衆議院選挙雑観 (立憲の苦境と国民民主の苦難)
先週、衆議院選挙が終わり結果が判明した。
自民党は予想より減らさず、12減。
立憲民主党は予想と違い、13減。
共産党は2減。
維新の会は予想以上に伸び、30増。
れいわは議席1すら難しいとされた中、3増。
国民民主党は議席維持が難しいとされる中、3増。
とマスコミの予想とは違った結果が出た。
好機かつ野党共闘をしたにも関わらず議席を減らした立憲民主党は枝野代表、福山幹事長が辞任を表明している。そんな中、立憲民主を支持していたネットの所謂リベラルの方々が暴れまわっている。民度が低い、民主主義が終わっただの色々なことを叫んでいる。
私はそれを見ながら、こういう方々の言いなりになり、そっちの方向を向いた政策を掲げるから支持が伸びなんだなと改めて思った。
モリカケ、ジェンダー、LGBT、マイノリティ、彼らからしたら大切なことなのだろうし、私とは価値観が違うけど、大切にしたいのは理解できる。
しかし、世の中の大多数は生活や経済が大切だと思っている。簡単に言うと銭金飯の問題だ。
それをまず掲げないと自分のこととは思えないのだ。なぜなら、モリカケ、ジェンダー、LGBT、マイノリティで何にも困ってないのが、大多数の方々だからだ。
それがアップデートされてないだの、遅れた価値観だと侮蔑するのかもしれない。しかしその大多数の方々が日々働き、社会を回しているから日本は成り立っている。日々、安い給料で色々言われながら働いている沢山の労働者。立憲民主党に入れなかった、彼ら彼女らは果たして加害者であり、差別主義者なのだろうか。私はそう思わない。
立憲民主が掲げた政策や日々の活動に共感出来なかったのだ。
立憲民主が掲げた政策にしても生活や経済がどうなるかのビジョンが全く見えて来ず、悪い自民党を倒せば平和になります!と言っているようにしか見えなかった。
野党の活動にしても野党ヒアリングで官僚を糾弾するやり方、日々働いている労働者からしたら理不尽なことを言ってくる客先や上司に重なっていただろうし、与党への揚げ足取りのような姿勢は、単なる嫌がらせ、ある意味我儘にしか見えなかったのだろう。
れいわは野党共闘に参加し、マイノリティにも寄り添う姿勢がある政党。そんな中、唯一の政党だが、経済政策は夢があったし、経済学者が背景にしてそれなりに響くものがあった。
維新の会は、私は全く経済政策は支持できないが、彼らなりの経済政策のビジョンや考え方を示した。また、自民党のようなドブ板のような議員活動を日々されていると聞いており、大阪で圧勝するのは、メディアによる宣伝もあるが、日々の活動を背景にしているからだろう。
私が支持している国民民主党は、対決より解決を掲げ、緊縮から財政拡大を訴え、給料が上がる社会というビジョンを示した。
立憲民主党はこれから大変だ。党の内部に経済よりイデオロギーだ、正義を掲げて闘おうとする連中が入り込んでいるからだ。私からしたら戦前の青年将校のように見えるのだが、新しくなった代表は青年将校と現実路線派の両方に気を遣わなければならなくなるだろう。
誰になるにしても大変だと思う。苦境の場面だ。頑張ってほしい。
自民公明は事実上の勝利をしたとはいえ、薄氷の上の大勝だ。小選挙区ではかなりギリギリの戦いになっており、風が吹いたら大敗していただろう。
次は大敗になるという危機感を持って、日々営みを送る人々に向いた政策を行ってほしい。
維新の会はこれから国政に対して何が出来るかが問われるだろう。地域政党で終わるか、国政政党になれるかはこれからの振る舞いに関わってくるだろう。大阪ではなく、日本を主語にしてやれるかがキーだろう。
で、国民民主党だ。
かなり大変な党運営になると思う。
現状、メディアや一部の方々は維新との提携をさせようとしている。しかし支持者のかなりは自民でも立憲でも維新でも無い中道路線の第三極であるから国民民主党に入れた人ばかりだと思う。維新的なものが良いなら維新に入れるからだ。
しかし連携させようとする動きは出てくるだろうし、政策で組むとなったことを針小棒大に宣伝するだろうし、現状そうなっている。また、国民民主に恨みを持つ野党共闘支持者も、国民民主は維新と組むんだ!と叫ぶだろう。
それに対して、どうアピールするかが大切になると思う。
次の参議院選挙、国民民主党は7名が改選だ。
うち、全国比例での改選議員は4名。全国比例の当選には1人あたり約100万票必要とされているから400万票集めないとならない。
今回の衆議院選挙で国民民主党が獲得した票数は
2,593,203票。150万票は積み増す必要がある。
国民民主党は本気で挑まなければ改選議席を下回る可能性がある。それぐらい厳しい戦いだ。
国民民主党の色を上手くアピールしつつ、日々の政治活動をしなければならないだろう。
私としてはれいわの山本代表のように駅前で政策を語る活動を日々やってほしい。玉木代表や大塚代表代行はかなり政策を語るのは分かりやすいので、各地方都市でやってほしい。それが国民民主の独自性をアピールする場だし、経済政策は本当に素晴らしいのだから、町で訴える。これは本当に大事になる。
なんとか参議院選挙でも維持ではなく、躍進をしてほしいし、それが出来なければ中道改革路線は萎んでいくだろう。苦難の道になっているが、乗り越えてほしいし、私はそれに小さいながら協力したい。
最後は国民民主党の話ばかりになってしまったが、どの政党も課題があるのが分かった選挙になったのだろう。