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東京オリンピック、世界の評価は 米ワシントンポスト、英BBC、韓国……

 マスメディアはしばしば「海外メディアは……」と言って、海外からの評価を輸入する。だが実際、海外には日本国内よりもずっと大量の情報にあふれており、否定的な意見も肯定的な意見も好きなように拾い上げる事ができる。「アメリカの○○紙が五輪を批判」と取り上げられていたとしても、その媒体に描かれている大量の情報のうち否定的な部分だけを取り出して伝えているに過ぎない。

 では、各国の著名メディアは今回の東京五輪についてどのような評価を下しているのか。文量が多くなりすぎても読みづらいので、できる限りプラス評価とマイナス評価の両方の主要な部分を取り出して紹介する。なお、翻訳ミスがあるかもしれないので注意いただきたい。

 なお、時間の都合で現時点では3紙のみ掲載している。

アメリカ ワシントン・ポスト紙

https://www.washingtonpost.com/sports/olympics/2021/08/08/olympics-tokyo-legacy-pandemic/

(Simon Denyer記者、Michelle Lee記者)

プラス評価
観客の入場が禁止されたことで、主催者が期待していたような、日本をアピールする大会にはならなかった、それでもオリンピックは、パンデミックで疲弊していた世界中の視聴者が切望していた休息、そしてはじけるような喜びと人間の素晴らしさを提供した。
日本は様々な批判を受けながらも、世界的なパンデミックの中でもオリンピックを開催できることを世界に証明した。表彰台でのマスク着用やメダルの首かけなど、息苦しさを感じるようなルールもあったが、強力な制限が大会の開催に効果を発揮した。
マイナス評価
大会が開催都市にもたらすお祭りの雰囲気は無かった。
渋谷健司氏は、大会は「日本社会に傷跡をのこし」、分裂と不信、そして「健康と経済の負債」をもたらしたと述べた。

https://www.washingtonpost.com/sports/olympics/2021/08/08/olympics-tokyo-legacy-pandemic/

(Michelle Lee記者)

マイナス評価
大会関係者は、大会関連の感染症が日本国内で広がるのを防ぐことができたと主張しているが、公衆衛生の専門家の中には、ウイルスの深刻さについての市民の理解をオリンピックの雰囲気が損ねていると指摘する人もいる。
依然として複数の国民が大会に反対しており、東京でコロナ事例が記録的なレベルに達すると不満が高まった。

※この記事は東スポが「米紙が猛批判」と取り上げた記事だと思われる。

イギリス BBC

(Dan Roan記者)

マイナス評価
主催者の判断と動機がこれほどまでに吟味されたことはかつてなかった。今大会は、特に国際オリンピック委員会(IOC)に大きな疑問を投げかけた。オリンピックを継続するという決定の賢明さが正しく評価されるにはまだ時間がかかりそうだ。
無観客の会場を訪れるたびに、「こうだったらよかったのに」「何十億もの開催費用をどこに使えばよかったのだろう」という疑問が湧いた。終わりのないルール、制限、日々の検査、隔離の恐怖は、選手、関係者、メディアにとって非常に不安でストレスが多かった。
非常事態宣言下にもかかわらず、東京の大部分は通常通りに生活し、特に屋外の大規模な会場で観戦を禁止する必要性は理解し難かった。
プラス評価
不幸にも出場できなくなった選手がいる一方で、選手村でコロナが大流行して競技ができなくなるのではないかという懸念は杞憂に終わった。
最終的にはパンデミックほどの記録的な事があっても、大会を否定することはできなかった。オリンピックが開催されたことが正しかったかどうかは常に議論の対象となるだろうが、このような不安な時代にあっても、アスリートたちがこれまでと同様に、元気と溢れ出る力を証明したことは確かだ。

韓国 聯合ニュース

(聯合ニュース社説)

プラス評価
選手の感染の懸念は継続されたが、幸いにも中断のような不祥事なく閉幕になった点は幸いなことだ。
不安に対して、全世界で最高の技量を備えた1万人の選手たちは、人類のスポーツ祭典で感動のドラマを演出した。

(김동찬記者)

マイナス評価
東京オリンピックは、自国民でさえ「中止せよ」と殺到する中、「強行」という表現を使わざるを得ないほど困難な状況で開催された。
選手団だけで1万人以上が集まった今回のオリンピックで、日本国内のコロナ拡散にどの程度の影響が起こるか、選手団と大会関係者が各国に持ち帰って世界各地に広がるかどうかを予測するのは容易ではない。
オリンピック史上初めて無観客で開催した日本の経済的損失も少なくないと予想される。特に今大会は、ただでさえ多くの開催費用が投入された。
特にリオ大会では開会式予算を2012ロンドン大会の半分だけであっても楽しさと感動を提供できたとの評価と比べ、今回は開会式から酷評が相次いだ。
史上初の無観客の開会式は外国メディアから「葬式のようだった」という評価が出るほどで、東日本大地震とコロナ犠牲者を追悼するプログラムが用意されるなど、終始静かさが維持された。
プラス評価
オリンピックを4回開催した先進国らしく、大会運営面では合格点を受けるのに十分だった。
猛暑のせいで選手たちが競技力発揮の難しさを訴え、一部の競技時間が変更されるなどの問題が発生したが、大会期間を7月末から8月初めまでに定めた以上は避けがたい事だった。
何よりも、2016年のリオ大会と比較して、当時大きな問題として指摘された競技場内外の治安の問題は全く挙げられないほど完璧に近かった。

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