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なんだか最近眠れない…睡眠を改善するために~薬剤師が本音でオススメする市販薬⑮

春は、4月に新年度になって学校も職場も環境が変わるシーズンです。五月病という言葉もありますが、ゴールデンウィークを挟んで心身ともに不調を感じることはありませんか?
眠れなくて困る方が増えるのもこの季節です。

不眠に悩む方のための市販薬も最近は増えてきました。
薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー。
今回は「睡眠改善」の薬を取り上げます。

アドバイスしてくれる薬剤師はこちらの方々です。
(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)

漢方ナイトミン(小林製薬)

漢方ナイトミンは、5種類の漢方を含有する酸棗仁湯(サンソウニントウ)を含み、体力が低下して心身が疲労している人の不眠の改善によく用いられる漢方薬です。
主成分の酸棗仁は、気を鎮めるような効果があり、5種類の漢方の働きで、神経の緊張をしずめて、睡眠の質をあげるように働きます。
72錠入りで、1980円(税込)。1回4錠を1日3回服用します。漢方薬ですが飲みやすい錠剤になっています。
(小豆田くら子)

漢方の酸棗仁湯が主成分。
心身ともに疲れ切って寝れない方におすすめ。
漢方は効くのに時間がかかると思われている方も多いかと思いますが、時差ボケに使用したりするほど早く効くと言われています。しかし用法どおり1日3回食前に飲むのが前提。
錠剤だから粉の漢方の味、香りが苦手という方でも飲みやすい。
(日陰ましう)

キューピーコーワヒーリング錠(興和)

コンビニでも買える指定医薬部外品ですが、今年発売の新商品で、今後皆さんの目にも留まる機会が増えると思い挙げてみました。リラックス効果、滋養強壮作用のある3種の生薬、5種のビタミン、アミノ酸などから構成されるビタミン剤。カフェインを配合していないため寝る前にも服用ができ、寝ている間に疲労回復も。コンビニ限定2錠入、15日分30錠入、30日分60錠入、60日分120錠入、オープン価格。
(ゆきつばめ)

ドリエルEX (エスエス製薬)

軟カプセル製剤で吸収が早い 湿気に弱いので包装から取り出したらすぐにのむこと 税込み2420円(6カプセル)
今回はこの商品名を出しているが、ほかの睡眠改善をうたっている製剤も主成分がジフェンヒドラミン50mg(1回量)となっているので、ほかの銘柄でも同様の効果が得られます。高齢者、前立腺肥大がある人、緑内障治療中の方は副作用の発生リスクが高くなるので、薬剤師または医師に相談して下さい。
(宇野さらら)

ユクリズム(ロート製薬)

イライラや不安からくる不眠症状に効果的である加味帰脾湯を配合した商品。加味帰脾湯は、ストレスや不安の緩和に働き、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンの分泌を促進することが報告されている
錠剤タイプの商品であり、漢方薬独特の風味が苦手なひとでも服用しやすい。
(ふらんすぴあの)

眠れなくて困っている方へのアドバイス

不眠は程度は様々ですが、多くの人が抱える悩みです。不眠と一言でいっても、寝つきがわるい、睡眠の途中で何度も起きてしまう、朝早く目が覚めるなどの種類があり、日中に眠気や倦怠感、意欲低下などの問題を引き起こします。
夜眠れないからといって、昼寝を長くしてしまったり、朝起きるのが遅くなると、それによって夜の睡眠の質が低下します。午前中に日の光を浴びると、メラトニンという自然な眠りを促すホルモンが分泌され、質の良い睡眠が得られやすくなります。眠くなってから布団に入る、長すぎる昼寝は控える、睡眠の質を低下させるカフェインやアルコールの摂取を控えるなども有効です。また、加齢に伴い必要な睡眠時間は少なくなりますので、睡眠時間にとらわれすぎないことも大切です
生活習慣を見直しても改善しないようであれば、薬を服用してください。ナイトミンや市販の薬を服用しても改善しないようであれば、無理せず病院を受診してください。
(小豆田くら子)

ストレスを感じる事の多い世の中ですが、おいしい食事を摂る、適度な運動をする、景色を見るなどといった、自分に合った気分転換方法を見つけられたら良いと思います。
(ゆきつばめ)

眠れないと言いながらお昼寝をしていませんか?そのような場合はお昼寝を止めましょう。
(宇野さらら)

入浴も良質な睡眠をとるのに大切な習慣です。就寝する1.5~2時間程度前に入浴することで、布団に入るころには深部体温が低下し、眠りにつきやすくなります。就寝前の入浴は40℃ほどの少しぬるめで。熱いと感じるくらいの温度での入浴は入眠の妨げになるので避けましょう。
(ふらんすぴあの)

寝る前はスマホを見ながらだらだらしない!
あったかいお風呂につかる。
(日陰ましう)

監修者コメント

鼻みずを止める薬(抗ヒスタミン剤)の副作用である眠気を主作用にして開発されたOTC医薬品が「ドリエル」です。当時は画期的な商品だなあと思っていました。
それ以外は漢方成分の薬を選んだ方が多かったです。
生活リズムを整えて、リラックスした気分を持つことが大事だと思います。
カフェインが入った飲物を昼過ぎに飲まない、長い時間のお昼寝をしない、そんなアドバイスも必要ですね。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。