ホームレス、知り合いゼロの環境からお店を開く夢をあきらめない夫婦

YOLOLODGE

2021年2月10日 19:13

いらっしゃいませ。もじゃまる夫婦です！

タイトル通りなんですが、準備万端だと思い、夢いっぱいで退職した夫婦が、移住したらホームレスになり、知り合いが誰も居ない環境でどん底に。そこからもがいてやっとスタートラインが微かに見えてきた話をここに記します。

移住してくるまでの話

夫婦で2020年の2月1に大阪から伊豆の修善寺に移住してきました。

大阪に住んでいた頃はアウトドアメーカーに4年間夫婦で勤めておりました。

仕事にするくらいアウトドア（特に登山）が好きで、休みの度に二人で近場の山から遠くの山まで一緒に行きました。

会社員として働きながらも、自分たちのライフスタイルや将来について話し合いをよくしていました。

将来住むなら？
空き時間にサクッと行ける距離に自然（アウトドアフィールド)が近くにある場所が良い！

どんな仕事がしたい？
二人とも仕事業務の中で接客が大好きだったこともあり、人と関われる仕事はしたい。
僕の高校生からの夢が山小屋みたいなゲストハウスを作る（起業する）こと。

＊山小屋みたいなゲストハウス：
アウトドア用品を販売し、お店に立ち寄った方にオリジナルドリンクを提供する。遠方からの来客用に簡易宿泊所としての機能（ゲストハウス）も持たせる。

こんな話し合いから、いつか来るその時に向けて貯金を二人で始め、移住先を探し始めました。

移住先を探すといっても日本は広く、一筋縄ではいきませんでした。
山登りが出来て、退職し、起業して夫婦二人で食べていける可能性のある立地。
それを条件に新潟・山梨・長野・神奈川県とおよそ一年間かけて休みの度に移住先を探し回りました。

が、二人がピンとくる場所はなく、僕は何度も諦めようかと考えました。
そんな時、いつも妻が前向きに目標に向かっていく姿を見て僕も立ち直りました。

2019年10月のことでした。そんな移住先探しに転機が訪れました。
東京の有楽町にある移住相談窓口になんとなく立ち寄り、静岡のブースをチラ見した時に目に入ってきた伊豆の大自然を写した写真。
私たちはその写真をみて、今までに感じたことが無いくらいに高揚しました。

早速、静岡の移住相談担当者に話を聞くと、聞けば聞くほどに魅力が増していく！「ここに住みたい」私たち二人とも直感でそう思いました。

しかも2020年には伊豆でオリンピックの自転車競技会場がある！そうすると世界からの注目が集まり、ビジネスチャンスもある！（今思い返すと甘々ですね）

そこからの行動は早く、次の日に2017年から二人でコツコツ貯めていた将来の夢貯蓄の計算と仕事の整理をしました。

移住相談から3日目に退職届を提出しました。
「君たちが決めたことだから、頑張れ！応援している！ただ、悔いが残らないように徹底的にやってこいよ！」と上司や同僚、後輩に後押しされました。（こんな良い環境を辞めるんだから！と自分たちに再度むちを打ちました）

結婚指輪にも刻んだ「YOLO　～You Only Live Once～」、人生は一度きりだから思い切り楽しむんだという気持ちで進み始めました。

準備万端！！

・伊豆は車社会だからと、中古のプロボックスを購入。（信号待ちしていると高確率で同じ車が横に停まる車ランキング1位（笑））

・大阪と伊豆で物件選びは大変だったが、何度も足を運び物件を仮契約。

・2020年2月の移住に向けて当時住んでいた大阪のお家も解約。

そして引っ越し業者さんに荷物を預けて、2020年1月31日に寝袋と引っ越し業者さんが荷物を運んでくる1日だけ耐えられる分の生活必需品をプロボックスに積んだ。

大阪を出るときに、よく遊んでいた会社の後輩に別れを告げた。
「伊豆に行ったら半年後にはお店開くからな」
「半年後、絶対に行きます」
これだけの会話でしたが、車に戻ったら、少し涙が出ました。

僕にとって大阪を離れるのは初めての経験です。
妻は北海道生まれで大学は兵庫。職場は大阪と移住民。

感傷的な僕と反比例してワクワクしている妻。またしても妻のワクワクに覆われ、僕も決心できました。

移住してきていきなり最大の難関

ホームレスになり絶望

2020年2月1日。仮解約していた伊豆での新しい住まいが契約破綻。

理由は一時的に会社を退職するということが、保証会社の審査が通らないということだった。

事前に預貯金はお見せしていて、退職する旨も伝えていた。仮契約だが、審査はほぼほぼ通るだろうという言葉を信じていた。

が、甘かった。。
家が無い。

人生で初めての経験でした。頭が真っ白になって、車内で2人で呆然とした。

「どうしよかな」
「。。。。。」

さすがに2人ともこの時は絶望のどん底でした。

がむしゃら
呆然としていても仕方がない！
意外にも僕の口からそんな言葉が出ました。
「そうだね！」
「とにかく状況の整理とやれることをやろう」

①まずは引っ越し業者に連絡。
「すみません、荷物のお届けをお願いしていたお家に住めなくなったので荷物の保管できますか？」
状況を説明して、2週間預かってもらえることに。

