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ナツメグといって思い出されること

僕は、どちらかというと料理をする方なんだが、ある日、家でハンバーグを作っていたら妻にケチをつけられた。

曰く、ハンバーグの作り方とは、ひき肉に炒めた玉ねぎとパン粉や卵・牛乳などのつなぎを入れてこねて焼く、というのが一般的とのこと。僕が作るハンバーグには、パン粉を入れず、玉ねぎも炒めない。パン粉を入れるとかさ増しをしている気がするし、玉ねぎはゴロッとして存在感があるものだと思っていた。なので、外で食べるハンバーグなどは食感がなく形成肉を食べているようだとさえ感じていた。

だがしかし、調べてみると、本当に「一般的には」妻が正しいようであった。まぁまぁ、ここまでくると冷静に考えてみれば定説はそうだったかもしれないなぁ、と思い始めてきた。でもさ、例外だってあるでしょ?それしかないわけないでしょう?と、もうちょっと調べてみると、ほら、パン粉なし、玉ねぎそのまま、というレシピも出てきたじゃない。

あー、良かった。ハンバーグの多様性に幸あれ!

さてさて、そんな我が家のハンバーグには欠かせないポイントがある。

ナツメグだ。

香辛料といっても、辛くも苦くもなく、あの漢方のようななんとも言えないスパイシーな香り付けをしてくれるニクい奴。肉の臭み取りもしてくれる効果があるとのことだが、いやいや、もはやナツメグを食べるためにハンバーグを作っている、と言っても過言ではないかという気さえしてくる。突飛なことを言うようだけど、同じように、ワサビを味わうために刺身を食べるし、タバスコのためにミートソーススパゲッティを食べる、といった癖が僕にはあるのだ。

決してメインではないけれど、なくてはならないものであって、そっと側にいてくれるだけで良いような、そんな存在に心惹かれてならない。

そうそうナツメグといえば、ドングリFMというポッドキャスト番組があって、そのパーソナリティの1人が夏目和樹さん、人呼んで「なつめぐさん」を思い出さずにいられない。

ところで、
このnoteは「ドングリFMリスナーのAdventCalendar 2020」11日目の記事です。

なつめぐさんという人

夏目和樹さん、とはどんな人かと言いますと、面白法人カヤックやリクルートを経て、アフリカに行ったりして、いまやドローン関係の会社の副社長さんをされていて、他にもやんやかんやの立ち上げなども手掛けられていそうな、そうねぇ……ユニークでぶっ飛んだ人。

なつめぐさんのユニークさを語るなら、まずは退職ブログから。

●●ルートのくだりが、大好き。落語を嗜まれているということで、そんな言葉のオシャレさを持ち合わせていらっしゃる。

そして、なつめぐさんをエイプリルフールにふざけさせちゃダメって話が、こちら。

「ご存知の通りリクルートはITに力をいれています。そのため人事のなつめぐもPepperになりました。みなさんも彼に負けじとITに力をいれてください。」
「Pepperの方がかわいいし、使い道あるからもう出社しなくていいよ。」

なつめぐさんもなつめぐさんだが、上司の方も上司の方である。そんなリクルート時代のなつめぐさんのお仕事がログミーに残っている。

そして、5つの特徴「面接でのスーツ着用禁止」「手書きの履歴書不要」「既卒でも応募可」「オンライン面接可」「入社後の副業可」。もともとやっていたこともあるんですが、これをあらためて明言して打ち出しました。そうしたら、Yahoo!ニュースさんをはじめ、多くのメディアに掲載させていただくことができました。なんとハムスター速報にものりました。何が新しいかというと、大学生に限らず、「2016年4月に入社できる人で、30歳以下なら誰でもOK」というところです。浪人、留年、休学などを繰り返した29歳でも大丈夫です。就業していてもいいんです。30歳以下であれば。

(2020年現在で)5年以上も前に、採用の自由化・働き方の自由化を掲げられているのは本当に凄いと思う。ふざけたノリで、マジな人、なのだ。

なつめぐさんはリクルートのオウンドメディア「HRナビ」(2018年終了)の立ち上げ・編集長をされていて、実は僕もドングリFMでなつめぐさんを知る前からこのメディアの記事を見かけていて感銘を受けてた。その記事がこちら。(転載されているのを引っ張ってきてみた)

良い話、良い記事。

なつめぐさんは、しばしば番組のお話の中で「この人、天才!」と口にすることがあって、ドングリFMでは「天才」が最上級の褒め言葉のひとつとされているかのよう、だけど、いやいや天才はあんただよ、なつめぐさん。

なるみさんという生き方

ドングリFMもうひとりのパーソナリティは「なるみさん」。なるみさんはバズフィードの編集者をされていて、生粋の庶民派グルメだ。酒の飲み方と松屋に関して、おそらく右に出る者はいないと思う。

自分もコンビニ前でビールを飲む系のおじさんなので、ここまでコンビニ飲みの方法を見せられると気持ちいい。飲み会の前に1本飲んでからっていうのも合理的で良き。

なるみさんが松屋のことを語った次の日は、非常に松屋に足を運びたくなる。ほんとうに美味しそうに語る。そして、物議を醸した丑の日について、ドングリFMでのうなぎ批判へのカウンター回は痛快なので必聴。

なるみさんはバズフィードの記事も自身のブログも大変おもしろいわけだけれど、ドングリFMでの語り口を聴いていても、遊ぶように仕事をしていて、仕事をするように遊んでる人で、素敵だなぁ。

ドングリFMの聴き方

こんな2人のトークがおもしろくないわけがない。ドングリFMは雑談の教科書みたいな番組で、小中学生の時の「昨日あのテレビみた?」のおじさん版なんだと思う。ただ子どもとの違いは、話題が「健康」と「筋トレ」に偏りがちなことと、同じ話を何回もしてしまうこと。15分くらいのお話が600以上あるわけで、最近では「あれ?この話、聴いたことあるような。デジャブか?間違えて昔のエピソードが再生されてる?」と思って慎重に耳に集中していると、なつめぐさんが唐突に「さてここで問題です、この話は前にしたことがありますが、第何回でしょうか?」とクイズ仕立てにしてくれることがあって安堵することがある。

ドングリFMは「ジャズレベルで中毒性があって、聞き流しできる、ラジオ版ジャズ(ジャズに失礼)」と言われているが、それは言い得て妙だと思われる。

同じような定型的なやりとりの繰り返しに聞こえても、トークのネタにより、アクセントが違かったり、盛り上がりが違かったり、でもどこか新しくて刺激的な。そんなアプローチで聴いてみても良いのかもしれない。

その他、今回取り上げた話題の参考として、リンク貼っときます。

そうだな、僕にとってドングリFMは、日々の中に、決して大味じゃないけれど確かなスパイシーさをくれる、ハンバーグに入れるナツメグのような存在なんだと思う。


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