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「つまらない」とは何か 演劇編 #1 感じてることを言う

「私は怒っている!」「悲しい」「嬉しい!」……

そういう、感情、特に「そのとき感じている」ことを台詞として聞かされると私は一気に幻滅してしまう。

多分漫画でも、そんな吹き出しがあると興ざめすると思う。どちらも、「見たらわかる」から興ざめするのだと思う。

その感情を表したいなら、わざわざ言わなくても(漫画の場合、文字で書かなくても)、演劇ならその役者の表情で、漫画ならキャラクターのしかめっ面や握りしめた拳の絵「だけ」で、充分分かる。たぶんその一つの表現だけで分かることをもう一つ言葉でも伝えられると、「しつこい」と感じて、それが「つまらない」に変換されるのではないだろうか。

だから竹中直人のようにニコニコしながら「怒ってんだぞこの野郎!」とか言っている役者を見たら、私は面白いと感じるかもしれない。あとは号泣しながら「嬉しい!」って叫んでいる、とか。表情と言葉がずれていて、どちらもを違うことを表している一つずつの表現だと脳が認識するかもしれないから。

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