4/12、B、C型肝炎、薬

ついて教わった。
患者: B型肝炎患者で、肝移植を行った。バラクルード錠0.5mg、ベムリディ25mg、ファモチジンD錠20mg、グラセプターカプセル0.5mg、セルセプトカプセル250/分2、メドロール錠2mgの処方。バラクルード(エンテカビル)とベムリディ(テノホビル)は抗ウイルス化学療法剤であり、グラセプター(タクロリムス)とセルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)は免疫抑制剤、メドロール(メチルプレドニゾロン)は免疫抑制に用いられる合成副腎皮質ホルモン剤である。
ウイルス性肝炎は病気の段階に応じて、急性肝炎と慢性肝炎に分けられる。特に慢性肝炎は持続するため、肝硬変や肝臓がんを合併することがある。肝臓に感染するウイルスは数種類あるが、その中でも慢性化し患者数も多いのはB型肝炎とC型肝炎であり、共に血液•体液感染や母子感染といった経路で感染する。しかし、C型肝炎ウイルスは感染力があまり強くなく、インターフェロン等(ゲノタイプ1,2への治療も確立されている)により95%以上の患者でウイルスを体内から排除できるとの報告がある。対してB型肝炎ウイルスは比較的感染力が強く、ひげ剃りからでも感染することがある。HBe抗原陽性‧肝機能正常の状態が続いている場合と、HBe抗原陰性‧肝機能正常‧HBV DNAが3.3 logcopy/mL(2000 IU/mL)の状態が続いている場合では抗ウイルス治療を行わなくても良い[ガイドライン]とされているが、上記以外では核酸アナログ(第一選択薬はバラクルード、テノゼット、ベムリディ)による治療の適応がある。核酸アナログにより、肝炎ウイルスが抑制できていれば経過観察となるが、慢性化し肝硬変を合併した場合に肝移植となる場合がある。上記患者さんのように肝移植を行った場合、拒絶反応を抑えるため免疫抑制剤が処方される。また肝硬変になった肝臓を替えても、B型肝炎ウイルスが体内から完全に排除されるわけではないため、引き続き核酸アナログをのみ続け、ウイルスの増殖を抑えながら経過を見ていくこととなる。二次疾患の治療しても、一次疾患と向き合わなければならない患者もいることを実感し、様々な患者に寄り添える薬剤師でありたいと思った。