見出し画像

ツタヤ渋谷店で借りた35枚

東京に移り住んで二ヶ月ほど経過した。

画像1

以前からやりたかった「ツタヤ渋谷店でCDをレンタルしまくり、近くのファミレスかカフェかなんかに行き、持参したPCにCDをインポートし、当日に返却して帰る」をついに決行した。

画像2

ツタヤの隣にあったガストでCDのインポートをやりつつこの文章を書いている。

自分が愛好する音楽には、iTunesでもレンタルでもサブスクでも手に入らないので中古でなんとか手に入れなければならなかったり、または手に入らなかったりするようなものや廃盤の類が多く、それらをどうにか蒐集することがライフワークとなって久しいのだが、だからこそツタヤ渋谷店はかねてよりの「絶対行きたい場所」であった。

アンダーグラウンドとかそういう言葉で形容されたりするような音楽を偏愛していると余計に実感できるのだが、渋谷店の品揃えには本当に感動的なものがある。国内一の店舗だからそりゃそうといえばそうなんだけど、想像を超えて充実した在庫に「こんなのまで置いてるのか」と何度も感動した。

また、そもそも自分はApple Musicを使えるにもかかわらず、物理媒体のCDから音源を手元に置きておきたいというクセが完全に定着してしまっていたり、またウォークマン等によるアナログな聴き方に拘泥し続けていたりするせいでツタヤへの依存を断ち切れていない。

それで結局35枚も借りてしまった。せっかくなので何をレンタルしたか書いてみます。メジャーなのもマイナーなのもある。順番はアーティスト名のアルファベットと五十音順。


■385 - 人間 

沖縄のハードコアファンクバンド385のフルアルバム。二年くらい聴きたいままだったやつなので嬉しい。

385だと「見えない宇宙」がすごく好き。ベースボーカル、ドラム、キーボードっていう編成がすでに最高としかいえないんだよな。


■54-71 - I'm not fine, thank you. And you?

役不足が敬愛してやまず、ここ半年くらいで完全に肩まで傾倒している伝説的バンド、54-71のアルバム。

もう活動してないし全作が廃盤なので困るんだけどなんとか中古で全揃え(ぜんぞろえ)している。しているんだけどこのアルバムだけサブスクにあるのでいまいち優先順位が低いという微妙な状態が続き、唯一手元になかった。ツタヤ渋谷店には54-71のアルバムが3作あり、そのひとつ。嬉しい。

ギタリスト脱退からの活動停滞を経て新メンバーを加え制作されたアルバム。いまここまで書いた瞬間にガストの火災警報器がめちゃくちゃ鳴って本当にびっくりした。誤操作か何かだったそう。


■8otto - Dawn On

数字のバンド多いな。8otto(オットー)はブラコンであったりファンクであったりそういう具合のグルーヴ感をロックミュージックに合流させる音楽性がすばらしいバンド。寝起きで歌ってるみたいな脱力感と妙な発音による激シブのボーカルがいい。ドラムボーカル。日本00年代アングラ音楽をディグっていた時期に知った。

1st作「we do viberation」を去年amazonの中古出品で買ったらCDケースの中身(CDと歌詞カード)のみが封筒で届いて最悪だったことがある。

今日借りた「Dawn On」は新しめのアルバムで、超絶好きな曲「SRKEEN」「Mr.David」が共に収録されていたりする。嬉しい。


■APOGEE - 夢幻タワー

インポートし終えたので帰宅したら眠くなって寝ちゃったので翌日に書いています。APOGEEは本当に最高。ニューウェイビーで未来的なシンセとバンドサウンドの応酬に見える景色が美しすぎるバンド。

前々作「Fantastic」と前作「Touch in Light」があまりにもすばらしいアルバムだったので本作も楽しみ。夢幻タワーというタイトルの急なダサさはなんなんだ。


■BALLOONS - 9:40p.m.

日本00年代アングラ音楽ディグの時期に知った。ポストロックとかマスロックとかそういう語で形容されるバンド。

YouTubeで見つけた「Excess Baggage」がかなり好きだったので借りた。


■the chef cooks me - Feeling

the chef cooks meの4th。

このバンドはちゃんと聴いてきたわけではないのだが個人的に活動を追っているベース奏者の吉田一郎氏が参加していたことから知った「CP」が実に最高だったのでその収録作を借りてきた。クールでポップネスで都会的。シティポップとかそういうカテゴライズをされる音楽が好きな人は是非聴かれたし。

いま聴いてるけど、晴れた日に聴きたいようなポップスでありながら間奏が7+6拍子になってる曲とかあったりして油断ならない感じにすごく好感が持てる。


■downy - 第二作品集 無題

日本インディーロックの重鎮、downyのセカンド。downyを聴き始めたのは最近なんだけど1st作がいわゆるポストロックの作法に満ちていてすごく好みだったので借りてきた。

