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薬学部個人ノート「機能形態学・前半3」

こんにちは。ここでは、薬学部の主要科目の私個人のノートを載せています。今回は前回の「機能形態学2」の続きです。友達のノートを借りる感覚で見て頂ければと思います。
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<血液>
*血液の機能:運搬機能(ガス、栄養素、ホルモン等)・止血機構・生体防御機構・ホメオスタシスの維持
*体液(体の中の水分):体液は体重の60%(うち細胞内液40%+細胞外液20%)
*細胞外液:血漿(血液から固形物を抜いた物)5%・組織液13%・体腔液2%。
*血液:体重の8%
*ヘマトクリット(HtもしくはHct):血液中に占める赤血球の全容積を%で表した値。貧血のスクリーニングと分類に用いられる。               男性39.7~52.4%  女性34.8~45.0% 脱水と新生児で高い値

<血漿>
*血漿の成分:水91~2%・血漿タンパク質・血糖・脂質・ミネラル
血漿蛋白質:アルブミンが50~60%と最も多い。次がグロブリン。あと凝固因子等。100種以上の成分で構成されている。膠質浸透圧や生体防御に関与
*アルブミン:輸送体蛋白。肝臓で合成される。
*総蛋白:栄養状態と肝腎機能の指標。肝硬変やネフローゼによる低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫などで上昇。

血糖値:空腹時100mg/dl

脂質:中性脂肪・コレステロール・遊離脂肪酸
*中性脂肪:動脈硬化の危険因子。食後は高値になるので、採血は空腹時に行う。
*総コレステロール:大半は体内の生合成(食事からは3割以下)。肝臓で合成される。ステロイド・胆汁酸・細胞膜の成分。エステル型70%。         LDLコレステロールと、HDLコレステロールがある。
*LDLコレステロール:悪玉コレステロール。高値は冠動脈疾患。子供は肝臓→末梢。
*HDLコレステロール:善玉コレステロール。低値は動脈硬化。転送は、末梢→肝臓。
*遊離脂肪酸:中性脂肪の、分解と(末梢での)取りこみとのバランス値。ホルモンや食事ストレスに影響される。脂質代謝異常の指標。

<血球>・・・赤血球・白血球・血小板
*赤血球:働きは、酸素と結合して酸素を運搬する事(ヘモグロビンの働き)。核が無く、寿命は120日。鉄を含むヘムと、グロビンから成る。この鉄が1分子の酸素と結合。エリスポエチン・副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンにより産生促進。
赤血球の基準値は、男性410~530万/μL、女性380~480万/μL
ヘモグロビンの基準値は、男性13.5~17.5g/dL 女性11.5~15.0g/dl

*白血球:働きは、腫瘍免疫・感染防御。顆粒有り無しで、顆粒球(あり)・リンパ球と単体マクロファージ(無し)。染色体度の違いで、好中球・好酸球・好塩基球に分けられる。好酸球は、アレルギーや寄生虫感染で増加する。白血球の基準値は、3300~9000/μL

*血小板:働きは、止血機構。核はない。寿命は7~10日。血小板の基準値は、14~35万/μL
   

<止血機構>
*1次止血:血小板の粘着→凝固因子の放出→血小板の凝集
損傷部位のコラーゲンに血小板が粘着。ADPとトロンボキサンA2(TXA2)を放出。TXA2が血小板凝集に働く。GPⅡa/Ⅲb複合体がフィブリノーゲンと結合。トロンビンが血小板を活性化。血小板血栓形成。

*2次止血:フィブリンが網目状に血小板血栓を取り囲み、血栓を強化。

*血栓の除去:プラスミンがフィブリンを分解(線維素溶解)。プラスミノーゲン→プラスミン→フィブリン分解
(*通常は、血栓形成作用は抑制されている。血管損傷時に血小板が活性化され止血機構が開始される)。

*血液凝固因子経路:内因系12→11→9→8、外因系3→7、共通系10→5→2→1

*凝固因子の2,7、9、10は肝臓で合成される。ビタミンK欠乏症や肝疾患では出血が起こりやすい(2,7,9、10はビタミンK依存因子)


<リンパ系>
*リンパ管:静脈にからみつく形で全身に分布。中膜・外膜の発達が弱いので、流れは遅い。リンパ管中のリンパ液は、歩行などの筋肉の収縮・弛緩によって流れる。リンパ液は必ずどこかのリンパ節を通り、静脈角から静脈に入り、血液に戻って心臓を介し、全身を巡る。

輸入リンパ管(リンパ管入り口)と、輸出リンパ管(リンパ管出口)がある。リンパ管の各所に、豆上のリンパ節があり、そこで異物や老廃物がろ過される。

*リンパ(液):組織液の10%がリンパ液。組織に出た液のうち、毛細リンパ管に再吸収されたものの事。(組織液の残りの90%は、毛細血管に再吸収され血液になる)。

毛細リンパ管に再吸収されないと、浮腫になる。

リンパ細胞(リンパ球)と白血球がある。血液と違い、赤血球や血小板はない。リンパ液は不要になった異物や細菌を、回収しながらリンパ管を通して心臓へ送る働きをする。

*全身の「リンパ本幹」:腸・腰・頚・鎖骨下・気管支縦隔

リンパの流れ:
内臓は腸リンパ本幹、両足は腰リンパ本幹、左上半身は頚・鎖骨下リンパ本幹をそれぞれ通り、更に胸管を通って、左の静脈角から静脈に入る。右上半身は、頸・鎖骨下や気管支縦隔のリンパ本幹を通り、そのまま右の静脈角に入る。(左右の静脈角は、鎖骨下にある)。

*リンパ節:
リンパ球を産生する。Bリンパ球(B細胞)は、抗体を産生。Tリンパ球(T細胞)は、B細胞を調節。リンパ節のマクロファージは、リンパ液から異物の取り省き、免疫系を制御、及び生体防御を行う。

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