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じんましん(蕁麻疹)に効く薬~薬剤師が本音でオススメする市販薬㉕

じんましん(蕁麻疹)とは、皮膚の一部に膨疹(ぼうしん)と呼ばれる少し膨らんだ発疹が現れる病気です。食物やストレスをきっかけに発症するものもありますが、原因を特定できないケースも多いといわれています。
薬局で購入できる市販薬にも、こうした症状に対応する製品があります。今回は「じんましん」へのオススメを薬剤師の皆さんにセレクトして頂きました。

◎今回推薦してくれた薬剤師のみなさん(小豆田くら子/宇野さらら/百里香ひかた/ゆきつばめ ※五十音順)

レスタミンUコーワ錠(興和)

抗ヒスタミン剤ジフェンヒドラミン塩酸塩の他、抗炎症剤のグリチルリチン酸二カリウム、皮膚の働きを正常化するビタミンB2、B6及び、湿疹、皮膚炎に効果のあるビタミン様物質オロチン酸を配合、速やかにアレルギー反応を抑え、じんましん、かゆみなどの症状を鎮めます。対象年齢5歳以上、1日3回まで服用可。包装75錠、120錠、オープン価格。
レスタミンの錠剤は3種類販売されているが、レスタミンコーワ糖衣錠と昨年販売されたレスタミンコーワα錠はジフェンヒドラミンのみ配合なのに対し、レスタミンUコーワ錠には上記に挙げたプラス成分が配合されている事から、今回こちらを紹介した。即効性はあるが、副作用として眠気が出やすいため注意
(ゆきつばめ)

レスタミンには軟膏もあります。

新レスタミンコーワ軟膏(興和)

かゆみを抑える成分のジフェンヒドラミンが1g中に20mg入っていること、商品名は軟膏となっているが、乳化軟膏なのでクリーム状で塗りやすい。医療用でも同じ名前のクリーム剤があるが、ジフェンヒドラミン量が10mgとなっている。
塗り薬、30g、チューブ入り 700~800円(税込み)
(宇野さらら)

ジンマート錠(ロート製薬)

ジンマート錠は有効成分としてメキタジンを含み、かゆみなどの原因となる物質をおさえ、じんましんの症状を軽減します。また、3つのビタミン成分が皮膚の正常な働きを促してくれます。
1週間分(14錠入り)1,760円
塗り薬も販売されていますが、じんましんは一般的には外用薬では効果がないため、内服薬の服用をおすすめします。
眠気がでることがありますので、運転などは控えるようにしてください。
(小豆田くら子)

ツムラ漢方消風散エキス顆粒(ツムラ)

痒みを止めて皮膚の熱を冷まし、余分な水分を取り除く目的で、荊芥や防風など13種類の生薬が配合されています。赤くて痒みが強いじんましんで、お風呂に入って体が温まった時や、気温が上がってくる季節に悪化するものに効きやすいです。
(百里香ひかた)

じんましんが出てお困りの方へのアドバイス

じんましんはアレルギーによるもの、日光など物理的な刺激によるもの、発汗による刺激など、原因が特定できる場合には、原因となる物質を避ける事で症状が軽減できる。
原因が特定できない場合には、バランスのとれた食事、しっかり睡眠をとるなど、疲労やストレスを溜めないよう心掛けると良い。症状が慢性化している場合には医療機関への受診、検査を勧めたい。(ゆきつばめ)

じんましんではストレスや特定の刺激などによって、皮膚に突然赤みやかゆみを伴った膨らみが出現しますが、多くの場合原因ははっきりしません。
温まると血管が拡張し、じんましんの症状が悪化することがあるので、症状が出ている場合はシャワーなどを使用し、可能な範囲で入浴は控えるようにしてください。また、寒冷刺激によるじんましんの場合以外では、患部を冷やすことは痒みの軽減に役立ちます。(小豆田くら子)

じんましんが出ても数時間以内に消えて、皮膚以外に自覚できる症状がなければ、すぐに内蔵の病気を疑う必要はないでしょう。しかし、皮膚症状の他に全身倦怠感や関節痛、発熱などの症状がある場合は内蔵の病気かもしれないので、受診することをお勧めします。(百里香ひかた)

じんましんは一過性のものです。かゆみや紅斑を起こすので慌てて医療機関を受診してしまいたくなります。自分では重症と思い病院へ駈け込んでも医師の対応は「じんましんですね、お薬出しておきますので様子を見てください」で済まされることがほとんどです。
薬局で薬剤師や登録販売者に相談をして、塗り薬や飲み薬を購入して2,3日様子を見れば治ります。
しかし、じんましんが出て、口の中の粘膜が腫れて舌が動かしにくい、息苦しい、または瞼が腫れて目が開かないなどの場合は直ぐに受診をお願いします。(宇野さらら)

監修者コメント

じんましんの市販薬の内服薬としては、成分がジフェンヒドラミン、メキタジン、アゼラスチンがありますね。即効性はジフェンヒドラミンですが、やはり眠気の副作用は服用時間を選びますね。
じんましんは、内服薬と外用薬の併用が効果あると思います。今回は、新レスタミンコーワ軟膏が選ばれていますが、個人的には液体ムヒの清涼感が好きです。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。