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映画レビュー

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昨年は年間40本の映画を鑑賞しました。 今年はもっとたくさんの映画を観てみよう。 レビューなど長文が苦手ですが、鑑賞直後の感動をもとに書いてみます。
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記事一覧

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

アポロ11号の月面着陸はフェイクだった。 そんな陰謀論的なテーマを見事に脚本化したスペースロマンス映画です。 気になったポイント まず目を引いたのは、主人公のコール(チャニング・テイタム)の衣装です。スター・トレックを彷彿とさせるピチッとした黄色いニットを着ており、他の職員が普通のスーツやシャツ姿である中で一際目立っていました。 予告と実際の内容の違い 映画予告からは、もっと積極的にフェイク動画を制作するプロセスに焦点が当てられると思っていました。しかし、実際にはその

あのコはだぁれ?

清水崇監督の最新作「あのコはだぁれ?」は、Jホラーの巨匠が手掛ける学園ホラーです。前作「ミンナのウタ」から繋がる作品で、呪いと希望が交錯します。 「ミンナのウタ」と同じく、「高谷さな」の希望が呪いとなって襲いかかります。ただし、今作では呪いであるはずの「高谷さな」が学生として存在し、他の学生たちと交流している点が新しい要素です。これは従来のホラー作品とは逆のアプローチで、視聴者の恐怖を増幅させています。 特に印象的なシーンとして、瞳とさながピアノ連弾する場面があります。後

キングダム 大将軍の帰還

キングダム最終章。ついに完結! 原作キングダムはまだまだここから信が大将軍になるべく続くのですが、劇場版はここで一旦完結ということらしいです。 今回の見どころは、前評判で話題になった李牧役の小栗旬さんと龐煖役の吉川晃司さんの二人です。 吉川晃司さんは、他の映画でも素晴らしい演技とタフな役作りから安定して“本物感”を感じる演出を見せており、今回もとても素晴らしかったです。 一方、小栗旬さんの演技は、軍師の役柄なのでどうしてもアクションシーンが少なく、台詞回しで役を演じること

フェラーリ

F1の帝王の物語「フェラーリ」映画「フェラーリ」は、F1の帝王と称されたエンツォ・フェラーリが創業したフェラーリ社と、ライバルであるマセラティとの熾烈なレースバトルを描いた作品です。特に注目すべきは、1,000マイルに及ぶ伝説的なロードレース「ミッレミリア」での戦いです。 エンツォと妻ラウラの間に生まれた息子ディーノは、24歳の若さで病に倒れます。本作はその翌年から物語が始まり、フェラーリ家の人間模様とレースの裏側をリアルに描写しています。 本作の見どころは二つあります。

ルックバック

映画「ルックバック」を特別価格1700円で観てきました(ファーストデー1300円、auマンデー1100円は適用外)。 原作漫画はもっと前のものだと思っていましたが、実際には3年前の作品です。映画のストーリーは原作を忠実に再現しており、演出も非常に正統派です。 この作品の素晴らしさは、藤本タツキさんの原作漫画に音楽と声が加わり、それが動いているという点に尽きます。3Dアニメーションでありながら、まるで漫画のページをそのまま見ているかのような表現も見事なので、ぜひ注目してほし

(字)クワイエット・プレイス:DAY1

『クワイエット・プレイス』シリーズのスピンオフ作品を観賞しました。今回の映画にはパンフレットがなく、事前情報なしで鑑賞しました 私は『クワイエット・プレイス』シリーズをこれまで観たことがなく、ただ「音を出すと殺される」という設定だけは知っていました。 本作はそのシリーズの前日譚として、突如現れたモンスターにパニックに陥る民衆の様子を描いています。絶望しながらも声を上げることなく街を駆け抜ける人々。そして、モンスターが音に反応することが分かり、音を出さないようにサバイバルが

明日を綴る写真館

感動的な親子の物語が写真を通して描かれる傑作 この映画は写真をテーマに、鮫島親子、五十嵐親子、そして杉田親娘の3組の親子関係を描いた感動作です。それぞれの親子には異なる物語があり、最終的にはどの親子も温かい愛に包まれた世界が映し出されています。 五十嵐太一(佐野晶哉)が写真に惹かれるきっかけとなったのは、どこで見たかも忘れていた風景写真。その写真が母、冴絵(黒木瞳)の家で見つかり、実は父、彰(高橋克典)が写真家を目指していた頃に佳作を受賞したものだと判明します。太一はずっ

