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クリスマスと金時山の話。

昨年、クリスマスの前週末に、神奈川県は箱根にある金時山に登った。観光地箱根の温泉街にある山で、下山後の楽しみも多い魅力的な山だ。登山道の師と、私が所属する登山サークルの新代表というメンバーで、年末を締めるにふさわしい山行だった。

 
金時山は、体力レベルはそこまで高くなく、息が切れる瞬間はほぼなかった。かつ、クリスマスの前週というスケジュールなので、登山中の話題はクリスマスの話になった。
師匠はクリスマス箱根一泊旅行をしたことがあり、1日目に別れ話をした思い出があるということだった。ちょっと切なそうに、金時山から箱根の街を見下ろす姿はなんとも言えなかった。それを聞いた新代表は、僕もクリスマスに別れ話をしたことがあると切り出した。3人中2人がクリスマス破局をしているとは、なんと縁起のわ…すごい確率だろう。世の中のクリスマスソングに、切ない系が多いことに妙に納得した。

幸い私は、クリスマス破局の経験はなかったため、IKEAのソーデルハムンという配送業者の男性2人組が息を切らしながら運び込んだソファを、1人で組み立てて流石に強すぎるなと思ったクリスマスの過ごし方を披露した。ちょっと引かれた。

箱根の街を見下ろしながら、のんびり歩くのが楽しい

師匠の箱根に対する切ない気持ちを払拭できるくらい、楽しい山行にしようと気持ちを切り替えて我々は歩を進めた。
時折箱根の街が見下ろせるのが面白かった。あ、あそこは地獄谷だなーとか、行ったことのある場所が小さく見えるのは楽しい。そんなこんなで、ほどよい疲労感で山頂に着いた。山小屋には、おでんやお蕎麦など温かいメニューが色々あって目移りした。

 
下山道もおだやかで平和に今回の山行は終了した。件の箱根への切ない気持ちを洗い流そうと、温泉に入りにいくことになった。利便性を考慮して駅近の[かっぱ天国]というところにしたのだが、少し長めの階段を登ったところにあったため、本日初めて息が切れた。
かっぱ天国はとても歴史を感じる温泉処で、受付以外は全て室外だったので、震えるほど寒かった。着替え場も洗い場も外、12月の箱根の気候をモロに受けていた。浴槽はというと、水たまりのようなところに上部から熱い熱いお湯が流れ込んでいた。浴槽的なところとの境目が、なめらかというか無いに等しかった。浅瀬からだんだん深くなる感じだ。
しかも寒すぎてお湯に浸かると、今度はお湯が熱すぎる。出ても入ってもどちらも大変な思いをするのだ。温泉といえばゆっくりできるもの、という認識を完全に覆された。正直、今日イチしんどい時間だった。

この日唯一息が切れた階段

温泉による疲労を感じながら、箱根湯本駅に着いた。師匠は、「あの日もこのロマンスカーで帰ったんだよな。何がロマンスカーだよと思いながらw」とまたこぼしていた。そうだよな、あの温泉では切なさを洗い流せなかったよな、と思った。
「ハッピークリスマス…!」と心の中で呟きながら、哀愁漂う後ろ姿を見送った。

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