10年後の帰り道

今日で赴任先の土地から地元に帰ってきてからちょうど10年になる。

正確には引越しの荷物を搬出して実家に帰ってきた日から10年、というのが今日である。

引越し前後の話は過去の拙稿を読んでいただくとして雑感でも。

実は今日の出社日の帰り道は、10年前の実家への移動コースの、新幹線を降りてからの経路と全く同じ経路なのである。

これは赴任地からの帰宅コースの途中の、乗り換え駅が転職先の最寄駅だったという偶然の産物だが、全く同じコースを10年越しで回るのも不思議なものだ。

「歴史は繰り返す」とは人は言うが、この10年間を振り返れば、スタートラインへの逆戻りの繰り返しに思える。

10年前と全く同じ感覚しかない。

10年前は「何だろう、この何もかもが逆戻りした感じ」って思っていたわけで、結構な虚脱感を覚えていたのと同時に、急激な環境の代わり具合が私立中学校への進学直後のような感覚を思い出さざるを得なかったのである。

今回は、2年前の呼び戻されて以降の2年分の不自由さと新たな気付きがあるとは言え、見た目の風景がそんなに変わったわけでもないし、そもそも10年間があっという間に感じられるほど、変わり映えのしない風景が広がっている。

10年前の夕食風景

今でこそ週1出社だが、その出社と帰りの光景が10年前とあまり変わらない。

変わったように思えるのはJR横浜線と小田急線の電車が新しくなったことくらいだろう。

確かに時間は進んでいる、とは言うけれども。