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何食べてるの【ウィーン留学記】


はじめに

日本にいる家族、先生、先輩、友人からされる質問の第一位は「何食べてるの」である。この質問、けっこう返答に困る。具体的な食材を言えばいいのか。自炊してるのか、外食で済ませているのかの二択なのか。いつもテキトーに、ちゃんと食べてます、と正解かわからない答えをしてしまう。

今回は、何を食べてるのか、について。

ヨーロッパのご飯

わたしは「おいしい」の基準が低い。それは、もうめちゃくちゃに低い気がする。わりと何でも、食べたら「おいしい」と思う。もうちょい塩気が欲しいな~、など鋭い感想は出てこない。

こちらに来てから、同じく留学生の友だちからよく聞かれるのが「ヨーロッパのご飯おいしい?」である。聞いてくるのは、グルメでお馴染みの中国からの学生たちである。おいしいよ、と答えると、マジかよ、と驚かれる。そして「日本にはおいしいものいっぱいあるのに!?」と、力説される。たいへん光栄なのだが、お世辞ではなく、普通に何を食べてもおいしい。

これは無理だ、とお手上げの味は特に無いが、酸っぱくてビックリしたことは何度か。なんとなくスーパーで買ったサラダにマスタードがめちゃくちゃ入っていたり。スーパーのピクルスコーナーは、キュウリやニンジン、豆など、種類はめちゃくちゃ豊富。ちょっと慣れない味を挙げるなら、この酸っぱさかもしれない。

「ヨーロッパのご飯」が何たるかはよくわからないが、シンプルだな、とは感じる。いろんなおかずが小皿でちょこちょこ出てくる日本の食卓と違って、一品ドーンという感じ。

Schweinsbraten & Semmelknödel (14 July 2024)

複数人でも、食事をするときは、一人一品を注文し、自分の注文したものを食べるスタイル。いくつか注文してシェアということはしない。取り分けたり、お会計どうする?とならないので、このスタイルは結構楽。

ドイツで食べたSchnitzel (19 July 2024)

そして外食をすると、毎度のことながら、量が多い。外食をすると飲み物もあわせると20ユーロくらいはかかり、およそ3000円くらい(円安なので、もっとかな?)。なので、外食は、ときどき自分へのご褒美として楽しむことにしている。

シェアキッチン

普段、めったに外食はせず、基本的に自炊をしている。今住んでいるアパートにはシェアキッチンがあり、そこで簡単に調理して、食べている。

外食すれば高くつくが、スーパーで食材を買う分には、そこまで高すぎることはない気がしている。日本の、ちょっとお高めスーパーで買い物する感じ。フルーツはむしろ、日本よりも安い。わたしはよくマスカットを買って食べているが、もりもりの房が3つほど入って、2ユーロ。お肉など生鮮食品は、賞味期限が近くなると半額で売られていたり、工夫すれば結構節約できる。

いつもはもっと散らかってる (28 July 2024)

留学前に、どのアパートに住もうか、いろいろと物件を見ていたときは、なるべくシェアスペースの無いところに住みたいと思っていた。(シェアスペース有の物件は、やっぱり家賃が安い。)

しかし、シェアキッチンであるおかげで、置いてある鍋やお皿などが自由に使えたので、とても助かっている。

大学がテスト期間に入り、みんながアパートにいる状態の期間に入ったときは、誰かが常にキッチンにいて、コンロ争奪戦状態になった。このように、シェアスペースの弊害を感じることもある。わたしの部屋は3階にあるので、1階のキッチンまで降りて、覗いて、誰か使ってるのを確認、部屋に戻る、しばらくしてまた降りて覗いて、を何度も繰り返した日もあった。

持主不明の調味料たち(28 July 2024)

住んでいる学生さんは、みんないろんな地域から来ているようで、調理のようすを、食べているものを、ちょっと盗み見るのも面白かったりする。大音量でラジオを流しながら、真っ昼間からご機嫌で肉を漬け込んでいる人がいたり。見たことのないライスを炊いている人がいたり。謎の小鍋でミルクをあっためている人がいたり。みんないろんなものを食べているんだな、と。

おわりに

最近、スーパーで日清の出前一丁を発見し、購入して食べてみると、日本で食べたあの味そのままで、ひとり郷愁にひたってしまった。しかも1袋0.89ユーロという安さ。外食とまではいかない、ちょいご褒美リストに加えることにした。

基本的には毎日スパゲティを食べているのだが、ときどき変化を付けながら、ご機嫌に生きてます。何食べてるの、と聞かれたら、そう答えようかな、と思っている。

ちょいご褒美リストのCurrywurst (30 July 2024)




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