薬剤師意外と食事からのアプローチができない?

薬剤師は薬はもちろん食の範囲まで考えていくべきか昨今、処方箋に検査値が載る状況が少しずつ広がりつつあります。クレアチンクリアランス、 血糖値、 PTINRはもちろん、AST からの 比率。薬の副作用で上がっているのか・・

腎代謝の薬剤は?? 肝代謝なので変更指示??トラゼンタ?? PLTの変異はどうか。。エンテカビルの副作用ではないのか。

また、嚥下機能の低下が薬による影響はどうか・・・。この話題は意外と盲点になりますので在宅時には、薬の副作用としてしっかり頭に嚥下能力の低下を担う可能性のある医薬品を精査して勤務しましょう。

薬剤師の機能として覚えておかなければいけないことが非常に多くなっています。 検査値は日常的に接する為職能として少しずつ頭に残るが、 食としての知識はどうでしょうか。超高齢化社会にもうすぐ到達します。

検査値から薬剤師としての職能発揮はもちろんですがこれから発揮しなければいけないのは在宅、外来での食べ物の確認。 身近の相談できる薬剤師としての姿が少しずつ形をなしてきています。

投薬→薬歴を書いて業務は終了、業務は薬歴終わるまで、の時代は終わりました。患者自身の生活スタイル、総合的に判断してサポートしていくのが、10年前に言われたQOLの改善ではないでしょうか。QOLの改善など、現在では基本の根底にありますのでもはやこの単語は使われません。

投薬後もその患者自身の健康のケアをする。いわゆる かかりつけ薬剤師、 かかりつけ薬局。ひいては、 健康サポート薬局。 薬剤師として激動の勤務状況の中、おのおのの勤務内容を今一度見直すべきだと言われています。

ここから本題ですが、腎機能から処方薬の変更を打診していく薬剤師業務は近年やっと表舞台に立てていますが食事はどうでしょうか。

腎機能悪化に伴う、たんぱく制限について薬剤師は、ほとんど教育を受けた体験がないかと思います。いくら薬品で腎機能を保護、調整していても 口から入ってきている。

成分に無頓着であれば薬物療法も効果半減になってしまいます。

検査値結果より推測し腎機能悪化ですね、では食事で たんぱく制限してください、 お大事に、 だけではいけません。 具体的にどのようにしていくか今回は考えていきたいと思います。

健常な片では : 70g/day  のたんぱく量が求められていますが、

  → 腎機能低下もしくは悪化の場合は制限: 0.5g以上/kg 食べないようにしましょう。

例 女性、50kg : 25g/dayが必須、これは1日量の半分で極めてキツい量になっています。 しかし適正なたんぱく質制限をすることが腎不全への進行を阻止できることを忘れてはいけません。

 ひどい腎不全状態に対しては、たんぱく質は20g制限推奨になります。

(エネルゲンは、たんぱく質以外の炭水化物や脂質で十分なカロリーを摂取した場合に、低たんぱく療法は可能になりますので、極端なたんぱく制限、カロリー制限を絶対にしないようにしましょう。

 上記の理由より、 アミノ酸スコアが高いものを選ぶ必要があります。

 ※栄養誌に記載されているアミノ酸スコア100とは??成分全てが体内で体を作る成分に変化し、無駄が極力ない、という意味。

例 お米 スコア61の場合

 スコア61の食事では たんぱく質が12gしか取れない計算になる

※20g制限食の患者にな場合、スコア61の食事では 12gしか取れない計算になります。必須タンパクは15g以上なのでこれでは栄養失調になってしまい、「食べているのに、栄養失調」という悪循環に至ってしまいます。

 それを避けるため、 たんぱく質は、可能な限り動物性に頼りましょう。 よくある質問ですが、アミノ酸スコアが極めて低いもの:血中で K、リンが上がってしまい。

腎機能の考え方では、避けたほうが好ましい食材になります。(多量に食べるのは不可)植物性のたんぱく質は非常にアミノ酸スコアが低いので健康の為、また野菜生活中心だと言って、植物性たんぱくを中心にするのは避けたほうがいいと思われます。 例 :  ほうれん:64 とうもろこし34

食生活は、生きる、という観点に含まれていく非常に重要な要素になります。食べる、という感性は、口に含んだ時にしっかり感じるたんぱく質であり、また歯・舌に感じるたんぱく質になります。 普段健康で特に、噛む、食べるを意識していない場合、あまりこのような感覚は意識しませんが、実はこの考えを基礎に食事について考えることが大事になっています。

 つまり、たんぱく制限食を考慮する際に、大切な要素である、「食べる、噛む、味わう」、また「アミノ酸スコアが高いもの」 、 いわゆる動物性たんぱくで食事を考慮しましょう。

 動物性たんぱくは、全体の食事の6割~7割にすることが投薬ではKEYです。日常の食品で、たんぱく質を25-30gに制限する場合、 1500kcalを超える献立は困難。患者にとっては 2000kcal を超えるカロリーが必要になる場合もあります。

 →その場合は低タンパク治療用特殊食品、いわゆる低たんぱくでエネルギー量の高いものを使う

・ 低甘味料ぶどう糖重合体 : 砂糖より低甘み低い甘味料甘さは低いが、エネルギーは砂糖の3-7倍取れる。 製品では 粉飴など。380kcal/100g,

・ MCTオイル 中鎖脂肪酸、 加熱は現金になります。  あくまで補助的に。 9kacal/gスープなどに混ぜる、食事の最後の仕上げに載せると良い。

・ 低たんぱく質食品について : ※パンや麺類を食べる事は注意!→ 1日で5-6gで知らぬ間に摂取してしまうことに。 主食で20gのたんぱく制限している方に、おかずで15g程度のタンパクを使う、というのは

極めて困難な献立になる為、 気軽に 通常のパンや、お米を献立に入れないようにしましょう。 ただし、低たんぱく米、 低たんぱくパンは問題なし、(むしろ必須) 

 → 対策として、でんぷん製品を使ってもいいでしょう。

 でんぷんは 0.3g/100gと非常に低たんぱくで、味もそこまで損なわず良好な食事です。食品名として選ぶもの : でんぷん米、でんぷんめん、 でんぷん小麦粉、など。

 これらは、血糖値が上がりにくい事、腎機能が悪い方にも使いやすく重宝するでしょう。 うまく低たんぱく米など低たんぱく治療用特殊食品を使用し、
高いアミノ酸スコアの献立を考慮し、それぞれにあったタンパク質の1日用量を投薬で打診する、カンファで考慮することがKEYになります。

  

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