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NEWS「北朝鮮情勢」

l  ミサイル乱発

北朝鮮は今年に入ってから記録的なペースでミサイルを発射している。今年は現段階において約60発を発射している。この数字は2020年の8発、2021年の6発から鑑みて驚異的な記録である。特に今年は下半期に入ってから米韓合同軍事演習に反発する形でミサイルを乱発している。この点に関しては、以前に書いた「緊迫する極東情勢」でも言及しているのでよければ一読していただきたい。
 北朝鮮は慢性的に経済難でありこれほど多くのミサイルを発射できる資金がどこにあるのかは疑問であるが、ミサイルの輸出やハッキング等で資金を稼いでいると言われそこで稼いだお金の多くをミサイルや核実験に代表される軍事関連に注入していると考えられる。

l  政治的な意味合い

北朝鮮がミサイルや軍事演習を行うには多くの場合、政治的な意味合いが伴っていることが多い。例えば、金正日総書記時代にはアメリカの独立記念日等にミサイルの発射実験を行なっていた。今回も米韓合同軍事演習に合わせてミサイルの発射を繰り返している。また、今年はアメリカで中間選挙が行われる年であるため、トランプ前大統領と金正恩総書記がベトナムで会談して以来、進展のない米朝協議を動かしたい狙いが可能性として挙げられる。
一方で、政治的な意味より純粋な実験であるとの見方もある。今年の発射数を鑑みると決して政治的な意味ばかり持っている訳ではないことが窺える。トライアンドエラーを繰り返して多弾頭を搭載可能で目標に対して正確なミサイルを開発しようとしているのではないかと考えられる。いずれにせよ、今回の発射実験で北朝鮮がかなりの精度を持ったミサイル技術を有していることは証明された。

l  明かされる子供たち

金正恩総書記の子供と見られる人物が写った映像が公開された。韓国情報院は金正恩総書記には3人の子供がいると推定しているが、確かではない。そのため労働新聞が「愛するお子様」と形容していることから氏の娘である事実以外に何番目の子供かや名前、年齢などは分からない。しかしながら、トップシークレットとも言える自身の子供達を公に晒したことはそれなりの意味があると言える。
 ただ、今回はさながら父親の職場見学と言ったところだろう。自分の職場に娘と夫人を引き連れて見学させる意味は単純にミサイル開発に対する自信と余裕を対外的に見せる為だろう。そして自分の子供に祖国の偉大さを実感してもらうと言ったとこではないだろうか。この子が直ちに金正恩総書記の後継者出ると断じるのは早計である。


 


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