某マッサージゲームで思うこと

 ニンテンドーswitchから「マッサージフリークス」というゲームが発表されて話題となった。
 プレイヤーはマッサージ師になって、ヒロインのお客さんのコリをほぐしてあげるセクシーリズムゲームらしい。
 ファミ通から情報がツイートされるや否や、女性から苦情の引用RTで広がった。
 AVやグラビアアイドルのイメージビデオでもマッサージは昔からよくあるけどTwitterで炎上は見かけない。
 あれは誰が悪かったのか。何が悪かったのか。メーカーなのか、通したCEROなのか。
 総合的にファミ通さんが選んだサンプル画像が一番まずかったとおもう。
ただしファミ通Twitterアカウントを諸悪の根源と言いたいわけではないので、順を追って考察。
 
「マッサージフリークス」というちょっとエッチなリズムゲーがリリース

リズムに合わせてかわいい女の子をモミモミするという内容で、絵も美少女ゲー風

パンツや横乳が見えるので年齢指定はR-17(ここでゾーニングはされている)

ファミ通さんがいろんな人が利用しているTwitterで「みてみてー見てこれー」とばかりにゲームを紹介する

バズって購買層以外や苦手な人の目に入る

CEROの審査や公式側の線引きが無駄になる

発売延期(今ここ)
 
Twitterで紹介されたときに、ちゃんと「CERO-D」かどうか調べずに感情優先で叩いた人にも非はあると思う。
 
 私個人はゲームにあまり良い印象を受けなかった。施術服も着ないでスカートのままマッサージ受けてる女の子がパンモロしてるCGはあまり見たくなかった。金とられるわ異性にパンツ見られるわ客にいいことがない。
 ゲーム内の「なんだかとってもりらっくすモード」と呼ばれるシステムが「NTRモード」と略すらしい。購買層に“公式が病気”と笑ってほしくて付けられた感じがある。
 主観で嫌悪はあるが、棲み分けがきちっとされていたら問題なかったのではないかと思う。
 世の中にはクリムゾン先生の薄い本原作の痴漢アニメもあるし、ソッチのケがあるセラピストが巨乳美女をマッサージついで猥褻行為に及ぶような「実際にやったら犯罪になるアダルト作品」はたくさんある。(多分だけど)そういった作品は、本編入る前に犯罪になるから真似しないでくださいといった趣旨のメッセージが出ると思う。
 いわゆるフェミの方もDMM動画のページ等に行って、そういう作品を一つ一つ通報しに行っているわけではないだろう。年齢指定ありなら自己責任で見るものだから。
 マサフリくんが物議かもしたのはもう一点。登場キャラクターが実在のアイドルグループメンバーからとった名前で、主人公の名字が「指原」。読みはユビハラでもこれはあかんやつや。デフォルト名がアウト。
 ついでに言うとヒロインの中に「アイドルマスターシンデレラガールズ」の神崎蘭子ちゃんに似たキャラがいる。
 中二病ゴスロリではなさそうなのでデレマスのパクりというのは言いがかりだけど、下の名前が日●坂メンバーで見た目蘭子ちゃん似はさすがにヤバいんじゃないか。
 成人漫画にも「シャイニング娘。」というタイトルから既にやばい漫画あるけど、それは規制の緩かった平成中期のマニアックな出版社から出た作品だから許された。令和の任天堂だと話が違ってくる。
 
 冒頭の論点にもどる。
 何が悪かったといえば、17禁の見てわかるお紳士向けゲームを大手情報雑誌のアカウントが紹介したことで、性的なトラウマを抱えた人も使用しているTwitterに拡散されたことが悪かった。
 せめてファミ通さんかゲームメーカーさんが、載せるサンプルCGをヒロインとの会話や露骨にエロくないスチルを選んだら火の手はそこまで上がらなかった気がする。
 ちなみに去年リメイクされた「月姫」も17禁のswitchソフトだけど、原作が残酷描写多く含む伝奇ものエロゲーですと言わなきゃわからないほどサンプルCGがエロくもグロくもない。ティザーサイトは18歳未満入室禁止にもかかわらず、ギャラリーも直接的表現を避けた徹底ぶり。エロではなく出血欠損切断の猟奇表現でZ指定してあるとはいえガードが堅い。
 
 マッサージフリークス開発元のqureateさんは「悪質とみなされるSNSへの投稿、拡散等に法的処置をとる」と声明を出した。
 私はちょっと疑問に思った。拡散に法的処置?営業妨害がどこからどこまでなのか。
 上記の案件を、仮に男性向けと女性向けをひっくり返して例えてみる。
 小中学校のお昼の放送で濃厚なボーイズラブドラマCDが流されたとする。有名男性声優の口説き文句や迫真の喘ぎ声が教室にも響き、皆の食欲が失せる。拒否反応起こした生徒からその珍事が親に届き、保護者側の厳しい人がBLCDの会社に苦情の問い合わせを送る。会社側はレーティングを変えるなど対応し、原作者の利益に影響が出る。
 もしそんなことが実際にあったら、責めるべきは腐ったご趣味の放送委員じゃないだろうか。
 過剰な拒否反応起こしたクラスメイトやその親御さんに、原作者サイドが法的処置を行うのは何か違う気がする。
 とにもかくにも。エロ表現チキンレースしたギリギリのお色気作品を任天堂ハードで出すのは、義務教育途中の女の子がBLCDを購入するくらいリスクが高い。出すなっていうんじゃなくて気を付けてと。
 チキンレースも失敗すれば崖に落ちるか障害物にぶち当たるのだから、ブレーキ遅れて障害物にぶつかった人が逆ギレするのはいささか理不尽だと思う。
 近年のフィクションでジェンダークレームが出る案件が増えているけど、何か一つ間違えなければ矢面に立たされなかったのではないか。
 

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