見出し画像

「終わってしまった」 天鳳シリーズを逃したT国党になにが足りなかったか──試合後記

9月23日、おんJ天鳳部ペナントレース2023は最終第19節を迎えていた。その4戦目。対局終了を見届けて、天鳳から国民を守る党(T国党)のオーナー・ツラゲ薬師は天を仰いだ。

「終わってしまったのか」

シーズン開幕前、いやドラフト開始前から描いていた、ポストシーズンへの道のり。その通りに進んできたはずだった。だが最後の最後、結果だけが彼の想定からは外れてしまった。


・あえて「優勝を目指さない」

2023シーズンからオーナーとなることに決まったツラゲ薬師。その頭にあったのは、3年続けて外から最後まで見届けた天鳳シリーズの風景だった。
2020年は頭のりたま下痢雷電、2021年はアッスの子供が生まれたーズ、そして2022年は魚が優勝。
いずれの年度も名勝負が繰り広げられ、ポストシーズンは大いに盛り上がった。
しかし、ツラゲが思い返していたのはそこではない。過去の優勝チーム3つのうち、リーグ戦首位で天鳳シリーズを優勝したのはアッスチームだけ。下痢雷電、魚のいずれも、下剋上による戴冠だった。

「天鳳シリーズに出る」

自らが未だに足を踏み入れたことのない舞台。そこを目標に据えれば、おのずと優勝も見えてくる。
少なくとも、数少ない過去のデータがそう証明している。

そこから指名選手のピックアップが始まった。重視されたのは「攻撃的」かつ「安定感」。シーズン序~中盤にある程度ポイントを積み上げて上位に入り、終盤にかけては順位を確定させていく。そのために必要なものが、先に挙げた2つを持つ選手だった。

特に、そのチームカラーを象徴する指名がある。e-datenのプロテクトと、4順目のセキネコ指名だった。チームの柱である"エース"には「安定感」の象徴としてe-datenを、年々成績を上げてきているセキネコを「攻撃的」の象徴とした。他にも自身が必要とする選手を集め、手前味噌ながら好指名ができたと自負していた。

目指すは「天鳳シリーズ」。

あえて"優勝を目指さない"リーグ戦が始まった。

T国党のドラフト指名結果


・目論見と苦悩

リーグ戦の経過はおおよその想定通りだった。スクランブル戦を経て第1節終了時点での1位と第4節での連ラス(うちオーナーの飛びラスも含む)は想定外だったものの、開幕前の3位予想にチームが外れることはほぼなかった。
ツラゲ薬師自身が自らの目でもって指名した選手、そしてチーム編成。そして戦略は、敷かれたレールの上を確実に走る列車のように順調そのものだった。

それでも、苦悩は尽きなかった。一定の収入を期待していたイベント戦では思ったようにポイントを獲得できず、終わってみれば全6チーム中最下位。ボーナスポイントでも5位と低迷した。さらに追い打ちをかけるように、三麻戦では大苦戦。四・三麻の人材バランスそのものは取れていたように見えたが、あまりにも勝ち運に見放されていた。

これらの負債を四麻だけで返し続け、そして最後まで耐え抜くことには成功した。オーナーの中でも「純粋に対局数の多い四麻戦での優位」が重要とは考えていたが、それを超える三麻、イベント、ボーナスポイント制度の負荷によって、上位2チームを追い越すどころか追いすがるのがやっとというのが実情だった。

クロマティ人形を活かしきれず、ルールの間でふらつく印象はぬぐえなかった。コールドが現実味を帯びてくる中、為す術はほとんど残されていなかったように思う。運営と戦略の順調さに甘え、隙は生まれてなかったか。芯のない終盤の采配が、結果として天鳳シリーズを遠ざけることになってしまったと言わざるを得ないだろう。

四麻では好調も、それ以外では課題の残るリーグ戦だった


・閉幕

終わってみればピイスは圧倒的で、それを追う隊しらズは彼らを追うだけの力をしっかり残していた。対してT国党はどうだったか。プレーオフ圏内から外れていたとはいえ、上位2チームからは離れており、最終節も難しい戦いを強いられることとなった。

自力での優勝の可能性が消えかかる中で、最後まで選手たちは戦い抜いた。だからこそ、すべての対局が終わった後に初めの言葉が口をついて出た。

「終わってしまったのか」

そう、終わってしまったのだ。天鳳シリーズ自動出場圏内にありながら、ようやく4年目にして大舞台に立てると心躍らせたその場所は霧消し、残ったのは第4代優勝チームであるピーナッツ・アイScreamのみだった。

戦略は間違っていたのか。なにか見落としがあったのか。ルールを活かしきれていなかったのではないか。油断はあったかもしれない。それでもここまでこれたのだから大した問題ではなかったはずだ。多分。

それらが頭の中でグルグル渦巻く中、悔恨と希望を抱いたままツラゲ薬師は去る。先のことはまだ誰にもわからないが、ただ一つ言えることはある。

僕はまだあきらめていない。もし次があるならば、オーナーだろうが選手だろうが、いかなる形であれ天鳳シリーズに出るために最善を尽くす。

そういう負け惜しみを吐いて、ツラゲ薬師の2023シーズンは閉幕とする。


次は絶対勝つ!!!!!!!!!!!!


(筆者:天鳳から国民を守る党 オーナー ツラゲ薬師)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?