②不動産会社に住居を探しに行く。
どこの会社も一時的に無職の夫婦に家を貸してくれない。

③協力者を作る。
伊豆市役所の移住相談窓口とゲストハウスを訪ねる

住宅が見つからない原因としては、伊豆市に賃貸物件の情報がそもそもそんなに無いというのもあった。
市役所の相談窓口に現状を相談。
Uさんという方がとても熱量の高い方で、一緒になって住宅を探してくれました。

ゲストハウスには様々な情報が集まる。ということは、僕が学生時代に放浪した海外経験からなんとなく思いつきました。
ここのスタッフさんは私たち夫婦と同年代の方が多く、伊豆にいる同年代の方々を私たちにその日に紹介してくれました。

伊豆に来て絶望していたが、知り合いができた。

家問題

知り合いはできたが、住む家が全く解決していない。
既に3日間、2月の寒い環境で車中泊生活が続いていた。

車中泊も楽しむことにした二人
こんな状況めったに経験できないし、仕事もなくやることもないので
山小屋みたいなゲストハウスを開業した時にお客様に案内できるよう、伊豆を旅しよう！！
家探しをしながら、伊豆をプロボックスで旅しました。

5日が経った。

市役所のUさんから提案があった。
家が見つかるまで、「お試し住居に住まない？」
＊お試し住居とは。移住検討者が無料で移住体験ができる行政管理の住宅です。
利用は最長1週間だったが、即答でお願いしました。

大阪を出て5日目にしてホームレス脱却！

家って温かい。誰かに見られる心配がない。足を伸ばして眠れる。
こんな当たり前の事に二人でキャッキャ言って喜んだのを鮮明に覚えています。

転機

10日目。毎日数珠つなぎに知り合いに知り合いを紹介していただき会いに行く。を繰り返していく中で、空き家を貸して下さるという方と知り合えた。

涙が出るくらい嬉しかった。
そして、ようやく起業準備を始められる環境ができた。

予期せぬ事態

コロナウイルス。。
地道に続けていた起業に向けての事業計画が破綻。
目星をつけていた事業用物件も採算が取れるのか？と白紙に戻す。
こんな状況でオリンピックは開催されるのか？
この状況はいつまで続くのだろうか？

そんな考えに押し潰されそうになった。

「今何かできることはあるか」
会社を退職するときに設定していた半年後に山小屋みたいなゲストハウスを開業する夢は、今本当に進めるべきなのか？

何をそんなに急ぐ必要がある？
そんな話し合いが夫婦間で何度も繰り返された。

切り替え

2020年3月2日。私たちはいそいそと達磨山に出かけていた。
遊びに行っていたわけではありません。

コロナ下で何ができるのか。

私たちはYouTubeを利用する計画を立てました。

理由は
私たちのファンを作るため。
伊豆に来たいと思って貰うため。

YouTubeを配信のプラットフォームに選んだのは、人柄を知って貰うには動画の方が伝わりやすいと考えたからです。

初めの1本目の動画。

iPhoneで撮影し、無料の編集アプリで携帯の小さな画面にてこずりながら、6時間かけて2分31秒の動画を作りました。

アップロードするとき、ドキドキしながら二人で携帯の投稿ボタンを一緒に押したのを覚えています。
人生初の動画投稿でした。

決意

1本目の動画をアップロードしたのち、まずは家族に声掛け。
そして友人、前職の仲間。と知りうるすべての方にできうる全ての方法を使って動画を見てくださいとお願いしました。
その結果、120回再生されました（100回を越えたとき2人して大声上げて喜びました）

配信を続けなければファンはできないし、伊豆に行きたいと思う方も作れない。

1本目の動画投稿から3か月間、毎日がむしゃらに動画投稿をしました。
そうしているうちに、少しづつ応援や伊豆に行ってみたいと言ってくださるコメントが増えてきました。

配信を始めて4カ月が経った頃。視聴者さんに自分たちが伊豆の修善寺に山小屋みたいなゲストハウスを起業しようとしている事を報告しました。

その動画に、自分たちも予想していない数の応援のメッセージが来ました。
「がんばれ！もじゃまる」「伊豆に住んでます。応援してます」「絶対に行くから頑張れ」

自分達の夢をこんなに応援してくださる方々をがっかりさせるのは絶対にダメだ！と身が引き締まりました。

越えた先にまた壁

YouTubeへの動画投稿は開業準備のために投稿頻度を減らした。
視聴者さんががっかりするかと思いきや、「それでいい」「開業準備優先！」と本当に温かいお声を沢山いただきました。

