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大家族〜それからと、これから〜

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舞台【大家族】のその後を描いた短編集になります。大家族を観た方は、良ければご覧ください。
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『幸せは上からやってくる』

『幸せは上からやってくる』

町には川が流れていた。川をまたぐように橋が架かっている。通勤や買い物で人々が行き交うその橋の名前は『花札橋』。橋の中頃、大量の買い物袋を両手に持った女性がいた。黒の服を身に纏い、綺麗な赤の色彩が目立つ髪飾りをつけている。ふと髪飾りの女性は橋の下の河川敷に目をやる。川のすぐそばに見知った顔を見つけた。その女性は白の日傘をさし、なにをするでもなくただ川を見つめている。橋の上から、日傘の女性に声をかける

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菖蒲と橋斗の『新しい家族』

菖蒲と橋斗の『新しい家族』

公園のベンチに座っている男女。互いの左手には婚姻の誓いである指輪がはめられている。男性は黒油家の次男で末っ子である黒油橋斗(こくゆはしと)。女性は白水家の三女で末っ子である白水菖蒲(しらみずあやめ)だ。菖蒲は大きく膨らんだお腹をさすりながら。

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柳と燕の『秘密基地』

柳と燕の『秘密基地』

山の中。男が2人草木をかき分けながら歩いている。鎖で繋がれた立ち入り禁止の表札を潜り、途中に重機が何台かある場所をぬけ、緑が一層生茂るところを進むと、開けた場所にたどり着く。そこには巨大な樹木がそびえ立っていた。見上げるほど高く、幹の太さは30mはあるだろう。隆々と立つその樹木は、どこか神々しささえある。周りの木々も敬うように、その木を中心として少し離れたところに育つ。自然の中でできた神聖な場所

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紅葉と鹿葉の『交換日記』

紅葉と鹿葉の『交換日記』

時刻は夕方。場所は黒油家と白水家、道を挟んで向かい合った家の前。黒油家長女、黒油鹿葉(こくゆろくは)と、同じく白水家の長女、白水紅葉(しらみずもみじ)がいる。どこかに行った帰りなのだろうか、手にはいくつかの買物袋を持っていた。

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藤と不如帰の『想い出の写真』

藤と不如帰の『想い出の写真』

黒油家。茶の間でテレビを見ながらストレッチをしている女性。ちゃぶ台には化粧品が乱雑に置かれている。女性はひとしきり運動をし終わると、壁にかけられたカレンダーに目をやる。8月10日に赤いハートが描かれている。

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牡丹と蝶の『美味しいご飯を食べよう』

牡丹と蝶の『美味しいご飯を食べよう』

公園のベンチに女性が座っている。白い上着に白のスカート。頭には小ぶりな赤い帽子をつけている。この辺りでは有名な白水家の次女、白水牡丹(しらみずぼたん)だ。時々辺りを見回している。誰かと待ち合わせをしているようだ。

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