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2023年に読んでよかった漫画まとめ

2023年に読んでよかった漫画を紹介します。なお、2023年に観てよかった映画編も公開中です。


東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー

警察署で外国語を母語とする人たちの通訳を担当する、警察通訳人という仕事にフォーカスした作品。毎回難しい題材を丁寧に描き、技能実習生制度などの社会問題にも切り込むという作風で、こういう漫画がもっと読まれて欲しいと思いました。

専門家の監修や各国語の翻訳協力者もクレジットされており、作るのに相当な手間をかけているのが伝わってきます。

5巻で終わりというのが信じられず、売れまくっていつか続編が出るのを願っています。

半分姉弟

日本とそれ以外の国をルーツに持つ日本人たちの、この国での暮らしの苦難を描く漫画。同作ではいわゆる“ハーフ”という語に付随する様々なニュアンスを理解した上で、この言葉を問い直す意味で敢えて使用しているとの注意書きがされています。

1月現在で3話まで公開されており、見た目による差別、また見た目で分からないゆえの差別、そして差別的な発言をしてしまった後悔などが、各話ごとに異なる人物の視点で綴られていきます。

様々な当事者の声が伝わってくるような作風で、恐らく相当色々な方に取材をされているのではないかなと思いました。今後の展開に期待しています。

ダイヤモンドの功罪

スポーツ万能すぎる少年がその圧倒的才能ゆえに居場所を得られず、野球に巡り合ってなお葛藤するお話。個人的に共感するポイントが多々あったので、普段スポーツ漫画は読まないのですが引き込まれました。

僕自身は全く運動ができないので、共感するというのもおこがましいかもしれませんが、子どもの頃にある分野において突出した成績を出していたので、そのせいで周りとうまくいかなかったり、親にも「手加減してあげなさい」と言われたりして、大変苦悩したことがあり、その頃のことを思い出しながら読んでいました。

突出して何かができてしまうと、周りから扱いに困ると言われる危険があり、チート能力で無双って、実際にやってみると楽しい以上に苦しみがあるんですよね。それがよく描かれている漫画だと思います。

ぼくの地球を守って

前世の記憶を持つ7人の男女の恋模様が描かれる、1986年から1994年まで連載された名作SF漫画。実は今まで読めてなかったので、今回読むことができて本当に良かったです。

前世は異星人だった主人公たちの物語で、前世と今生の人間関係が絡み合っていくのですが、そこに「彼は本当にあの彼なのか?」「今の自分と前世の自分の区別の難しさ」「前世の罪を贖え」といった要素が入ってきて、かなり不穏な展開でびっくりしました。ロマンティックではあるのだけど、決してそれだけではない所が好きですね。

また、作者のコメントなどから、連載当時に「前世」概念の影響を受ける読者が多くいたことなどが分かり、歴史的資料としても貴重な作品だと思いました。

出会って4光年で合体(成人向け)

不遇な生まれでありつつも、皆に愛されて育った男性主人公が、絶世の美女のヒロイン(人でない存在)と結ばれるまでのお話なのですが、そこに至るまでに歴史的文脈、有名作品のオマージュ、伏線などがてんこ盛りです。

大ボリュームのSF巨編で、読むだけでも大変でしたし、ヤバいものを読んじゃったなと思いましたが、かなり好きなタイプの漫画作品でした。個人的にはアーサー・C・クラークなどの作品を彷彿としました。

サンプルを見てみて、こういった成人向け作品に抵抗がない方にはおすすめしたい、傑作漫画です。

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