前作だと「左の種」「野ばなし」「昭和ジャズ」あたりが特に好きだった。

こういう昔のアルバムで再発盤とかリマスター盤が出てると元の旧いほうを聴きたくなってしまう。


■eastern youth - 極東最前線2

イースタンユース主催のコンピレーション企画で制作された2008年のオムニバス。彼らのリスペクトのもとに招かれた30組近いアーティストが参加している。

完全にZAZEN BOYSと54-71の提供曲を目当てに借りてきたけどにせんねんもんだいとかも参加しててかなり楽しみ。


■KIRINJI - ネオ

キリンジが新体制KIRINJIとなって二作目のアルバム。なんか全作のうちこれだけまだ聴いてなかったので借りてきた。ジャケがいい。


■LEO今井 - CITY FOLK

LEO今井がインディーズ時代に発表した1st。最も好きなアーティストのひとりなんだけどやたらと廃盤が多かったりして結局「Fix Neon」くらいしかちゃんと聴けていなかったので今回めちゃくちゃ借りてしまった。

向井秀徳とのプロジェクト「KIMONOS」でカバーされた名曲「東京電燈」が収録されていたりする。いま聴いてるけど一曲目から信じられないくらい良い。


■LEO今井 - Laser Rain

LEO今井でいちばん聴きたかったやつ。

個人的に「人生」と思っている「Taxi」が収録されてる時点ですごいし、

その他、MVで好んで聴いていた曲が軒並み聴ける。最高………

今夏はこのアルバムを聴いて過ごすと思う。東京の夏。


■LEO今井 - Made From Nothing

LEO今井のすごさといえばやはりスウェーデンと日本にルーツを持つその来歴に根差した無国籍な音楽性だと思う。いわゆる邦楽とも洋楽とも聴こえるバランスが奇妙で、アーティストとしての「唯一性」という表現がありきたりな形容詞ではなく完全に事実上のものとして向けられる。このアルバムにもすごくそういうものが期待される。

何より最近狂ったように聴きまくっている「OMEN MAN」が収録されているのが嬉しい。メインのリフは4+7拍子と解釈してるんだけど、変拍子のアプローチにしても他ではあまり見ないリズムでありながらポップさを見失わない絶妙な造形だなと思う。こういうプログレっぽい方向へ深化しているアルバムなのだとしたら尚嬉しい。


■LEO今井 - VLP

初期のアートロック的な音楽性に始まって遠くまで来たLEO今井は最近かなりハードロック指向の作品を発表している。その方向性で制作された現時点最新のフルアルバム。という認識。

リード曲「New Roses」がすでに良かった。バンドサウンドの比重がかなり高まっているらしく楽しみ。


■Lucky Kilimanjaro - !magination

今年知ったバンド。ハウスとかクラブミュージックとかそのへん(詳しくない)のエッセンスの音楽で、脳の快楽を司る部分を直刺ししてくる。

というのも少し前に「Drawing!」を初めて聴いてメガトン級の衝撃を受けたことに端を発する。この曲は本当にやばいですね。脳を使って気持ちよくなれるメディスンとしての音楽をよく知っているのがわかる。快楽の暴力。

あえて浅い言葉でいえばいわゆる「陽キャ」的なノリが目立つバンドなんだけどそれも含めて貴いものと映る。星野源とかもそうで、こういう音楽の佇まいには「正しさ」という光量で圧倒されてしまう。


■METAFIVE - META

YMO高橋幸宏が各方面のレジェンド的存在を招聘して結成されたバンド、METAFIVEの1st。LEO今井が参加していたので知って興味を持った。

結構前に聴いたときはピンとこなかったのだけど先日「Don't Move」「Luv U Tokio」をYouTubeで聴いて完全に衝撃を覚えた。このアルバムもさっそく聴いてるけどマジですばらしいですね………


■nhhmbase - 波紋クロス

なんて形容すればいいのかよくわからないバンド、nhhmbase(ネハンベース)のアルバム。音楽の約束事を徹底的に反故にしたスカスカの音像と数学的な変拍子の応酬で難解さを極めつつ、不思議とポップスとして成立して聴こえる奇妙さがあるバンド。

二年前に買った1st「nhhmbase」がすばらしかった。何度聴いてもマジで何やってるのかわからない曲が多い。でも好き。

本作波紋クロスは先述の54-71のリーダー川口賢太郎がプロデュースを担っているのが嬉しい。楽しみ。


■NUMBER GIRL - OMOIDE IN MY HEAD4 珍 NG & RARE TRACKS

ナンバーガールが解散発表後にリリースした、最初期のデモやコンピレーション提供曲、ボツ曲や未発表曲その他諸々のレア音源を収録しまくったトラック集。このアルバム自体が廃盤で手に入りづらく中古市場でも高騰してるレアな代物なので棚で見つけたときびっくりした。楽しみ。ジャケット面白い。


■tacobonds - SICK OF LISTENING

00年代の日本インディーシーンのバンド、tacobondsのアルバム。ジャケットがキモい。聴いてみてるけどかなりいい。

去年買った「NO FICTION」がかなりすばらしかった。変拍子と爆音のなかでひとつのリフを煮詰めて一曲にまで発展させたようなミニマルかつ実験的なアプローチがすごく好みなバンド。


