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「魚住くんシリーズ」新装版と旧版の違いは?オススメの読む順番【榎田尤利/榎田ユウリ】

この記事では、榎田尤利先生によるBL小説「魚住くんシリーズ」について紹介しています。

「魚住くんシリーズ」は、ぶっきらぼうだけど優しいサラリーマンと不幸体質の大学院生との恋を描いた青春BLで、彼らを取り巻く登場人物たちの青春群像劇としても完成度の高い作品です。

榎田先生のデビュー作としても知られていて、2023年10月までに2回新装版が出ています。

今回は、3つの出版社から出ているそれぞれの「魚住くんシリーズ」の違いとオススメの順番を紹介していきます。


光風社出版 クリスタル文庫「魚住くんシリーズ」 全5巻 

イラスト:茶屋町勝呂

  1. 『夏の塩―魚住くんシリーズ〈1〉』 2000年7月刊行

  2. 『プラスチックとふたつのキス―魚住くんシリーズ〈2〉』 2000年11月刊行

  3. 『メッセージ―魚住くんシリーズ〈3〉』 2001年3月刊行

  4. 『過敏症―魚住くんシリーズ〈4〉 』 2001年6月刊行

  5. 『リムレスの空―魚住くんシリーズ〈5〉』 2002年5月刊行

光風社出版クリスタル文庫の「魚住くんシリーズ」は、茶屋町勝呂先生の挿絵がたっぷり入っていることが魅力です。

また、『リムレスの空』最終話のラスト1行が新装版ではカットされているので、大洋図書版、角川文庫版とは物語の終わり方が少し違っています。

この最後の1行は、物語を締める最後の1行としてレイアウトにまでこだわったと『I'm home~魚住くんシリーズ・メモリアル~』で榎田先生が語っているので、気になる方はぜひ光風社出版クリスタル文庫版の『リムレスの空』をチェックしてみてください。

光風社出版クリスタル文庫版は2023年10月現在は絶版になっていて、電子化もされていないため、手に入るのは古本のみです。

1.『夏の塩―魚住くんシリーズ〈1〉』 2000年7月刊行

収録話
「夏の塩」「この豊かな日本で」「ラフィンフィッシュ」「制御されない電流」「鈍い男」

2.『プラスチックとふたつのキス―魚住くんシリーズ〈2〉』 2000年11月刊行

収録話
「プラスチックとふたつのキス」「彼女のWine,彼のBeer」「月下のレヴェランス」

3.『メッセージ―魚住くんシリーズ〈3〉』 2001年3月刊行

収録話
「メッセージ」「あの青の中にいた」

4.『過敏症―魚住くんシリーズ〈4〉 』 2001年6月刊行

収録話
「過敏症」「マスカラの距離」「スネイル・ラヴ」

5.『リムレスの空―魚住くんシリーズ〈5〉』 2002年5月刊行

収録話
「リムレスの空」「アイ ワナビー ア フィッシュ」「夏の子供」

大洋図書 SHY NOVELS 「魚住くんシリーズ」 全2巻

イラスト:茶屋町勝呂

  1. 『夏の塩』 2009年8月刊行

  2. 『夏の子供』 2009年8月刊行

光風社出版クリスタル文庫版の「魚住くんシリーズ」を全2巻の単行本として再出版したのが大洋図書SHY NOVELS版です。

ハードカバーで、真っ白な装丁に茶屋町勝呂先生のイラスト付きの帯が素敵なので、紙で手に入れる際は帯付きのものを探すのがオススメ。

「ハッピー バースデイ Ⅰ」「ハッピー バースデイ Ⅱ」のふたつの書き下ろし短編が追加で収録されています。

ただ、本文が1ページ2段組になっているからか、挿絵はカットされています。

話と話の間にいくつかイラストが入っているものの、光風社出版クリスタル文庫版と比べると少ない印象。

2023年10月現在、紙版はほとんど流通していませんが、電子化されており、電子版は購入可能です。

1.『夏の塩』 2009年8月刊行

収録話
「夏の塩」「この豊かな日本で」「ラフィン フィッシュ」「制御されない電流」「鈍い男」「プラスチックとふたつのキス」「ハッピー バースデイ Ⅰ」「彼女のWine,彼のBeer」「月下のレヴェランス」「メッセージ」

