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【薬剤師】おくすり手帳について

こんにちは。やまぶきです。
今回もnoteをご覧いただきありがとうございます。

今回はおくすり手帳についてまとめたいと思います。


1.「おくすり手帳」とは?

おくすり手帳とは、自分が使っている薬の名前・量・日数・使用方法などを記録できる手帳のことです。おくすり手帳は医師、歯科医師、薬剤師が所有者の薬歴を知ることにより、重複投与・相互作用を確認して、薬を安全・適正に処方、調剤するために使用するものです。

お薬手帳は平成5年(1993)年、日本国内の患者15人が別々の病院からソリブジン(抗ウイルス剤)と5-FU(抗がん剤)の処方を受け、その相互作用により死亡した事件、「ソリブジン事件」をきっかけとして導入されました。

また、2年後の平成7(1995)年、「阪神・淡路大震災」において、お薬手帳があれば処方箋なしで薬を受け取ることができる場合があり、災害においての備えの意味でも認知され、急速に普及するようになりました。

さらに、平成23(2011)年3月11日の「東日本大震災」においても、災害時においてのおくすり手帳の必要性が再認識され、おくすり手帳の電子化が進みました。

2.「おくすり手帳」のメリットとデメリット

<メリット>

  • 薬の飲み合わせや重複投与をチェックし、副作用や飲み合わせのリスクを減らすことができる。

  • 副作用歴、アレルギー、過去にかかった病気などの情報を伝えることができる。

  • 旅行や災害時、緊急搬送されたときなどに、自分のお薬の情報を正確に伝えることができる。

  • 市販薬やサプリメントも管理できる。

  • 窓口負担が軽減される。

<デメリット>

  • 薬局に行く際に忘れてしまうと、シールを貼り忘れて記録が残らない。

  • 紛失してしまうことがある。

  • おくすり手帳を新しく切り替えるとき、過去のものを持参しないと薬をチェックできない。

  • 院内処方の病院に行く際、記録に残らないことが多い。

3.「おくすり手帳」アプリのメリットとデメリット

<メリット>

  • 病院に行く機会が少なくお薬処方の履歴が少ない場合、紙のおくすり手帳を持ち歩かずに済む。

  • 災害時に本人以外が容易にアプリにアクセスできるように、スマホのパスワードロックをかけていない場合、パスワードロックを忘れない場合に適する。

  • 医師や病院にスマホを預けても良い人に適する。

  • アプリを作成した特定の薬局に行きたい場合に適する。

  • 薬局が開発したアプリをインストールしてもらうことによって、次回も処方箋を同じ薬局に持ってきてもらえる可能性が高まる。

  • 処方箋の写真を撮って薬局に送ってもらうことで、患者の利便性が向上し、その名目で確実に処方箋を薬局に誘導できる。

  • アプリを使い続けることで、患者の処方の履歴がサーバーに蓄積するため、ますます別の薬局に移りにくくなる。

  • 他の薬局に行くと、別のアプリを新たにインストールしなければならないため、患者を自らの薬局に誘導しやすくなる。

<デメリット>

  • アプリの開発は調剤薬局ごとに行われたので、薬局共通規格の移行に手間がかかる。

  • アプリごとに規格・操作法が異なり、狭い画面から処方情報を一覧することが困難である。

  • 表示画面に薬の名前しか載ってない場合や、患者が都合の良い場面だけを提示する場合があり、医師が必要な情報を把握できない

  • 医師が内容をじっくり確認するためにスマートフォンを手に取ることを患者が嫌がる場合がある。

  • 各薬局のアプリは「患者をつなぎとめるために無料で提供されている」場合が多く、サーバーに保存されたデータごと、サービスが突然終了してしまう可能性がある。

  • 災害時に「サーバーに繋がらない」、「スマホが充電切れになる」、「パスワードがかかり本人以外見られない」などの問題が起こる可能性がある。

  • あとから情報を書き込んだり、注意点をメモすることが困難である。

  • 薬局を変えてアプリを削除した場合に、データがなくなる。

  • 高齢者など、スマホに疎い場合、アプリを使いこなせない。

4.「おくすり手帳」はどこでもらえるの?

おくすり手帳は全国の調剤薬局で無料でもらえます。医療機関から処方箋をもらったら調剤薬局にご相談ください。薬局によって色々なデザインのおくすり手帳があります。小さなお子様用にキャラクターが描かれているものなど様々ですが、基本的な内容は一緒です。

最近では、スマートフォンによるアプリを活用している薬局などもあるので、薬局で相談してみて下さい。

5.「おくすり手帳」はいつ使うの?

病院で診察を受ける時は、医師にお見せ下さい。薬局で薬を処方してもらう時や薬を購入する時は薬剤師にお渡し下さい。内容を確認したうえで、必要事項を記入してお薬と一緒にお返し致します。

お薬は非常に多くの種類があるだけでなく、似ている名前もあり、一字違うだけで全く違うお薬になってしまいます。

また、「血圧の白い錠剤」と言われても全く見当もつきません。自分で記入せず薬局や医療機関で記入してもらいましょう。

また、日本全国どこの病院や薬局でも使えます。「おくすり手帳」はあなたの大切な記録です。全国どこの薬局に行っても記入してもらってください。また、病院や薬局ごとに「おくすり手帳」を作ってしまうと、飲み合わせや重複投与の確認ができなくなってしまうので、1冊にまとめてください。

6.薬は飲まないけど、「おくすり手帳」は必要?

薬を飲まない場合や、いつも同じ薬を継続して飲んでいる場合でも、「おくすり手帳」は必要です。

薬を飲まない場合、白紙の「おくすり手帳」を見ることで薬を飲んでいないことを確認できます。

同じお薬を継続して服用していても、服用開始時期、お薬の種類や量の変更の有無、追加臨時薬の有無など正確に把握できます。また途中が抜けているとその期間は休薬(お薬を一旦服用しないで様子を見る)していると判断されてしまいます。

さらに、同じ薬を継続して服用していることをしっかり記録しておくことで、旅先での急な病気や事故でいつもと違う病院や薬局にかかった時や、災害時で避難した時などに適切な処置が速やかに受けられるので毎回記入してもらうようにしましょう。

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