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【アンサーnote】レモンケーキに魅了されて

5月4日。わたしは広島に向かっていた。

プロローグ

わたしはJリーグの鹿島アントラーズを応援している。ほかによっぽどの用事があって都合がつかない場合や体調不良でなければ、たいてい試合日は日本全国どこかのスタジアムにいる。

そんなわたしではあるが。

21シーズンが終了し、22シーズンを戦うチームが決まったとき、「来シーズンのアウェイ広島は行かないかも」とサポ仲間に漏らすほど、広島遠征への優先順位はあまり高くなかった。移動時間、交通費、スタジアムをトータルで見たときのコスパ、今までの参戦で気持ちよく帰ったことがないことが即決を渋らせた理由。日程が発表され、遠征がしやすいゴールデンウィークと同じ週だと分かったときも、「時期的に高いしなー」と、まだ決めきれないでいた。

単純なもので

わたしはレモンを使った洋菓子に目がない。美味しいレモンのお菓子があると聞けば買いに走るし、誕生日のケーキはイチゴのショートケーキには目もくれず、レモンタルトだのレモンパイなどをリクエストするほどだ。

この日も、何気なくレモンのケーキの情報を調べていたら、こんな記事が目に飛び込んできた。

生口島にある宿のスタッフさんが書いたブログだった。

生口島といえばレモンケーキ!

ずいぶん言い切るわね。

とりあえず読んでみることにした。

そんな生口島は日本一のレモンの産地!
故にか、小・中・高校が一つずつしかない島なのに、レモンケーキの製造販売所は6件もあります。
島宿NESTブログより

生口島ね…。

どこなのよ…。

しまなみ海道?

広島か…。

広島?!

こうして、ゴールデンウィークに設定された広島戦は、「自宅でDAZN観戦でもいいか・・・」から、「瀬戸田(生口島)でレモンケーキ食べ比べ(ついでにほかのレモンスイーツもいただいちゃいます)+アウェイ広島戦現地参戦しないと!」というモチベーションになった。ついでに、ずっと興味があったしまなみ海道サイクリングもプランに入れた。

お伝えしたいもので

食べ比べも勝手にやればいい話なのだが、宿に着いたとき(これも何かの縁だと、今回、きっかけとなったブログの島宿NESTさんに泊まった)、「実はブログでレモンケーキ食べ比べを読んで、わたしもやろうと思って…」とお話をしたら、とても喜んでくださったこと、「食べ比べしたら感想を教えてください」とおっしゃっていただいたことより、noteにすることにした。

(だからアンサーnote)

もし「レモンケーキ」というキーワードでこのnoteを目にした方がいたとしたら、ぜひ島宿NESTさんのブログも読んでいただきたい。

ちなみに、あくまでもわたしの感想なので、ご了承ください。

食いしん坊なもので

買ってきた6軒、全10品を食べ比べしてみよう。ちなみにわたしは総じてすっぱーい味が好み。

※紹介するお店の順番は、しまなみ海道サイクリングロードを尾道方面から今治方面に進むルート上でお店がある順としています。

クレメント

瀬戸田レモンケーキ

レモンの風味はそれほど強くないが、口の中に香りが残る。上部のみレモンチョコレートでコーティングされている。断面からも分かる通り、密度もギュッと詰まっておらず、やわらかな食感で、ぽろぽろとこぼれやすい。

瀬戸田レモンケーキ

尾道方面から今治方面に進むルート上の最初にあるのがこのクレメントさん。店先は花がいっぱい飾られていてちょっとメルヘンチック。レモンケーキに限らず、洋菓子の種類が豊富で、最初からテンションが上がってしまった。気になるお菓子を全部買ったらお金足りるかな?と思ったし、この先の荷物はどれくらい増えるんだろう?と危機感を覚えた。わたしに自制心があって良かった。

島ごころ

瀬戸田レモンケーキ 島ごころ
瀬戸田グリーンレモンケーキ 島ごころ

特徴はゴロゴロと入ったレモンピールの食感。ケーキ自体はしっとりしたバターの風味だが、レモンピールが芳醇なレモンの香りを引き出す。グリーンレモンケーキのほうがビターな味わいでレモンの風味も強く、大人な味。パッケージの帯の裏に商品の説明が書かれており、レモンケーキへの想いが伝わってくる。

