改めて、第7期指す将順位戦の目標などを書く。

ちょっと気持ちが変わった

　4月末に記事を投稿して以来、ちょうど1か月ぶりのnoteである。前回の記事ではリベンジをテーマとして、「自分とB級2組というクラスの関係性」「指す順4年目に至るまでの流れ」をふまえて意気込みを書き上げた。そこにはリアルでの話も絡んでいて、当時は公にしていなかったがこれは結婚前夜とでもいうべきタイミングの記事であった。

　当時はきちんと入籍するまでは周囲に伝えたくないと思っていたこともあり、結婚についてはごく一部の方に知らせる程度であった。そういう事情もあって今見返すととても匂わせチックな文章になっている。本文中に結婚報告を入れ込む、なんてことも考えたが流石に指す将順位戦をダシにしている感が強くなりそうで断念した。

　新生活にあわあわしているうちに日付は5月30日まで進んだ。リーグ表も明らかになり、棋戦自体はすでに開幕している。私も1回戦を控えて準備を進めているのだが、そのうちに少し心持ちが変わった。前回の記事が覆るほどの変化ではないが、ふと思い立ち筆を執った。

目標

　さて、今期の目標は「①8勝3敗」「②残留」「③完走」である。昇級は当然目指すし、指す上では捨て試合などは考えずに真摯に勝負に向き合うのだが、あくまで目標はこの3つとした。

①８勝３敗

　例年の昇級戦線を振り返ると、8勝と7勝の間に1つの大きな壁があるように思う。これは自身の経験によって生み出されたイメージかもしれない。この目標設定には2つの意図がある。1つは「昇級を目指したときに必要な（と思われる）ラインをきちんと目指すこと」で、もう1つは「3敗までをセーフラインと決めること」だ。後者の方が重要である。
　先日ポラリスさんとお話をする機会があり、そのなかで3敗というライン引きが少し話題になった。その時のことを思い出すなどしているうちに、「3敗まではセーフ！」というメンタリティが大事だなという結論に至ったわけだ。とにかく昇級を目指すプレッシャーから自分を解放したい。なので今期は、まず3つ負けるまでは1局1局楽しんで勝つことを意識して臨みたい。

②残留

　4敗目を喫したら残留へと舵を切り替える。「気持ち」「心持ち」「メンタリティ」などと言葉をとっかえひっかえしているが、つまるところそういう部分の話だ。
　去年はとにかく昇級に懸けていた。ゆえに１敗の重みがとんでもなかった。今に至って「B2で結果を残すべし」という強い強いShouldな気持ちが私の心に残っているのは、先日の記事を読んで頂ければ明らかだ。でも今の自分は「そういうことをするために指す順に出てるんじゃないんだよな～～」とも思っている。勝てなかったときの楽しみ方を用意しておく、というのも指す順を楽しむコツかもしれない。だからあっさり残留に目標を切り替えることを意識したい。まあ、7勝4敗だと直接昇級も入替戦も可能性はありそうなので、欲が出たらもちろん目指すだろう。大事なのは、残留でいいと自分に予防線を張ることだ。

③完走

　繰り返すが予防線を張ることはとても大事だ。なのでこれを一番大切な目標として置いておこう。心から物事を楽しむ方法は2つあり、1つは背水の陣を敷くことであり、もう1つは逃げ道を確保することである。前期は前者を、今期は後者を採るということだ。積極的なことを挙げるなら、自戦記は今期も全局完走を目指したい。読むのを楽しみにしてくれている（ひいては対局自体も楽しみにしてくれている）人がいるのでここはひとつ頑張る所存だ。

目標と目的を切り分ける

　「何のために指す順に出ているんだろう？」という問いも自分の中にあった。みんなとわいわいしたいから。強くなりたいから。昇級してちやほやされたいから。自戦記を書きたいから。読んで欲しいから。すらすらと列挙できた。よくよく考えるとこれらはみな「目的」だ。そりゃそうじゃ、と心のオーキド博士が返事をする。「何のため」と問いを立てれば目的が回答になるのは当然のことである。だが、目的──指す順に出ることで何を成したいのか──と、目標――指す順において何を成すことを目指すのか──は似て非なるものだ。ここの折り合いを付けたくてこの記事を書いている。

　これまでは目的と目標が混ざり合っていた。特にこの2年はB2復帰への想いが強く、「昇級」「上達」が目的・目標として一体化していた。今再び指す順の舞台に立って、もう少し肩の力を抜きたいなと思った。あえて苦しむ時間を楽しみたくないな、とも思った。そのためにはこれまで抱えてきた色々なものを手放す必要がありそうだ。勝利への執着だとか、地位や名誉を求める気持ちだとか、他人からの見られ方を気にする態度とか。そういうのを捨てれば上手く昇級できるかも、という下心が若干含まれているのも認めておく。

　今期は1局1局の勝負を楽しむために出場しよう。好きなように準備して、本気で戦って、そこで得たわくわくを自戦記という形でアウトプットする半年間にしていきたい。そのなかで8勝3敗という成果を目指し、残留という結果を目指し、完走という結末を目指そう。昇級もしたいし、絶対に勝ちたい人もたくさんいるけれど、それはちょっとしんどいので今回は一旦置いておきたい。そういうのはチャンスが来たときに手に取ればよい。そんな雨の夜の雑感だ。