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Google Apps との出会い 〜働き方改革推進記録 vol.2〜

 こんにちは、株式会社シグナイト COO 兼 Tオケ自称マネージャーの山田です。私自身は2001年創業時から約20年間、ずっとシグナイトという会社を切り盛りしていて、良い面、悪い面含めてさまざまな経験をさせていただきました。良い面と悪い面双方兼ね備えた事例としては、2014年から取り組んだ働き方改革があります。今回はこの場をお借りして、どのように働き方改革を進めてきたかを何回かに分けてご紹介したいと思います。

 前回はペーパーレス、デジタル化の第一歩としてクライアントとの打ち合わせに紙のノートとボールペンではなく、ノートパソコンの持参を開始したお話をしました。今回は第二弾。共同編集のお話をしたいと思います。

ファイル名の管理と資料の確認に時間を費やしていた

 シグナイトでは、元々 Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)を使っていて、議事録、見積もり、プレゼンの資料などはすべて MS Office で作成し、それを NAS(Network Attached Storage の略で、社内のローカル環境で使う共通ハードディスクのようなもの)に保存して社内共有していました。

 MS Office は使い慣れたツールなので社内、クライアントに関わらず誰もが意識せず利用できる不可欠な存在となっていましたが、唯一の欠点はバージョン管理が煩雑になるということでした。よくあるのがファイル名に日付を入れていくパターン。企画書案20210112.ppt とかですね。ただ、これを他の人に共有して修正してもらうと、また新しいバージョンができるんですよね。企画書案20210112(山田確認済み).ppt みたいに。更にこれに手を入れると 企画書案20210112(確認了承済み).ppt →  企画書案20210112_提出用.ppt → 企画書案20210112_提出用(最終).ppt → 企画書案20210112_提出用(最終)(1).ppt とか、名前が進化してファイル数も増えていくので正直どれが最終バージョンなのかわからなくなるんです。

 更に、編集作業も当時はローカルファイルを編集するしか手段がなかったので、上記で述べたファイル名の数と同じくらい、人にお願いして修正や指摘を受けてから調整し直す必要がありました。例えば、メールで確認依頼をして、数時間後か翌日に返答が返ってきて、そこから修正してまたメールで確認依頼を送って。。。という今では考えられないくらい時間を消費していました。資料をまとめるための時間と最終バージョンのファイルを探す時間を以前はかなり使っていたと思います。

 そんな時間も仕事時間の一環として特に問題視していませんでしたが、とある方から「Google Apps(旧 G Suite、現 Google Workspace の当時の呼び名)使ってますか?ブラウザベースでアプリのインストールも必要ないですし、共同編集できるので便利ですよ」とアドバイスしてもらい、初めてブラウザベースのツールを知ることになったのです。

 とはいえ、心底使い慣れた MS Office から直ぐに切り替えるはずもなく、しばらくは存在を知っているレベルの話に留めてしまっていました。

Google Apps を使ってみる

 そんな折、とある打ち合わせの内容を帰りの喫茶店でまとめようと同僚と二人でノートパソコンを広げて話をしていたのですが、同時に資料も作ってしまおうということになり、それなら Google Apps を使ってみようとなりました。Google Apps にはスライドという PowerPoint と同じプレゼンテーションツールがあるので、それを使ってみました。当時は Office365(現Microsoft365)もまだ知られていない時代でしたので、ブラウザでアプリを使うという意味がよくわかりませんでしたが、実際に使ってみると PowerPoint とあまり違和感なく使えそうだったので安心しました。

 そして、PowerPoint と圧倒的に違うところは、オンラインで使うためリアルタイムで共同編集ができるという点です。例えば、今Aさんが見ているページがわかったり、Aさんが編集している箇所は「Aさんが編集中」という内容がページの中に表示されます。

共同編集イメージ

上の画像でいうと、ブルーの枠内が自分が編集している箇所、グリーンの枠内がAさんが編集している箇所になります。

 この共同編集ができることで、まずモニターを介してのやり取りが不要となります。従来であれば、会議室のモニターに PowerPoint を写しながら、ああだこうだと議論をして、一人の人が PowerPoint に書き込んでいく必要がありました。共同編集の場合は、全員が自分のパソコンに写っている内容を見ながら議論をすることもできますし、直接編集することもできます。これって当然オンラインでもできるので会議室に集まる必要もないですし、ビデオ会議越し、ひいては映像のない電話会議越しでも問題なく共同での編集が可能です。

 この共同編集を初めて体験したとき、いままでいかに余計な時間を使ってきたかに気付かされました。まず、ファイルはすべてバージョン管理がなされているので、いつ、誰が、どこを編集したかを後から確認することができますし、過去のバージョンに戻すこともできます。つまり、先述したファイル名を分けたバージョン管理が不要になるのです。

 そして、ファイルをメールに添付して確認をお願いすることも不要です。共有ボタンを押して確認をお願いしたい相手のメールアドレスを設定するだけで、相手に通知が届き、確認・編集をしてもらうことができます。相手のメールアドレスの指定(Gmail等のGoogleアカウントが必要)だけで閲覧や編集の権限を付与できるため、セキュリティ的にも大きな効果を発揮します。従来では、メールに添付するファイルを圧縮してパスワードを掛け、別のメールでパスワードを通知するなど手間がかかり、加えて関係ない相手にメールを送ってしまうなどのリスクにも晒されていましたが、Google Apps を使うことでその手間やリスクも減らしてくれました。

まとめ

【改善前】
1. 複数のファイルが散らばっていて、どれが最終ファイルなのか探す必要があった。
2. 資料をメールで確認してもらうためにファイルにパスワードをかける必要があった。
3. パスワードを通知するために、別のメールで送る必要があった。
4. 資料の確認に時間がかかっていた。

【改善後】
1. ファイルは複数バージョンを持つ必要がなくなった。
2. ファイルの共有は権限の設定だけで済むようになった。
3. 資料のメール添付の必要がなくなった。
4. 資料は同時に確認と編集が行えるようになった。

Photo by
Lukas Blazek on Unsplash

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