ザ・ウォッチャーズ

覗き見リアリティホラーと称される本作は、鏡(マジックミラー)の外から“ウォッチャー”と呼ばれるクリーチャーが現れ、ルールを破ると殺されるという独特の世界観を持っています。 主人公たちは一旦は森を抜け出し、大学の研究室に辿り着くことに成功しますが、そこで得た情報を持ってキアナの家に戻ると、再び“ウォッチャー”たちの襲撃に遭います。この場面転換と恐怖の再来は巧妙に狙われているものの、展開がありきたりで、不完全燃焼に感じました。 特に、“鳥かご”の地下室についてはもっと掘り下げ

告白 コンフェッション

原作、福本伸行。漫画、かわぐちかいじ。 強力なタッグで作成された漫画原作。 それを生田斗真とヤン・イクチュンの二人が猛吹雪の山小屋でサバイバルバトルを繰り広げる。 本作レビューは、何を書いてもネタバレになりそうですが、上映時間1時間12分とかなり短めで、内容も山小屋での一晩を描いたものなので、勢いで一気にやっちゃってる感じが気持ちよく面白い作品です。 怪我してるのに、2階から飛びかかったり、頭から落ちて、頚椎曲がってんのを脱臼を嵌め込むように治して再び襲いかかってくるとか

ディア・ファミリー

映画「ディア・ファミリー」は、心臓を患い余命10年と宣告された娘のために、人工心臓の完成を目指す父親の23年間を追った感動的なドキュメンタリー映画です。 映画の予告編を見ただけで涙がこぼれそうになります。最愛の娘のために、未だ存在しない人工心臓の作成に挑む父親。その娘から「私の命はもう大丈夫だから」と言われたときの父親の決意が胸に響きます。 この映画では、明るく優しい家族の愛と、昭和気質で頑固で、無茶苦茶なところもある父親の姿を大泉洋さんが熱演しています。彼自身も一人娘の

青春18×2 君へと続く道

「日本と台湾を舞台に初恋の軌跡を辿るロードムービー」という期待を胸に、この映画を見始めました。 今回、公開からかなり日が経っているためパンフレットは品切れで、事前情報は公式サイトと映画予告のみで観賞しました。 映画は、主人公のジミーの視点と後半でのアミの視点から、同じシーンを丁寧に再現しており、非常に細かく作り込まれていると感じました。 アミの実家がある福島県只見町は、私の実家の風景とも重なる懐かしい場所です。小出駅からの只見線の風景も、私にとっては馴染み深いものでした

マッドマックス:フュリオサ

久しぶりにIMAXシアターで映画鑑賞。 油と埃に塗れたマッドマックスの世界はIMAXで見る価値アリ。 前作までのマッドマックスと言えば、男達のやりたい放題。 「男ってこういうのが好きなんでしょ」 とか男の馬鹿っぽく熱いバトルの繰り返しってイメージだったのが、今回はフュリオサという賢い少女が男達をぶちのめす爽快バトルに仕上がってます。 映画なんだから仕方ないのだけど。 主人公補正と言われる、フュリオサ含む主要キャラの頑丈さがちょっと気になる、他のモブキャラ、とくにウォーボー

おいしい給食 Road to イカメシ

中学教師の甘利田幸男(市原隼人)が、給食大好きすぎて給食道を極めんとする学園ファンタジー。 かと思いきや、学校給食の場に等々力町長(石黒賢)が政治を持ち込み、貧困とは食育とはと問題を複雑化させる。 本作、テレビでシーズン3まで続く人気作品らしく、その劇場版ということらしい。 テレビドラマの方は見たことなかったので、人物関係の下地的なところは、パンフレットの内容と適当な想像で十分に楽しめました。 市原隼人さんの演じる甘利田先生の給食を前にしたテンションの高さは、見ているこっ

ライド・オン

ジャッキー・チェン50周年記念アクション超大作と銘打たれた本作。 本作のジャッキーは… 生身のスタントにこだわる老害スタントマン 娘の彼氏に無駄に強がる頑固親父 娘と彼氏の両親との会食の場では舞い上がってるのか、変なマウント取りたいのか、やりたい放題なお調子モン親父 愛馬(赤兎チートゥ)を奪われ、しょんぼりして意気消沈 などなど、楽しくも面倒くさいオヤジ感をたっぷりと堪能できる。 王宮での騎馬スタンドでは、まるでキングダムのような演出にジャッキーの鎧姿。 劇中