エコでアクセシブルなのにもやっとした話
先日契約しているガス会社がウェブ明細を始めたことを知り、早速申し込むことにしました。
ところがこれが大変もやっとした結果でした。
その時のことを順番に書いてみます。
結果だけを知りたい方は最後のまとめからご覧ください。
きっかけ
家族が利用しているガイドヘルパーにガス料金の納入通知はがきをみていただいたときにウェブ明細が始まった旨の記載があることを教えていただきました。
はがきにはQRコードが印字されていてそこから申し込めるとの話。
その場で直に申し込みをすればよかったのですが、別にホームページからできるだろうと考えてはがきは処分しました。
それが事の始まりでした。
ガス会社のホームページにて
ページを開いてみると確かにウェブ明細が始まったとの記載をすぐに見つけられました。
ログインのリンクもある物の新規登録の入口が見つかりません。
登録の手順は書かれていて、これを見るとはがきのQRコードからの流れのみ書かれていました。
電話にて問い合わせ
お客様番号などを提示してウェブ明細に切り替えたい旨を伝えました。
納入通知のはがき、ウェブ明細が始まりました、それぞれのはがきがないかの確認。
いずれも処分したことを伝えたところ次のはがきがとどくまで待つようにとのこと。
よくあるメールやSMSにて登録ページのURLを受け取って利用申し込みをするといったルートは用意されていないとのこと。
はがきのQRコードからアクセスするとお客様番号などが自動で入力され、簡単に申し込みができるとの説明。
翌月はがきを受け取る
とどいたはがきを開きいざQRコードをスキャン。
ホームページの案内や前回の電話問い合わせで右下に印字されていることは知っていました。
1枚を開いて適当にスマートホンのカメラを向けてスキャンを試みる。
なんなく読み取り、ページをオープン。
しかし表示されたページはウェブ明細が始まった旨のお知らせ。
当然ここからは申し込みはできず空振りに。
はがきをよく観察するともう1枚めくれることに気づきました。
全部を開くと3枚が連なった形状になりました。
こちらで再度スキャンを試みますが反応がありません。
再度電話問い合わせ
明細はがきは1面の長い辺の1辺に数個の穴が開いていました。
この位置を支持いただければQRコードの印字面がわかるだろう、という作戦。
しかしオペレーターは手元に実物がないためこれを起点にした向きを指示できないとのこと。
そもそもそのような形状になっていることも知らない様子でした。
前回はなかった対応として登録ページのURLを郵送する提案がありましたが、根本的な解決案ではないのでお断り。
とに角全部を開き、1枚の紙にして、横長にした状態でその右下に印字しているとの指示。
追加の確認で期待している物も含めいくつQRコードが印字されているか尋ねるとこれもわからないとのこと。
再度トライ
Qrコードの位置ははがきのどの面に印字されているかわからない状態では確率12分の1。
はがきがたたまれている状態ではQRコードは見えず且つ横長の状態でという条件がわかり確率は2分の1。
とすると最初に反応がなかった面にあるという予測の元スキャン。
今度は反応があり、無事に登録ページを開くことができました。
ページにはすでに名前やお客様番号などが入力済みになっていてメールアドレスとパスワードを入力するだけで確かに簡単に登録ができました。
まとめ
QRコードは手軽な情報共有手段として広く使われています。
しかし配布する側は余りコストをかけずに使用できて便利な反面誰しもが便利とはいえません。
まずスマートホンや携帯電話などでスキャンする手段を持ち合わせていない人はアクセスができません。
私のような視覚障害者はQRコードがどこにあるのか触って確認ができません。
ガス会社の対応として上記のケースへの対応が不十分でした。
前者は郵送対応で解決できるかもしれませんが、後者は完全ではありません。
QRコードをシールとして張る、口頭で指示できる目安を設けて置くなどが考えられます。
今回は目安に使える部分はありましたが、オペレーターがそれを生かせませんでした。
そもそも登録の入口をQRコードからのみに設定していることが間違いで、ホームページから手入力での登録があるのが自然と考えます。
また最近電話問い合わせ後アンケートをSMSで送信してくるケースがあります。
これを利用して登録ページのURLを案内することも可能なはずです。
登録操作を簡素化することばかりに注力し、その入り口のアクセシビリティを疎かにしてしまった。
これが今回のもやっとポイントだったと振り返ります。
ガス会社は郵便料金の値上がりなどへの対応としてウェブ明細を進めたかったのだと予想します。
用が済めばはがきもごみになります。
ウェブ明細になればごみが減らせてエコですし、会社ははがきに掛けていたコストを減らせてお互いにハッピーだったはずです。
こちらとしては明細も自分で確実に確認ができて文句なしの提案でした。
結末はよかったのに書き出しが失敗している物語を読まされたような気分。
全くもったいない話です。
QRコードで情報を発信しようとしている方はそれが最適なのか、アクセシブルなのか、今一度考えていただければと思います。