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高校美術部シリーズ

私の美術部にまつわるお話まとめ

美術短大受験にまつわるエトセトラ。

1.力試し「テツ、お前、美大行きたいのか?」 春の土曜の昼下がり、パンを頬張る私に美術部顧問が言った。 その時の私は美術部所属の高校3年生。 「美術短大ですよ。うちには年子の進学校に行ってる弟がいてお金要るし。第一、私が今から4年制の準備は無謀でしょう。」 「それで、どうすんねん。」 顧問はどこからか私の進路希望書を見たらしい。 2年生になったぐらいから、意識をしていた。 「できるなら、もう少し美術の勉強がしたいなぁ。」と。 ただそれがどの方向なのか、何を専攻にす

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美術部に入る。

私は高校3年間、美術部に所属していた。 昔から絵を描く事は好きだった。 小さい頃から暇があれば絵を描いてるような子供で、何かを作ったり、絵を描いていると周りが見えなくなり返事もしなくなるタイプだった。 (そしてよく怒られた) しかし、だから美術部に入ったわけではない。 高校に入学してまもなく部活見学期間が始まった。 中学時代、生物部に所属していた私は高校に入ったら体を鍛えようと密かに思っていた。 ちょっと弓道部なんかにも憧れる。弓の弦をぐいと引いている凛々しい自分の姿を

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肉まん、あんまん。

もう昔々、高校生1年の頃のワタシ。 もう冬に差し掛かろうとかという秋の夜。春には桜並木で覆い尽くされる坂道をウッキウキで自転車で下っていた。  その頃の私は美術部に所属し、くる日もくる日も何なら土日も県内の数々の公募展に向けて、油絵具だの粘土(彫刻)だのにまみれる日々を過ごしていた。 みんな田舎の高校生でお金は無かったが仲は良かった。顧問も無精髭で冴えない風体ながらも熱心な教師で作家としても活動していた。 顧問はこの後、私の人生においてのキーパーソンになるのだが、またそれ

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美術部搬入大作戦。

高校三年間、私は美術部に所属していた。 部活の活動は、主に県内の公募展の出品に向けて制作をする。出品物は主に油絵、若しくは彫刻。 これは私が高校2年生の時のお話だ。 我が美術部員は皆、個性的。 やたらと大工スキルの高い岡本部長。 服装検査を一度もパスした事がない小角さん。 死ぬほどマイペースな後輩、河合くん。 自らセクシー女優達の名前をびっちり書き込んだという上靴を履く佐藤くん。 良い色を出せた時は必ずその場でターンを決める村治くん。 超アニメボイスの筒井さん。 等々

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