■Yes - Relayer

急に70年代のアルバム。言わずと知れたプログレの始祖、イエスの7作目。なんかずっと一定の熱量でイエスを聴くようになった。「サウンド・チェイサー」が聴きたくて借りた。


■泉こなた - らき☆すた キャラクターソング Vol. 001

泉こなたが好きだから。

怖いか。

2021年に泉こなたのキャラソンをレンタルしてる男が怖いか。


なあ


怖いか


■泉こなた, 柊かがみ, 柊つかさ, 高良みゆき - もってけ!セーラーふく

もってけセーラーふくが普通に音楽としてかなり好きなんだよな。

怖いか


おれが怖いか


お前のことだよ


なあ


■左右 - スカムレフト スカムライト

■左右 - カンバセイション

■左右 - ファイト

ちゃんと聴くタイミングを逃し続けていた左右のアルバムを急に三枚借りた。「スカムレフト スカムライト」なんかは向井秀徳がコメントしていたこともあったりして楽しみ。ジャケがいい。


■ストレイライト - THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 06

ツタヤ渋谷店の気の狂ったアイマス音源在庫数からひとつストレイライトのアルバムを借りてきた。好きすぎるのになんだかんだ音源持ってなかったやつ。

最高…………


■ナナホシ管弦楽団 - ABnormal LEGACY

中学生のとき聴いてたボーカロイド音楽には、今になると「ウ~」と懐かし恥ずかしくなるようなものと、また今になっても最高だなと本心から思って俄然愛聴しているもの、の二通りがあり、ナナホシ管弦楽団氏の楽曲は完全に後者というか、初めて聴いた当時もその本物感に対してあまりにも「ネット音楽」の文化圏から逸脱したような異質さを感じていたのを覚えている。

昔からこの人のアルバムは軒並み手に入らないので、やっと聴けるなあという感慨がすごい。

「真夜中の微笑み」とか有名な曲が収録されている。いつ聴いても最高ですねえ……


■ナナホシ管弦楽団 - 完全犯罪

これをレンタルできると知ったとき本当に声が出そうになった。いちばん聴きたかったやつ。嬉しい………

「クリサリス」「心じゃきっと分かっていた」といった最高の曲が並んでいる。というよりコンセプトアルバム的な趣がすごそう。このアルバムを聴ける日が来たぞと14歳の自分に伝えたいぜ。


■バズマザーズ - Disc Harassment

ハヌマーンは世界一好きなのになんだかんだでバズマザーズって手出してないなと思い、なんだかんだでバズマザーズって手出してない状態から動こうかなと思って借りてきたバズマザーズの1st。我々は一生山田亮一に逆らえない。


■フリッパーズ・ギター - ヘッド博士の世界塔

フリッパーズギターに興味持ったのおとといとかなんだけどせっかくなので借りた。

このアルバム収録の「Groove Tube」がめちゃくちゃよかったことで興味が出た。というかこの曲絶対いつか聞いたことあるんだけどマジで思い出せない。


■ヘンショクリュウ - NIPPOP

結構前に知ったかなり好きなバンド、ヘンショクリュウの1stミニ。スタインバーガー社製ベース、テレキャスター、簡素なドラムセットによるスリーピース、によるファンクロックという点であまりにも完璧に「好み」そのものだったのでびっくりした。

しかもリード曲「新しい踊り方」は亀田誠二プロデュースと来た。最高である。これもずっと聴きたかったやつなので嬉しい。


■ぽてんしゃる0 - 吟風弄月

昔から敬愛していながらもアルバムが手に入れられていなかったぽてんしゃる0氏の1st。

ジャキジャキの鋭角ギターとピコピコリードシンセがそれぞれのリフを交錯させまくるサウンドが超クールかつキュートでびっくりするくらい好み。個人制作なんだけど詞もアートワークも映像もその精神性も最高の一言に尽きる。

サブスクで聴いたりしてたんだけどやっぱりちゃんと音源で持てると嬉しい。ゲストトラックまで最高なんだよな。


■ぽてんしゃる0 - 有為転変

同氏の2nd。

最高の曲ばっかなんだよな。こっちもゲストトラックが最高だったりする。


■堀込高樹 - Home Ground

ずっと聴きたかったのにタイミングを見失っていたキリンジ堀込高樹のソロアルバム。「冬来たりなば」とかが大好きなので楽しみ。


■マヒルノ - 辺境のサーカス

00年代日本インディーロックシーンで活躍したマヒルノの1stミニ。プログレっぽい技巧に満ちていながらもポップス的で鮮やか。

以前少しサブスクで聴いていたんだけど「シーソーと迷子のための小品」「橋」あたりがかなり好きだったので印象的なアルバム。


■マヒルノ - ジェネリックミュージック

マヒルノの1stフル。マヒルノはちゃんと聴きたいなとずっと思っていたので楽しみ。ジャケがいい。





■まとめ


CDをたくさん借りるとCDをたくさん聴けるのですてきだと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?