2.『夏の子供』 2009年8月刊行

収録話
「あの青の中にいた」「過敏症」「マスカラの距離」「スネイル ラヴ」「リムレスの空」「アイ ワナビー ア フィッシュ」「夏の子供」「ハッピー バースデイ Ⅱ」

KADOKAWA 角川文庫 「魚住くんシリーズ」 全5巻

イラスト:岩本ナオ

  1. 『夏の塩 魚住くんシリーズI』 2014年7月刊行

  2. 『プラスチックとふたつのキス 魚住くんシリーズII』 2014年9月刊行

  3. 『メッセージ 魚住くんシリーズIII』 2014年12月刊行

  4. 『過敏症 魚住くんシリーズIV』 2015年3月刊行

  5. 『夏の子供 魚住くんシリーズV』 2015年6月刊行

角川文庫版では、BLレーベルから一般レーベルに移ったことで、作者の名義が榎田尤利から榎田ユウリに変わっています。

本編の内容は、大洋図書版に収録されていたものを全5巻の文庫として再編集した形。

ただ、一般レーベルでの刊行ということでラブシーンの表現に一部改稿が入っています。

ラブシーンについては元々あっさりめだったこともあり、BLレーベルから出ている「魚住くんシリーズ」と比べても大きく印象が変わるほどではないと思います。

強いて言うなら、光風社出版クリスタル文庫版と大洋図書版の方が表現が直接的で生々しいくらいでしょうか。

また、イラストを担当しているのが茶屋町勝呂先生から岩本ナオ先生に変更になっています。

イラストは表紙のみで挿絵はありません。

角川文庫版は紙版、電子版、共に2023年10月現在も流通しています。

1.『夏の塩 魚住くんシリーズI』 2014年7月刊行

収録話
「夏の塩」「この豊かな日本で」「ラフィン フィッシュ」「制御されない電流」「鈍い男」

2.『プラスチックとふたつのキス 魚住くんシリーズII』 2014年9月刊行

収録話
「プラスチックとふたつのキス」「ハッピー バースデイ Ⅰ」「彼女のWine,彼のBeer」「月下のレヴェランス」

3.『メッセージ 魚住くんシリーズIII』 2014年12月刊行

収録話
「メッセージ」「あの青の中にいた」

4.『過敏症 魚住くんシリーズIV』 2015年3月刊行

収録話
「過敏症」「マスカラの距離」「スネイル ラヴ」

5.『夏の子供 魚住くんシリーズV』 2015年6月刊行

収録話
「リムレスの空」「アイ ワナビー ア フィッシュ」「夏の子供」「ハッピー バースデイ Ⅱ」

『I'm home~魚住くんシリーズ・メモリアル~』 2003年1月刊行

「魚住くんシリーズ」を読破した後は、公式ファンブックもオススメです。

キャラクターを深掘りする企画や、榎田尤利先生への質問コーナーなどが収録されていて、茶屋町勝呂先生のイラストもふんだんに盛り込まれています。

2023年10月現在は絶版になっていて、電子化もされていないため、手に入るのは古本のみです。

『I'm home~魚住くんシリーズ・メモリアル~』についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ

「魚住くんシリーズ」は、何度も新装版が出ている榎田先生の人気シリーズです。

メインのカップルの恋愛模様以外にも、男女の友情や家族の関係性など、人と人とのつながりを色濃く描いている青春群像劇なので、BL初心者さんにもオススメ。

光風社出版クリスタル文庫版、大洋図書版、角川文庫版それぞれに違った良さがあるので、自分に合った形態で手に入れてみてください。


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