起業のために2人で4年間貯めた貯金を減らさないよう、アルバイトをしながら、山小屋みたいなゲストハウスが出来る物件を探す日々。

電話が鳴った

移住当初からお世話になっている方からの事業用物件の紹介だった。

見に行ってみると理想通りの建物。
立地は修善寺温泉場の中心地にあり、建物の雰囲気はどこか山小屋を想わす。

家に帰ってから二人で「あそこ理想だね」と意気投合。
光が刺したかのように思われた。

が、問題発生。

下水に接道していない物件

築年数が古い家だとこういったことはよくある。（何十件と物件を内覧した経験による）
こうなると、2つのパターンがある。
①浄化槽を入れる（比較的安価）
②下水管に接道工事をする（高額）

水道業者さんと行政の課に何度も理解できるまで仕組みとパターンを確認。
結果、この物件は下水管に接道工事が必要と判断された。

とっても気に入っており、事業計画や開店時の妄想までしてしまっていたので、計画が破綻してかなり落ち込んだ。

普段は寝て起きたらなんでも吹っ切れる私たちですが、翌日も落ち込んでいました。

繰り返しですが、くよくよしていても仕方がないんです！

そう言い聞かせて、YouTube配信の継続と、アルバイト、物件探し。知り合いの知り合いに数珠つなぎで会いに行く活動。
それに加えて伊豆ジオガイドになるべく、ジオガイド協会への加盟。
ラジオ配信スタート。思いついたことはとにかくやった。

「そんなに焦らなくてもいいよ」と周りの方には毎日のようにアドバイスを頂いた。

その都度「焦っているのか？」と二人で話し合い何度も立ち止まり考えた。

1年かかってようやくスタートラインに立てそう

配信活動していく中で、伊豆内外の方からお声を頂き、ラジオ出演や新聞記事の投稿、町のPR隊になったり、講師としてお話する機会も頂けた。

伊豆に来た時、知り合いや仲間が一人も居なかった私たちでしたが、活動を通して知りあえた、夢を応援してくださる方や、伊豆を一緒に盛り上げようといってくださる仲間がいます。

私たちはそんな方々の想いとともに、ずっと思い続けている夢を叶えます！

応援をよろしくお願いします！

2021年5月1日に伊豆の修善寺駅にアウトドア用品（登山用品中心）とオリジナルドリンクを提供するお店をオープンします！

お店の名前はサンカクスタンドです

お店の名前に込めた意味
サンカク：▲が山道具屋を連想させる。誰もが「参画」する。
スタンド：修善寺駅は伊豆全域への交通の中心地であり、その駅からお店まで徒歩30秒の立地であることから、
「情報やワクワク、エナジーチャージ」等の補給をができる場にします。

サンカクスタンドのゲストハウスとしての機能
私たちの夢は、山小屋みたいなゲストハウスです。
機能としては、アウトドア用品の販売・飲食の提供・宿泊場所の提供を目指しています。
が、
まずは夫婦二人でお店を開業する。という事。
資金の上限がある。という点から、アウトドア用品の販売と飲食の提供から始めます！

そして、また壁は沢山立ちはだかるだろうけれど、今まで乗り越えてこれたのだから、必ず乗り越えて、ゲストハウスの開業をしたいと思っています！

建物について
今回お店を開業できることとなった建物は、配信や発信をする中でのご縁でご紹介いただきました。

4階建ての建物で1階部分が物販と飲食スペースになります。
2-4階に関しては、しばらくはイベント開催時の会場に使用します。
ゲストハウスが出来る環境が整い次第、宿泊スペースとして利用します。

立地
修善寺駅の周辺は低山で囲まれており、地図読みで冒険したり、ハンモック片手に山に入り、気に入った場所でのんびりしたり、、と多様な遊びができるフィールドがすぐ目の前に広がっています。

が、修善寺駅前は現在シャッターが下りているお店もあります。

私たちを受け入れてくれた伊豆に恩返しがしたい！

伊豆の中心である修善寺から盛り上げたい！と本気で考えています！

クラウドファンディングをします！

2021年3月2日(火）、21：00よりCAMPFIRE(キャンプファイヤー）にてクラウドファンディングをリリース致します！

希望一杯で伊豆に来て、ホームレスを経験し、知り合いゼロから夢をあきらめずにここまで進んで来ました。
そして、色んな方に助けられ、応援していただき、ようやくスタートラインが見えてきました！

伊豆とアウトドアが大好きな私たち夫婦の応援をよろしくお願いいたします！！