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バイトから帰るともう蚊の鳴くような声しか出ない。
疲労困憊具合がハンパないっていうか?
だよ、

蚊です・・・


人間じゃなくて。
例のザムザ氏の方がよほど高級だ。
あ、そういう話じゃなかったっけ😓

フィジカルもだがメンタルが特によろしくない。
老人たちが、なんかもう、可哀そうっていうか何ていうか??なんだけど(職場内)網走番外地在住の私にできることは限られているし、ハートが筋肉痛からの心筋梗塞になって死んじゃいそうなんだもん😢

今や
お風呂入って早く寝たい!
ただそれだけ!
というレベルの低ーい存在に成り果ててしまった私。

で、一晩寝るとリスくらいには回復。

が、バイト行くとまたに逆戻り😓
という状況が続いており・・・。

しかし、何にでも終わりがあるように、ついにこの状況にも終わりがやってきた。

ある日、95%の仕事を終えたところで5時になった。いつも時間通りに退勤するよう促されているので「あと5%残っているな?」とは思ったものの、時間に遅れないよう慌てて帰り支度をしていたところ、

「残り5%も片付けていってください。」とチーフが言う。

え?

時間内に退勤せよとの掟はどこへ?

つーか、2人1組でやる仕事を1人でやったのにまだやれと?

「すみません、約束がありますので。」と申し上げたら

「残業代出しますからやってください。」とおっしゃる。

「たいへん申し訳ないのですが、派遣会社との契約は5時までですので帰ります。」とつれない私。

この時、既にですから私。

お金より睡眠・・・


帰って寝る事しか考えてないという。

「じゃあ、もういいです!」

「辞めてください!」


え?
チーフったら
大丈夫なの?
あとで立場苦しくならない?
オーナー怒ると怖そうじゃん?
だし、足りない人手がまた減っちゃうんだよ?

と思いはしたものの、もう一方で

今、
辞めて下さい
って言った?
言ったよね?ね?ね?ね?

よっしゃ〜〜〜❣️


「はい!辞めます!」

笑みで綻びそうになる顔をフルスロットルでシカメながら、即答した。

自分から何度も辞めそうになったけど、その都度、カスタマーの顔が浮かんで辞められなかったんだもん。派遣会社との契約は12月初旬までで、それを履行せねばみたいな義務感もあったしね。

が、先方から通告された場合、私に契約を履行する義務は無いじゃん?
ゼロじゃん?皆無じゃん?

 FIN  FIN  FIN  FIN  FIN!


エンドロールをありがとう!


初めてチーフに感謝した。

おそらく問題は5%なんかではない。
考えてみれば、批判的にしかグレイッシュ・ホームを見られない私の気持ちは、隠しているつもりでも伝わらないはずはなく、施設側にしてみればいちいち批判的な態度をとる派遣社員なんぞ使いにくいだけで、嬉しいわけもなかろうて。

その上、カスタマーからはあのお姉さんがいいとご指名が入るし、そりゃあムカつくよね。
だから、双方の我慢が積もりに積もっていて、たまたま施設側で限界点をオーバーし爆発したという事なのだろう、と理解した。

この施設で求められているのは、スピードと効率だ。カスタマーに寄り添う姿勢なんて特に必要とされてはいないのである。

解雇上等!


よくぞ我慢したな、自分❣️


この最後となった日、
真弓さんに呼ばれて排泄介助をしたら
「これであなたも一人前ね。」と言われた。

礼子さんは、「大魔神事件」以来顔色がすぐれないが、今日は海苔巻きを作った話を楽しそうにしてくれた。

ミスター・ダンディーは
「タンゴをどうやって教えようか考えているんだよ。」
と嬉しそうだった。

理子さんは今日も「うーうーあーあー」歌っていたっけ。

他にも沢山の老人たちの顔が浮かぶ。

ごめんね、みんな。
私にはあなたがたを助けてあげるだけの力が無いの。
でも、いい介護士さんも20%くらいはいるから大丈夫。
(あんまし慰めになってないかも?だけど0%よりはマシっていうか?)

挨拶もせずに消えるけど
またいつかどこかで
会えたらいいよね♪


だから

オムツをつけた皺々の天使たち!

頑張って生きていくんだよ!


お姉さんより


お姉さんと呼ばれなくなるのは、ちょっと残念だなぁ 笑)


老人施設と一口に言っても様々な場所があり、その中にはうんと居心地のいい場所だってきっとあるに違いない。私が迷い込んだ場所がたまたま最悪だっただけだと信じたい。でも・・・。

ともあれ、怒涛のハードボイルドワンダーランド生活、グレイッシュ・ホームとはGOOD BYEと相成ったご報告でござりまする。

ふと気がつけば、世の中はクリスマスモード全開だが、ハードボイルドワンダーランドからいきなりクリスマスモードには移行し難いものがあり・・・。

とりあえず積ん読の山でも崩しますかね。

        FIN



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注:この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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