ロン・サールの2時間発言の真実とその意図

ロンサールは結局どこで何を言ったのか?

本邦ギター界隈ではまことしやかに「ロンサールは2時間しか練習しない」、「ロンサールによると2時間以上の練習は無駄」といった噂話が広まっているが、それは真実なのだろうか?人々はそもそもその噂の出所を知っているのだろうか?
SNSの書き込みや動画サイトのコメントを参考におおよその発言のタイミングとして2005〜2013付近であると当たりをつけて、調査したところ例の発言は『ヤング・ギター「プラクティス」完全版』が出所であることが分かった。

この本では「プラクティス(練習)」という言葉が「一人で行われるテクニック習得のためのエクササイズや基礎練習」という文脈で用いられている。必ずしもギターを触っている時間の総量を意味しているわけではない。

ロンサールの言わんとすること

ロンサールがここ言いたいのは練習量がどうこうとかそういう話ではなくて、「ギターの練習しかできない人間になるな」、「ギター以外にも楽しみを見出せる人間になろう」、「人生を謳歌してそれを音楽にフィードバックできるようになろう」というようなもっとポジティブな話だと思うし、これは「ロンサールが超上手いから2時間の練習で事足りるだけだろ」とかそういう話じゃないと思う。ギターのためだけに生きているとかギターが最優先でないと本気じゃないという考え方のもとで人生を犠牲にするのはナンセンスだという警告でもあり、ギターが一番じゃなくても後ろめたく思う必要はないというアドバイスとして受け取るべきで、「ギターが上手くなることが全てじゃないよ」という話なのではないか。

ギターの練習のために人生を犠牲にするな

今年でボクは28になるのだけど、この年齢になると病気とか障害(声帯が半分機能停止している)とか車の修理とか将来とか人間関係とか色々と気にしなきゃいけないものが増えてくる。この前も肺に怪しい影があると言われた。そういう嫌なしがらみを知るか馬鹿で無視して趣味一直線でいたらきっとどこかで破綻するだろうし、それこそギターのために人生を犠牲にするようなことになるだろう。ギターより優先すべきことというのは確実に存在する。それを優先することが何か重大な裏切りになるということは無いと思う。大事なことはプロ並みに上手くなることやたくさん練習することじゃないし、本気度をアピールすることでもなく、できるだけ長く楽しくギターを続けることではないだろーか。

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