(左)瀬戸田レモンケーキ 島ごころ
(右)瀬戸田グリーンレモンケーキ 島ごころ

遠くからでも目立つ大きなお店の島ごころさん。店内はお土産を買い求める観光客で賑わっていた。レモンケーキのみならず、さまざまなレモンを使ったスイーツが並び、焼きたてのレモンケーキもいただける。レモンケーキの種類(フレーバー)が多いのもほかのお店と違うところかな、と。お店は島内だけでなく広島駅や広島空港などほかにもたくさんあって、一番よく見かけることになるのではないだろうか。

みしまや

れもんケーキ

レモンの風味はそれほど強くなく、どこか懐かしい味がする(絶対食べたことがあるあの味に似ている…)。10種類の中で一番小ぶりサイズで、豪快にいくなら一口で食べられそう。ケーキ全体がレモンチョコでコーティングされているが、10種類の中で唯一、包装紙タイプなので(他は袋に入っている)、チョコレートが溶けるほど暑いときも手を汚さず食べることができるのは嬉しい。

れもんケーキ

街に溶け込む老舗和菓子屋の佇まい。取り扱う商品も、饅頭、どら焼き、もなかなど。看板商品はみしま饅頭のようだ。レモンのスイーツも大好きだが、和菓子も好きなわたしには、今回の目的を忘れ、危うく饅頭全種類制覇をしそうになった。わたしに自制心があって良かった。

梅月堂

瀬戸田レモンケーキ
すっぱい瀬戸田レモンケーキ

しっとり系のレモンケーキ。一見普通のレモンケーキだが、割ってみると中にマロングラッセ(瀬戸田レモンケーキ)、レモンジュレ(すっぱい瀬戸田レモンケーキ)が入っている。ケーキ自体は甘さもレモン風味も少なめのバターケーキといったところ。原材料に洋酒を使っているのはこの梅月堂さんのみ。
レモンケーキといってもやさしい甘さのものが多い中、このすっぱい瀬戸田レモンケーキ(のジュレ)は本当にレモンの酸っぱさを味わわせてくれる。

(左)すっぱい瀬戸田レモンケーキ
(右)瀬戸田レモンケーキ

梅月堂さんはサイクリングロードから一本入っているので少し見つけにくいが、瀬戸田観光スポットの一つにも挙がる耕三寺の向かいにある。近くには、これまた瀬戸田で人気のジェラート屋さんドルチェさん(耕三寺前店)、蛸料理で評判の御食事処ちどりさんがある。レモンケーキだけでなく、レモン饅頭やレモン大福などをはじめ、ほかのフルーツを使ったお菓子の種類も豊富。道路に面してショーケースに商品が並んでいるのが見えるので、店内に入りやすい。

向栄堂

レモンケーキ

小ぶりなサイズ。ケーキ全体がチョコレートでしっかりとコーティングされている。コーティングありのレモンケーキ3種類の中では一番コーティングがしっかり。持ち運びに失敗すると、コーティングにヒビが入り、ボロボロに(泣)。ケーキ自体はレモンを主張せず、チョコレートがレモンの風味強め。酸っぱいとまではいかないが、ちゃんとレモンの味も香りも楽しめる、レモンケーキの名前通りの味。

レモンケーキ

尾道方面から今治方面に進むルート上の最後にあるのがこの向栄堂さん。懐かしさが漂うしおまち商店街の中にある。商店街を自転車でのんび~り走っていたとき、商店の方と思しきおばちゃんに「どこ行くの?」と突然声をかけられた。「レモンケーキを買いに」と答えると、お店の場所を教えてくれたり、瀬戸田のレモンケーキについてなど地元ならではのネタを教えてくれた。地元の人とのふれあい、いいよね。ありがとう、おばちゃん。

あじば農園

元祖!すっぱいレモンケーキ ちーとすいー
元祖チョコチップレモンケーキ チョコレモン
カープオフィシャルレモンケーキ ぶちすぃー

ずっしりと重みがあって、しっかりとした食べ応え。大きさもほかと比べて大きい。食べたときのふわっと鼻から抜けるレモンの香りに満足度高し。酸っぱいレモンケーキを食べたいから作ったというだけあるレモンの存在感。
チョコレモンはさらにチョコレートの味わいが加わり、レモンの香りがきたあとにチョコレートがふわっと残る、とてもいいハーモニー。
ぶちすぃーはケーキそのものがちゃんと「酸っぱいレモンのケーキです」と主張してくれる。食べた後もしばらくレモンの風味が口の中に残るほど。

