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「生理の貧困」 ネットが拡げる話題にリアルはどう応えるのか?

3月1日にスタートした「女性の健康週間」。女性の健康というと、乳がんや子宮頸がんなど“女性特有のがん”に目がいきがちだが、「#みんなの生理」という団体が発表したアンケート結果について、NHKなどの主要メディアが報じたことで「生理の貧困」というワードが一気に注目を集めた。

上記の調査結果をうけ、日本若者協議会の室橋祐貴代表理事は「金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者の割合が20.1%と、諸外国とほとんど変わらない水準で“生理の貧困”が日本にも存在することが明らかとなった」として、スコットランドが世界で初めて「生理用品無償化」の法案を可決し、諸外国では学校での無償提供が進められていることなどを紹介している。

「生理の貧困」−−−−。このワードを聞いた時、正直ビックリして、生理用品の価格をすぐ検索してしまった。だいたい月額500円〜1000円ぐらいとのこと。痛みがひどいと通院や薬の処方など、さらに負担が大きくなるとの声もあったが、やはり5人に1人が苦労したという数字は衝撃だ。また、日本に限らず世界中で問題化していることも初めて認識した。

このアンケートを実施した「#みんなの生理」は、消費税10%時に導入された「軽減税率」の対象品目に“生活必需品である生理用品も入れるべき”と運動が起こったのをきっかけに誕生した。生理用品の市場は毎年1000億円弱で、軽減税率を適用しても国の減収は20億円程度(1000億×2%)。新聞を対象にするなら、こっちだろうというのは納得できる。

現在、豊島区や北区などで防災備蓄品を活用した無償配布がスタートしたと聞いた。消費期限が過ぎた廃棄予定の備蓄品を活用するそうで有効な方法といえる。

話は変わるが、私がこの問題で注目したのは、ネグレクトにより「生理について教えない」「生理用品を買いあたえてもらえない」という子どもがいるという現実だ。実際の数は不明だが、当事者の子どものことを考えると、胸が張り裂けそうな思いになる。生理の貧困から派生するカタチで、より根深い問題があることに気付かされた。

「軽減税率」への対象化を目標に始まった運動である。政治もこれらの国民の声をしっかり受け止めて対応するべきだ。ネットで話題になり、ニュース報道を経て、さらに問題意識が高まっていく。新たに定着しつつある、ネットを活用した民意の拡がり。リアルな現実社会はどう受け止めて行動するのか。今後も注目していきたい。


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