読了_【他者と働く「わかりあえなさ」から始める組織論】

●他者と働く「わかりあえなさ」から始める組織論(宇田川 元一)

組織で起こる問題は、技術やノウハウで一方的に解決できるもの(=技術的問題)はなく、見えない問題、向き合うのが難しい問題、複雑で困難な問題(=適応課題)である。

その適応課題を解くには「対話」を行うこと。
ここで筆者が述べている「対話」は輪になって話をすることではない。
対話とは、自分と相手に溝があることを認識し、その溝に橋を架けること(新しい関係性を構築すること)だと述べている。
4つのプロセス(準備→観察→解釈→介入)を回し、新しい関係性を築き、実践していくことが対話を実践することを意味する。
・準備 自分と相手にそれぞれ「ナラティヴ(解釈の枠組み)」があることを理解し、そこに溝があることをに気づく。
・観察 自分のナラティヴを一旦脇に置き、相手のナラティヴを探る。
・解釈 橋をかけられそうな場所や掛け方を探る。
・介入 実際に行動することで橋を築く。
対話の実践は組織は反脆弱的な組織に変化可能な取り組みである。
ーーー
読み終えて、感じたこと。

自分のナラティヴを一旦脇に置いて相手のナラティヴを理解すること。
ここがなかなか難しい。
どれだけ相手の立場や気持ちを理解しようとしても、自分の枠組みの中で相手を理解しようとしてしまう。
いわゆる正論、合理的だと思える改善案、論理的な説明でも解決しないことは多いけれども、語られていない何か、見えない何かが見えるよう対話の実践を繰り返して解決に取り組むしかない。
家庭でも同様に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?