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小説とかドラマとか映画とか

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他のマガジンに含めていた映画評や書評などを抜き出してここに独立させました。
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2022年11月の記事一覧

新海誠、稲田豊史、平山瑞穂の作品から“共感”を考える

新海誠監督の 2019年の作品『天気の子』を観た後で、「主人公が犯罪や反社会的な行為を繰り返しているので共感が持てなかった(から、この映画は良くない)」みたいなことを言う人が少なからずいたということを知って、僕はショックを受けました。 僕には、主人公に全く共感を覚えなかったどころか、時には激しい嫌悪感を覚えたにもかからわずものすごく感動した映画が結構あります。例えば『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、『岬の兄妹』、『凪待ち』、『空白』などなど。 いずれも人物がよく描けてい

映画『母性』noteクリエイター特別試写会

抽選に当たって、映画『母性』の「noteクリエイター特別試写会」に行ってきた。 湊かなえの同名小説が原作。湊かなえは一度読んだっきり二度と読んでいない作家だ。 監督は僕の大好きな廣木隆一。今回一番驚いたのは表情のクロースアップが多く、廣木監督らしい圧倒的な引き画も超絶長回しもほとんどなかったことだ。撮影監督は鍋島淳裕。廣木監督とは何度も組んでいるカメラマンなのだが…。 さて、タイトルは『母性』だが、この話は“母性”と言うとあまりにも聞こえが良すぎる。しかし、“マザコン”