3/19 下剤、種類、飲み方

今日は、下剤について教わった。
下剤は大きく分けて、刺激性と非刺激性のものがある。⾮刺激性下剤は腸の⽔分を増やし、便を柔らかくするため、刺激性下剤と⽐べて効果はマイルドで即効性がないことが多い。刺激性下剤(センノシド等)は、腸を刺激して蠕動を促進し便を出しやすくする。⻑年毎⽇連⽤すると腸が弛緩してしまい、下剤を飲まないと便が出にくくなったり、副作用として腹痛が現れることがある。当薬局では高齢の方が多いためか、非刺激性下剤を多く見かける。最もよく出るのは酸化マグネシウムだが、用法用量は患者さんによって様々である。ある患者さんでは酸化マグネシウム錠330mg 2T 分1 就寝前、別の患者さんでは酸化マグネシウム錠250mg 4T 分2 朝食後と夕食後の処方であった。酸化マグネシウムは便が硬くなる前に飲むことで効果を示すため、基本的には毎日続けるような処方となるが、藥袋には[1-5錠で調節可能(錠剤)]や[適宜増減可能(粉)]と医師の判断で増減可能な量が記載されている。下痢をした場合は一旦飲むのを辞めることも可能だが、軟便程度ならなるべく減らしてでも飲み続けるよう指導する。酸化マグネシウムは腎機能が悪いと高マグネシウム血症を引き起こす可能性があり、嘔気や嘔吐、意識レベルの低下などが起きるため、リスクのある⽅は時々⾎液検査でマグネシウムの値を調べるといった注意が必要な薬でもある。
酸化マグネシウムの他にも非刺激性下剤として、アミティーザ、リンゼス、グーフィス、モビコールの処方も見かける。アミティーザは上⽪機能変容薬で腎機能に関わらず使うことができ、リンゼスは⼤腸の痛覚過敏を改善させる効果を持ち、グーフィスは胆汁の再吸収を阻害、モビコールは少量の腸内洗浄液で身体にほとんど吸収されない。このように同じ非刺激性下剤といえど様々な機序•特徴があり、患者さんの状態や薬価で使い分けがされている。また、酸化マグネシウムだけで便秘のコントロールができない場合、これらの下剤が追加され、カマ+グーフィス+モビコールのような処方になることもある。複数の下剤を使用している時でも、酸化マグネシウムの量を患者さん自身で調節して使うことができる。
通常の薬物治療とは少し違い、便秘のコントロールは、患者さんが主体となってちょうどいい便の状態を見つけてもらうような治療であることを知った。便の調子がいいと服用をやめてしまったり、やめたら便秘になったと訴えがあったり、患者さん主体ではあるが、適切なサポートが必要な薬でもあることを学んだ。