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【演劇】蓮華寺池のさかさま姫

 久しぶりに子ども目線の演劇を観たけれど、『さかさま姫』はとても良かった。

 嫌なキャラクターが一人もいないのに飽きのこない展開で、子どもが楽しめるエッセンスたっぷり。それでいて、かつ難しいテーマがちゃんと伝わる、素晴らしい道徳劇だった。役者さんたちの安定感もあって、親としても安心して楽しめる作品だったと思う。たくさん勉強になった作品だった。

 そして、なにより素晴らしかったのは、他の屋外イベントが雨天中止になる中、予定通り上演を結構したことだ。

 雨天中止というのは苦渋の決断かもしれないが、この日のためにわざわざ予定を空けて遠方からやってきた私としては本当に辛かった。中止連絡がSNSでまわって、藤枝ノ演劇2に行くこと自体を止めた人もいるだろう。そんな中、劇団渡辺は応えてくれた。これは救いだった。

 雨の中でも、素晴らしい演劇を観せていただいた。用意されたパイプ椅子は誰も希望する者はおらず、みんな立ち見だった。でも見れてよかった。だから、もっとたくさんの人に見てもらいたかったのだ。

 模擬店やキッチンカーが近くに並んでいたらもっと人も集まっただろう。雨宿りになるような場所を作れば、そこで休みながら観劇もできたろう。大通りに面していれば、もっと目立っていたかもしれない。駅前で朝から演劇祭のビラ配りなどあれば、もっと人に知ってもらえたかも知れない。雨の日特典などあれば、雨の日対策してお客さんが来たかもしれない。

 事情も知らないまま好き勝手言うけれど、それほど本当に悔しかった。予約した演劇と演劇の間の数時間をどうつぶすかさまよいながら、足りない脳みそで必死に考えていた。けれど、私のアイデアなんかより、ずっとずっと素晴らしい対策があるはずである。

 ここについては、来年の藤枝ノ演劇祭に期待したい。

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