思いやりの立ち振る舞い〜秘伝のタレを学びたい〜

〜この記事は過去のものを転用しています〜
【サカイさんは時々魔球を投げる】
暴投の間違えじゃね〜の??と思った方・・・

正解です。
いや、違うがな!!魔球のこと話したいんやん、自分!!
負けるな!ミチコ!
#誰も突っ込んでないけどね
#全部サカイさんの妄想ですけどね

今日は、サカイさんの服薬指導についてちょいと小噺を。
サカイさん、基本的に初回はもちろん用法用量、薬の説明、注意事項の話はしますけど、あるところからそっちの話は主流じゃなくなります。

2回目はもちろん、初回飲んだお薬がどうだったかの確認はしますし、
それ以降も薬を飲んだ後どうだった〜?という話も勿論します。

ここまでで服薬指導の半分くらいかなと思います。
しかし、ここからが本番、魔球の登場です。

薬の話じゃない、「じゃない話」から情報収集を始めます。
今の時期なら「年末年始、お風邪も引かずに楽しく過ごせました〜??
最近、スーパーとかでも年末年始すごくないですか??何買いました??
えぇ〜〜!!それいいな〜〜〜!!」などなどで盛り上がると、大抵の患者さんはちょっとした小話を出してくださいます。

・・・そこからが薬剤師の腕の見せ所!!みたいな技、あの手この手で返しますよ。
魔球返し第1弾!!魔球の落とし所はどこにしちゃう!!?みたいなやりとりしてるとですね・・・

不思議と場外にいたはずの方が、会話の内容こそ分からないのに「あの人には何か話して良さそう・・・」な雰囲気が出ちゃうわけですね。患者さんが投薬口からいなくなったら、空室になったサカイさんの投薬口に飛び込んできて「ここだけの話さ〜〜・・・ちょっと聞いてくれる??」なんて大切など真ん中の相談なんかを話してくださいます。

そこでサカイさん魔球、第2球投げちゃいますよね。
すると、他の薬局の薬剤師さんへの不平不満、不信感をもの凄く熱く話してくださいました。

内容は病院も変わって間もない状況で、新しい薬局がおかしい!!というもの。
(同業の方の批判って、明日は我が身で、決して同調するものではないというのがサカイさん・・・チクチクした気持ちで話に耳を傾けます・・・)

患者さんはまくし立てるように話されます。
「この薬は何故飲んでいますか?」
「この薬はGEしか入らなくなったので次回からGEになるなんていうの!」
「この薬はあなたのお子さんしか飲んでなくて、うちでは初めての取引になるからGEになるなんていうの!!」


・・・でサカイさんの薬局に変えたい!!という相談なんですが。。。

どうでしょう??流通困難な状況で、取引のない薬品は納品していただけないなんでザラです。
GEしか入らない、ではなく、GEでも納品できたらラッキーなことだってあるのは同業ならわかりますね??
薬も何故飲んでいるか、当然聞きますね??

そう、この不信感を持たれた薬局さんは、とても親切な真っ当な薬剤師さんが対応されていると思われるのです。
でも、何故こんなにご立腹なのでしょう??
この方に必要なことは何なんでしょう??

サカイさん、薬剤師としての正論をグッと一旦飲み込み、言いたいことを吐き出してもらうことにしました。
すると、患者さんは言うのです。
「私だって薬を安全に飲むために色々確認されてることくらい知ってるの。私の子供は口がきけない障がいがあって、何が起こっても自分で訴えられない子だから先発じゃないと不安なの。」

そっか〜〜〜・・・長年不安の中で薬と向き合ってこられたんですね〜〜〜・・・大変でしたね〜〜〜・・・

さかいさん、答えも言わずに↑の相槌だけを打って話を聞いてたのですが、結果患者さんが要は「不安な状態なんだ」ということを言ってくださったわけです。

・・・ということは、また新規で納品できるかどうか分からないサカイさんの薬局に移ってくるより、特殊なてんかんや障がいのある方の薬を今まで通り受け取ることのできる薬局の方が物理的には安心なわけです。

「お薬はですね、おっしゃる通り、その薬局でも薬心堂でもどちらでも受け取ることはできます。ただ、流通の問題があって、メーカーが変わることでより不安になることがないか?という点はもう一度迷ってみても良いかな?と思いますがいかがでしょう??
デリケートな薬を気にされているのは、本当によく分かりますよ〜〜!

お子さんと一緒に不安なく家で過ごすことが一番なんです。
薬剤師との関わりの部分だけが現在の不安でしたら、その不安だけ薬心堂で解消していく・・・
薬心堂に変わる、という時でも、薬心堂でもしご用意するとしたらこんな感じ。。。というやりとりを事前にして安心できるかを確認してから変わる。。。など、勢いで薬局を変えないことも大切かもしれませんよ(^^)?」

すると、その患者様は
「ここみたいにちゃんと説明してくれる薬局なら私も納得できるのに😭」と言って、また考えてきます・・・と怒りを沈めて帰られました。

・・・しかし、サカイさん、実はあまり説明などしていないんです(笑)
話は聞いたけど、納得できるような説明は殆どしてないはずなんです(笑)
不思議ですね、サカイさんは話してないのにその方は何だか満足して帰られ、きっと元の薬局に行かれると思います。

経営的にどうなの?それ??かもしれませんが、サカイさん的にはこれでいいのです。

1枚の処方箋にこだわることが必要な時もありますが、この方の場合はまずは親子共々安心して医療を受けるベースを固めることが第一と考えます。

仮に今の状態で薬心堂に移った場合、一つでもメーカーが代わり、次の受診日までに風邪でも引いたら「あの薬のせいじゃないか・・・」と不安感が募り、相談できる先がなくなってしまう可能性があります。

これって誰も幸せじゃないと思うのです。

新しい病院にも慣れて、どこかに安心できるベースがあってこそ継続的な安心の医療が受けられると思うのです。

そして偶然、こういうことがあった夜に、素敵な出会いがありました。

ミライロの垣内俊哉社長という骨の障がいのある方から、「自分と違う人に思いやりを持つこと」に関して具体的にコミュニケーションを学び、障がい者や高齢者に優しい関わりを持つことのできるユニバーサル・マナーというものがあるということを教わりました。

今や大企業の宅急便ヤマトや上智大学では全社員学生に必須で学ばれているとのことでした。

薬の話だけができればよかった時代から、薬剤師には多くのことを期待される時代になりました。

思いやりのある立ち振る舞いができる薬剤師になれたら、今回耳にしたような残念な誤解が少しでも減るんじゃないかな・・・今回は私が聞かせていただく立場だったけど、次回は私が患者さんに悲しい思いをさせてしまう薬剤師になるかもしれない・・・
#私もたくさん失敗を重ねてきました
#毎回周りに助けてもらって今があります

そう思うと、私はこのユニバーサル・マナー検定が気になって仕方がないのです。

春にサカイさん、試験を受ける予定なのでそれが終わったら受けちゃおっかな〜〜

※無事受講し、とても素晴らしい研修だなと心から思いました!
薬心堂では全社員、順次受講して行くことになりました😊

https://universal-manners.jp/

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