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薬学部個人ノート「機能形態学・後半全て」

こんにちは。ここでは、薬学部の主要科目の私個人のオリジナルノートを載せています。今回は機能形態学の後半1~7を通しで一気に載せてます。以前載せた前半と合わせ、これで機能形態学は終了です。何かの参考にして頂けると嬉しいです(途中から有料になります)。
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機能形態学・後半全て
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<1>ホメオスタシス

➀ホメオスタシスとは、生体の「外部の環境が変化しても生体内の状態は一定に保たれる」という性質のこと。
➁その為に、生体内では、外部の環境変化に対し、それを打ち消す逆の変化が生じる。これをネガティブフィードバックと言う。
③ネガティブフィードバックには、代表的要素が3つある。
1)血糖値
2)血圧
3)体温

1)血糖値

飲食で糖を多く摂る

血管内に糖が増加(血糖値上昇

膵臓から分泌されたインスリンにより、糖(グルコース)が血管から細胞内に移行する。その糖は、肝臓でグルコースからグリコーゲンに変換され貯蔵される。

血糖値低下

膵臓から分泌されたグルカゴンにより、肝臓のグリコーゲンがグルコースに戻され、血管内へ移行

血糖値上昇


2)血圧

血圧のネガティブフィードバックは、神経系内分泌系の2つの働きで起こる。

<神経系>
大量出血

血圧低下

血圧低下は血管内の圧受容器によりキャッチされ、延髄の血管運動中枢に伝わる。

血管運動中枢は、交感神経を使って、➀心臓の心拍数を上げ、➁抹消血管を収縮させる。また副腎髄質から分泌されるカテコールアミンによっても➁が起こる。➀➁により脳や心臓などの生命維持に必要な中央部に優先的に血液が流れる(血圧が上がる)。

血圧が上がると、副交感神経が心臓の働きを抑える。

血圧が下がる

<内分泌系>
血圧低下

以下の2つの作用が起こる。
①腎臓の傍糸球体細胞から分泌されたレニンが、血液中のアンジオテンシンノーゲンをアンジオテンシンノーゲンⅠに、次いでアンジオテンシンノーゲンⅡへと次々に変換し、末梢血管を収縮させる。これにより血圧が上がる。

②アンジオテンシンⅡに刺激され副腎皮質から分泌されたアルドステロンが、腎臓のNa再吸収を促進。Naは水と常に一緒に行動する為、Naが再吸収されると水も一緒に再吸収される(再吸収とは、物質が尿管から血管へ移行する事)。これにより血液量が増え、血圧が上がる

血圧が上昇すると、心臓の心房から心房性Na利尿ペプチドが分泌され、腎臓でのNa分泌が促進される(Naと共に水が尿管へ排出される)。これにより血液量が減り、血圧が下がる
↓(更に逆)
血液量の減少による血圧低下では、血漿浸透圧が上昇する。これを視床下部の浸透圧受容体が感知し、バソプレシンの分泌が促進される。バソプレシンは腎臓の集合管におけるの再吸収を促進し、血液量を増加させる。またバソプレシンは、血管平滑筋を収縮させる事でも、血圧を上昇させる。


3)体温

寒い環境で体温が下がる。

脳の視床下部の熱産生中枢が活性化し、熱を産出し同時に熱を逃がさないよう命令が下る。

熱産出は骨格筋の働きで、体を震わせる事で起こる。
熱を逃がさない反応は、皮膚の毛細血管を収縮させる事により、体内の熱を皮膚表面から放出させない事で起こる。この2つにより、体温が上昇する。

体温が上昇すると、熱産生中枢は不活化する。


暑い環境で体温が上がる。

視床下部の熱喪失中枢が活性化し、毛細血管を拡張させ皮膚表面から熱を放出させる。また、発汗により、気化熱を奪って体温を低下させる。

体温が低下すると、熱喪失中枢は不活化する。


<2>神経系のメカニズム

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