①薬局スマートフォン在庫検索アプリ



薬局では、多様な病院から出される処方箋を受け付ける必要があり、その結果として、在庫のない薬を急に必要とすることや、予期せず在庫が動かなくなってしまう薬が増える傾向にあります。これにより、不動在庫が生じることは避けられず、多くの薬局はこれを避けられない事態として受け入れているか、卸売業者への返品を試みています。私たちは初め、発注システムからの購入履歴を毎月ダウンロードし、Excelで集計して、各薬局が在庫状況を確認できるようにしていました。しかしこの方法では、必要な薬や動かなくなった在庫を探すのに時間がかかりました。



この問題を解決するため、ChatGPTの技術を活用して、VBAを使って毎月の購入履歴の集計を自動化しました。さらに、薬品名で検索できる検索ダッシュボードを開発し、在庫管理の効率化を図りました。このシステムは社内で非常に便利であることが証明され、近隣の薬局とも情報を共有することで、地域全体の薬品在庫管理の効率化に貢献しています。



次に、このシステムをPCだけでなくスマートフォンからもアクセスできるようにするための方法を模索しました。しかし、VBAをWebやスマートフォンで直接利用することは難しいことが分かり、別の解決策を探すことにしました。この段階で、ノーコード・ローコード開発の時代の流れに乗り、AppSheetというプラットフォームを発見しました。



AppSheetの魅力は、プログラミング知識がなくても、直感的なインターフェースを通じてアプリケーションを開発できる点にあります。ドラッグ&ドロップで機能を追加し、Excelデータを簡単にアプリに組み込めるため、私たちがこれまでに構築してきた在庫管理システムを、迅速にアプリ化することが可能でした。また、AppSheetはGoogle Cloudの一部であるため、セキュリティやデータ管理の面でも信頼性が高く、会社がGoogle Workspaceを契約していることから、追加コストなしでCore機能をフル活用できるという利点もありました。



AppSheetを使って開発したアプリは、スマートフォンやタブレットからでも在庫情報の検索や更新が可能になり、薬局スタッフが外出先からでもリアルタイムで在庫管理ができるようになりました。これにより、薬局間の連携も一層スムーズになり、在庫の過不足を効率的に解消することが可能になりました。AppSheetの導入は、薬局の在庫管理を大幅に改善し、日々の業務をより効率的に、かつ柔軟に行えるように変革しました。このように、AppSheetは、ノーコード・ローコード開発の力を借りて、複雑な問題を簡単かつ迅速に解決する新たな道を開いたのです。