(左)カープオフィシャルレモンケーキ ぶちすぃー
(右)元祖!すっぱいレモンケーキ ちーとすいー
(下)元祖チョコチップレモンケーキ チョコレモン

あじば農園さんは実店舗はなく、島内では取り扱っているお店は、後述する平山郁夫美術館のカフェ「喫茶オアシス」併設のショップと、しまなみ海道瀬戸田PA上りの2ヶ所のみのようだ。3種類のフレーバーのうちの1つのパッケージには広島の某野球団のマスコットが描かれているので、プロ野球ファンにとっては親しみを持つか、手に取るのも抵抗があるか…。でも、お土産としてはこういうの、とてもいいと思う。

おまけのおまけ

平山郁夫美術館のラウンジ「喫茶オアシス」では、レモンケーキ2種類とドリンクがセットになった「今月のレモンケーキセット」というメニューがある。残念なことに、ウェブサイトにはこのセットについて書いてないのだが、もっとアピールしてもいいのでは?と思う。

このときは梅月堂さんのとみしまやさんの2種類だった。

カフェは9:00から開いていて、ちょうどいい朝ごはんになった

お店の方とのちょっとした話の中で、わたしがレモンケーキの旅で来たと言うと、親切に瀬戸田レモンケーキMAPなるものをくださった。

事前にレモンケーキのお店を調べていなくても、食べ比べしてみようと思うのではないだろうか。

とてもわかりやすいマップ

また行きたいもので

島内にはレモンケーキを販売しているお店が6軒ある。これらの6軒(※)はほぼ一直線上にあり、端のお店から反対の端のお店まででも1.5kmほど。買いまわるのがとても便利だった。
※あじば農園は実店舗ではないが、あじば農園のレモンケーキを取り扱う喫茶オアシスの場所を含む。

来てみて驚いたのが、一口に「レモンケーキ」と言っても、お店によって個性が色濃く出ていて、製造するお店も洋菓子店だったり和菓子店だったり、レモンケーキ専門店だったりと、多様性に富んでいる。どのお店も一つから買うことができるので、いろいろと食べ比べして、自分の好みを見つけるのも楽しいと思う。

今回は、レモンケーキをお目当てにしたが、お店に立ち寄って気になったお菓子もそれぞれのお店でたくさんあった。今治までまだまだ45kmほどの行程を残していた今回は、荷物を増やすことに抵抗があり(結局増えたのだけれども)、なかなか手を出せなかったが、次に行ったときはいろいろと買い占めたい(笑)。

正直なもので

わたしのお気に入り。

すっぱい瀬戸田レモンケーキ(梅月堂)

レモン感も味も大きさも食感も、コレが一番好きかな。

感想としては。

瀬戸田レモンケーキ 島ごころ
瀬戸田グリーンレモンケーキ 島ごころ
(いずれも島ごころ)
すっぱい瀬戸田レモンケーキ(梅月堂)
レモンケーキ(向栄堂)
元祖!すっぱいレモンケーキ ちーとすいー
元祖チョコチップレモンケーキ チョコレモン
カープオフィシャルレモンケーキ ぶちすぃー
(いずれもあじば農園)

しっかりレモンの風味を味わいたいなら、ここらへんがおすすめ。

瀬戸田レモンケーキ(クレメント)
れもんケーキ(みしまや)
レモンケーキ(向栄堂)

レモンチョコでコーティングされたこの3種類は冷蔵庫で冷やして食べたい。

鹿サポなもので

今回のしまなみ海道旅はめちゃくちゃ楽しかった。天気にも出会った人にも恵まれ、ゴールデンウィークの旅行先としてとても良いチョイスをした。周りにも「ぜひ!」とお勧めしたいほどだ。

だが。

チクショー、勝点持って帰れなかった!やっぱり広島遠征はいい思い出じゃないわ!

それでも行って良かったけど!

次は勝つぞ!