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「山口ゼミ」にはチューターが居ます!〜6年経っても続けている理由とか。

 プロ作曲家育成の「山口ゼミ」は、卒業生の現役作曲家にアルバイトとしてチューターをやってもらうという制度をやっています。アルバイトと言いつつ、責任感は強く持ってくれていて、受講生とのコミュニケーションや、「ウッカリ」だらけの山口伊藤のフォローや、受講生目線での講座の企画運営に関するアドバイスなどの役割を務めてくれています。Co-Writing Farmという卒業生によるコミュニティ/ソングライター集団がいるので、そことのジャンクションという役割にも自ずと担います。
 二代目チューターの田辺は、とっても丁寧にやってくれて、チューター制度がworkしたなと思っています。僕の立場でいうと、属人性も高い役割なので慣れた人が続けてくれたほうが楽ですが、以前マネージメントをしていた大ドラマー村上ponta秀一がローディーを必ず1年で交替させるやめさせるというルールを守っているのを見ていて、アシスタントみたいな仕事を長くさせないという姿勢には感銘を受けていました。素晴らしい態度と思ったので、僕もそれを見習って、チューターは引き継ぎ含めて2年以内の任期と決めています。
 終わったところで田辺がブログを書いていて、こんな風に思っていたのだなと改めて感謝の気持を強くしました。一見、オタク風の見た目で、相手の目を見て話すのが苦手なタイプに思えますが、ニュートラルな視点から、自分の頭で考えて、確認のジャッジを求めてくる仕事ぶりは信頼できたし、とても助かりました。

 ポンタさんがローディを辞めさせるのは、アシスタント癖がつくとドラマーとして大成しないと思っているからだと、勝手に解釈していました。大相撲の世界では「弓取式をやる力士は出世しない」という言い伝えがあるようです。僕としては「チューターやると楽曲が決まる」というジンクスを作りたいです^^ 山口伊藤の近くにいて、講師にくるプロデューサーとも深い話ができるといった経験はクリエイターとしてプラスになるはずと信じたいです。田辺にはガツガツと成功の道を歩んでもらいないなと願っています。
 3代目は初の女性。元小学校教員の室屋優美。こちらも早速、ブログを書いていました。

 丁寧なコミュニケーションを取ってくれる人なので、受講生がやりやすいだろうなと思っていますが、この文章を読んで、思った以上にクレバーだなと感じています。チューター経験をクリエイターとしてのステップアップにしようという「野心」も感じて好印象です。

 山口ゼミも7年目になり、卒業生によるコミュニティーCo-Writing Farmも140名超。山口伊藤の思惑を超えて「自走」を始めています。「天才」は居ないけれど、コーライティングを武器にした「団体戦」で、日本のどの事務所にも負けないクオリティの作品を出せるようになっています。圧倒的な曲数も(数えてないのでわかりませんが、年間で数千曲がコンペなどに提出されていると思います)迫力あります。音楽の仕事のキャリアは長い僕ですら、見たことも聞いたこともない、クリエイターによる健全なコミュニティーが日々、動いています。
 最近は、TIPSを手に入れたCWFメンバーが講師を務める作曲家向けの「スキルアップセミナー」も行っています。企画に僕は関わっていませんが、現役ならではのリアリティがあって面白い講座が多いです。興味のある方はチェックしてみてください!

 音楽シーンが本格的にグローバル化し、既存の芸能界やレコード会社の影響力が相対的に下がっていくトレンドの中、とは言え、従来の仕組みも根強く残っている日本の音楽業界で、次世代型のクリエイターの在り方として、インディペンデント精神とプロフェッショナルスキルを伝えている、彼ら彼女たちがどんな活躍を見せてくれるのか、ちょっと他人事のように楽しみにしている自分がいます。

 7年目の山口ゼミも続けています。伊藤涼と二人で飲むと「いつどんな風に辞めるのがカッコ悪くないか?」を話すことが多くなりましたが、音楽家が確変的に成長する瞬間に立ち会う喜びは変わらず、まだ暫くの間は、モチベーション高く、続けられそうです。最初から公言していましたが、飽きたら辞めますww 過去の自分をなぞるようになったら、自分が音楽プロデューサーとして駄目になる気がしますし、過去をなぞる人が教えている「講座」から、アクティブに新たな才能が生まれるとは思えないのです。少なくともポップカルチャーでは、フレッシュな現役感はマストのはずです。
 新型コロナウィルス感染症対策でオンライン講座化してみたら、より自分のコミュニケーション能力が問われた気がしました。教育効果が落ちないことが実感できて自信にもなりました。

 今年は、合宿型のキャンプの実施はちょっと難しそうですが、日本におけるコーライティング・ムーブメントの本家本元としての旗を掲げて、頑張っていこうと思います。オープン・イノベーション型を標榜していて、誰でも様々な形で関わってもらえる場ですので、興味のある業界関係者はお気軽にご連絡下さい。


モチベーションあがります(^_-)