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徳川記念財団などが所有する美術・工芸品などを展示するならば、一から施設をつくるべき。

 1月11日の朝日新聞デジタル静岡版に、「徳川財団保有刀剣など2万点が家康ゆかりの浜松へ 市が展示施設検討」という記事が出ています。

 重要文化財の茶器や珍しい刀剣類などが含まれる貴重な収蔵品を受け入れるならば、大河ドラマ館を改修するのではなく、温度や湿度管理ができ、災害にも強い施設整備を一から設計して建設するべきです。
 
 当初から1年限定の建物であるドラマ館と、重要文化財を収蔵するような施設ではそもそも設計から違うわけで、いくらドラマ館を増改築しても、所詮1年限定の建物であることとさほど変わらないはずです。
 同じお金がかかるならば、ドラマ館の増改築にお金を使うよりは、きちんとした施設を一から作る方が、結果的には有意義だと思われます。

 第一、何故ドラマ館を増改築して重要文化財を収蔵しようと思ったのでしょうか。その方が安くできるとでも思っているのでしょうか。
 おそらくこの問題にクレームをつけている、文化財に関することが分かっている関係職員がいると思いますが、博物館収蔵品紛失の件などから想像すると、浜松市は政令指定都市であるゆえ組織が大きく、風通しがあまり良くないのではないでしょうか(それは浜松市に限ったことではありませんが)。

 今回の件に限れば、非常に貴重な文化財を、長い期間収蔵するのですから、下手に既存施設を再利用するのはやめるべきです。それを踏まえて一から設計した施設にすべきです。お金がないならば、あれこれ手を広げずに少なくとも収蔵スペースだけでもきちんとしたものを作って、展示は既存の施設で行う形にするとか、展示の仕方そのものを工夫するようにした方が良いと思います。
 一方で、今回のドラマ館で、どの程度の集客効果があったのか、街の賑わいにどれほどの効果があったのかなどをきちんと確認し、良い部分は今後に活かし、良くなかった点に関しては改善方法を検討するなどの振り返りをしっかりと行ったうえで、それを公表することも必要だと思います。

 

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