葉がぜんぜん響かない
岡くんは中3なので、難しいお年頃です。
真面目で大人しいキャラクターなので暴れるようなことはないですが、それでも親にはちょっとツンツンしちゃうんですね。
ここでありがちなパターンとして、「親とか教師がなんか良いことを言って、主人公が感銘を受ける」というものがあります。
そういうのが一切なくて清々しかった!
たとえば原作に登場しないオリジナルキャラとして、顧問の「ももちゃん先生」がいます。
登場シーンがそこそこ多くて、キャストも芳根京子。
それっぽいこと言ってやっすい感動シーン作り出しそうなポジションなんですよ。
けど、生徒たちには何言っても「お花畑やな」で一蹴されて全く響いてません。笑
徹頭徹尾、岡くんと狂児の関係性の変化にフォーカスが当てられているのが良いんです。
こんな感じの意外性が、面白さのひとつだと思ってます。
もちろん、演技の素晴らしさとか演習の妙とか、他にも素敵ポイントがたくさんある作品なので、ぜひ映画館で見てみてください!
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