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地方創生に活かす教育の大切さ

 フィンランドに代表されるヨーロッパや諸外国の多くは仕事や社会的地位を得るための教育ではなく、人としてのあり方や幸せを尊重する教育だと聞きます。現在日本を始めとしたフィンランドのような価値を教育に取り入れていない国々も、時代とともに価値が変わり教育方針もフィンランドやヨーロッパに似たものに変わっていくと思います。

 しかしながらその価値観というものが時として「自分だけが幸福であれば良い」というような身勝手な考えに転じることがあり、そうならないための他人への思いやりであったり、気づきであったり、人を傷つけないための配慮というものは、基礎教育の過程の中で学んでいくものだと思っています。

 私は東京の人混みの中で教育を受けるよりも、のんびりとした田舎の町で教育を受けたほうが思いやりを持ったり、人の痛みが分かる人間に育ちやすいのかな?とふと考えたりします。子どもの頃、よく父親に連れられてたびたびキャンプをしに行ったのですが、都会にはない不便さから創意工夫というものを学び、小さな怪我をすることで危険な場所に入るとどうなるかという想像力が働くようになりました。苦労や痛みを感じることで何をすると人が苦痛を感じるのかを学んできた気がします。

 以前こちらで東京と地方のギャップの話をしましたが、教育という面で見てみるとそこにもギャップがあり、地方で育ち地元の教育を受けるというのは、先々東京に出ていったとしても、良い意味で感受性が高く、人の気持ちを汲み取れる人間になるのではないかと思います。

 日本政府は地方創生を達成するために、とにかくICT導入を喫緊の課題と捉えているようですが、地方の企業の多くがICT導入を必要としていないというのも事実です。「ICT導入をすると何が変わるのか?」という導入ありきで考えても価値は感じてもらえず、「現状の課題を克服するために何が必要なのか?」という問いからでないとICT活用の必要性は感じてもらえません。

 教育も同様で、自分の子どもにどういった教育をしたいかという目的から考えると東京では無理でも、地方では人としてのあり方や幸せを尊重するという教育が成り立つような気がしています。進学・キャリアのための教育東京で、人間の心を育む教育地方でといった棲み分けができると、地方創生の礎になるのではないかと真剣に思っています。

Photo by Taylor Wilcox on Unsplash

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