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ヤフオク185円で得られる安くて最高の幸福

小学校低学年の時点ですでに、わたしは流行りのものを避ける傾向があった。
自分の意志と関係なくまわりの人と同じであることがものすごく嫌だった。
そう考えるようになったきっかけはしっかり覚えている。
4歳か5歳の頃。

幼稚園で催された親子でやる木工体験のときのこと。
できあがった木の飛行機に最後にマーカーで何か絵を描かなければいけなかった。
わたしはそのできあがったかっこいい飛行機に何を描けばいいのか全く思い浮かばなくて。
というか何も書いていない状態で満足しきっていた。

でも周りの大人は『なにを描いてもいいんだよ。何色でもいいんだよ』としきりに何かを描くことを促してくる。
どうやら何かを描かないと終われないようだった。

仕方ないので、当時まわりの女の子たちがよく絵に描いていたハートマークを赤やらピンクやらでたくさん飛行機に描くことにした。
せっせとその作業をしていたら、隣の子のお母さんがそれをのぞき込んで言ったのだ。
「わー!ふみえちゃんハートが好きなんじゃねぇ!」

『 ……ちがうよ。』

ハートなんて本当は全然興味ない。
描くものがないから描いただけで、好きなんかじゃない。
でも子どもなりに気を遣って、わたしは
「うん」
と返事をした。

その瞬間、そのかっこよかった飛行機を持っているのが嫌でたまらなくなった。
『本当はすきじゃないもん』
『ハートなんて本当は描きたくなかったもん。もっとかっこいいのがよかったもん』

その間にも「かわいいねぇ」「女の子じゃねぇ」というママさんたちからの声。

『うわぁ…はずかしい…

たしかその飛行機は家に持って帰りはしたものの、一度も遊ばなかったし、どこかに隠していたか、捨ててもらった気がする。
この出来事をきっかけにわたしは "流行りにのること" を避けるようになった。

そんなこんなで、これまで流行りの服だとかブランド物だとかには全く食指が動かず、自分の目で見て「イイ!」と思った服ばかり買っては流行りガン無視で着続けてきたわたしです。
(おかげさまで華やかさのかけらもない青春時代だったのは言うまでもない)

↑ 作務衣はとっても機能的なのでだいすきです

先日、大学1年のときにヤフオクで500円くらいで落札したお気に入りのフリースジャケット(まちがえてメンズのMサイズを落としてしまったのだけど、逆にそれがすごく気に入っていた)にとうとう限界がみえてきた。
アウトドアメーカーなので作りがしっかりしているし、一枚でとてもあたたかい最高のフリースだったのですが、さすがに15年も着ていたらヒジのところがペラッペラになっておりまして。
うぅ…悲しい…

そしてわたしはやってしまった。

同じものを検索してポチるという禁断の一手を。


もうね、このフリースジャケットが好きすぎて&新しくいいと思うものを一から選ぶのがめんどくさくて。。
ひと昔前に流行語になりましたね、『日干し女』。
完璧にそれやんかと思いながらやりました。
ポチ。

ヤフオク検索(いまだにメルカリよりもヤフオク派)したら、全く同じのもあったのだけどそれは落札できなくて、ちょっとデザインが改新されてるけどほぼ同じシルエットのものを186円で落札。(人気なさすぎか)

それが昨日届きまして、
結果としてただいま幸福度MAXなわたくしです。ひゃい~
やっぱいいわ、このフリースジャケット。
あったかくてデザインも最高だわ。
しかも新しいデザインのおかげで機能性もものすごく上がってました。
(よく擦れるところが別素材で補強されてたり、脇にチャックがついて体温調整しやすくなってたり)

やっぱり時が経っても自分で選んだものはいいなぁ。

またこれも15年着るぞ。


日干し

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