黄帝内経素問集注(陰陽應象大論篇5-4)

翻訳

中央は湿気を生じる。
(中央が土を支配し、四方を灌漑するため、湿気が生じる。)

湿気は土を生じる。
(天では気として存在し、地では形として現れる。気から形が生じる。)

土は甘味を生じる。
(土が稼穡を支配し、稼穡が甘味を作り出す。)

甘味は脾気を生じる。
(地は五味を通じて人間を養う。甘味が先に脾臓に入るため、脾臓を支配する。)

脾気は肉を生じる。
(脾臓の精気が、肉と筋肉を生み出す。)

肉は肺を生じる。
(五行は相互に生じるものであり、それぞれが生じる気によって他のものを生み出す。)

脾は口を主る。
(脾臓の気が口に通じるため、脾臓が調和すれば穀物の味を知ることができる。そのため脾臓は口を支配する。)

その性質は天では濕(しずく)、地では土、体内では肉、臓器としては脾である。
(人の身体や臓器は五行と五気によって生じる。五気と五行は神秘な力に帰着する。)

色においては黄色である。
(中央の土の色である。)

音においては宮音
(きゅうおん、土の音で、大きく調和している。)

声としては歌
(脾臓は意志と思考により生じ、思考が形となって発声として現れるのが歌である。)

変動においては噦
(むかつき、気が肺と胃の間で逆流すると噦となる。胃の上、肺の下、脾の分野である。したがって脾臓の気の変動は噦を引き起こす。)

竅においては口
(脾臓は衛の気を使って食物を受け入れる。したがって、脾臓の竅は口にある。)

味においては甘
(土の味である。)

志においては思
(志に従って変化し、思考を生むと言って思となる。脾臓は運用を司るため、志は思考にある。)

思考が脾臓を傷つける。
(五臓は五気によって五志を生じ、志を使うことで気が傷つき、気が傷つくと臓が傷つく。)

怒りは思考に勝る。
(怒りは肝の志であり、思考を制することができる。)

湿気は肉を傷つける。
(脾臓は肉を支配し、湿気を嫌う。したがって、湿気が勝つと肉を傷つける。)

風は湿気に勝る。
(風は木の気であり、土の湿気を制する。)

甘味は肉を傷つける。
(味が形を傷つける。)

酸味は甘味に勝つ。
(酸味は木の味であり、土の甘味に制する。)

西方は燥気を生じる。
(西方は秋の金の支配で、その気は燥気を生じる。)

燥気は金を生じる。
(気から形が生じる。)

金は辛味を生じる。
(形から味が成り立つ。)

辛味は肺を生じる。
(味から臓が生じる。)

肺は皮毛を生じる。
(臓から形が生じる。)

皮毛は腎を生じる。
(肺の気は皮毛を司る。金の気によって腎が生じる。)

肺は鼻を司る。
(肺の気は鼻に通じ、肺が調和すると鼻は香りと臭いを感じることができる。したがって、肺は鼻の竅に開く。)

性質としては天では燥気、地では金、体内では皮毛、臓器としては肺である。
(天と地は五行の気から生じ、五行は五味によって五体に生じる。五臓とは、人間が天地の形の気に基づいて生じるものである。燥気は秋の熱の支配であり、それが皮毛を生じる。肺は鼻の竅に開く。)

色においては白色である。
(肺は金の色である。)

音においては商音
(しょうおん、西方の音で、軽くて力強い。)

声としては哭
(こく、肺の志は悲しむことであり、声が出て哭となる。)

変動においては咳
(肺の気の変動が喉に及んで咳となる。)

竅においては鼻である。
(鼻は肺の竅である。)

味においては辛味である。
(金の味である。)

志においては憂いである。
(精気が肺に集まると憂いになる。)

憂いは肺を傷つける。
(過度であると損傷する。)

喜びは憂いを勝る。
(喜ぶと気が散るため、憂鬱を克服できる。)

熱は皮毛を傷つける。
(秋の季節に燥熱が生じ、皮毛を傷つける。)

寒さは熱を勝る。
(寒さが厳しい令を再び複雑にすると、炎熱の気が消える。)

辛味は皮毛を傷つける。
(気が皮毛を司るため、辛味が気を散らすために皮毛を傷つける。)

苦味は辛味を勝つ。
(火の味が金を制する。)

北方は寒さを生じる。
(北方は水を支配するため、寒さが生じる。)

寒さは水を生じる。
(形が気を生み、気が形を生み出す。)

水は鹹味を生じる。
(水の味は鹹味であり、鹹味は水から生じる。)

鹹味は腎を生じる。
(鹹味が腎の養う力を持つ。)

腎は骨髄を生じる。
(腎の精気が骨髄を育てる。)

髄は肝を生じる。
(腎の精髄が再び木の肝を生じる。五臓の相互に生じることを表す。天の五気、地の五味から生じるものである。)

腎が耳を司る。
(腎の気が耳に通じ、腎が調和すると耳は五音を聞くことができる。したがって、腎の気が耳を主宰する。)

その性質は天では寒さ、地では水、体内では骨、臓器としては腎である。(五方が五気を生じ、五気が五行を生み、五行が五味を生み、五味が五体を生み出す。五臓は、人間が天地の形の気に基づいて生じるものである。その性質は天では寒さ、地では水、体内では骨、臓器としては腎である。これらはすべて陰陽の予測である。)

色においては黒である。
(色には陰陽がある。)

音においては羽音である。
(声には陰陽がある。)

声としては呻(もがき)である。
(腎の気が下に在り、声がため息のように伸びる。)

変動においては栗
(震える様子。寒水の気が変化するものである。)

竅においては耳である。
(腎の気が耳に通じる。)

味においては鹹味である。
(水の味である。)

志においては恐れである。
(腎が志を秘め、勇敢な官を作る。そのため、時に心配し、恐れを抱える。)

恐れは腎を傷つける。
(靈樞經によれば、恐れや不安で解消できないと、精気が傷つき、腎に影響を及ぼす。)

思考は恐れを勝る。
(深く考えると、処理が精細になり、恐れを克服することができる。)

寒さは血を傷つける。
(寒さが強まると血が凝固し、血が傷つく。王子方の問いに対して、風は筋を傷つけ、湿気は肉を傷つけると言われたが、これは元の気が体を傷つけることである。心に起こると気が傷つき、腎に起こると血が傷つくのはなぜか?それは気が陽であり、血が陰である。火は陽であり、水は陰である。心は火を司り、熱となる。腎は水を司り、寒さとなる。だから熱は気を傷つけ、寒さは血を傷つける。)

鹹味は血を傷つける。
(鹹味は血を流し、食べ物が鹹味であると血を傷つける。)

甘味は鹹味に勝つ。
(甘味は土の味であり、鹹味を克服する。莫子晋の問いに対して、五方の解釈が異なるのはなぜか?答えは、陰陽の道は無限に変化するからである。そのため、五方の経文も多少の違いがある。私は經文と注經を引用し、それぞれの意味を最大限に活用しました。学ぶ者がこれを引用し、拡張することは、結局は陰陽の大道に出ない。)

だからこそ、天地は万物の始まりである。
(天は上に覆われ、地は下に支えられる。天地の位置で万物が生じる。)

陰陽は血と気の男女である。
(陰陽の道は人間では男と女であり、体内では気と血である。)

左右は陰陽の道路である。
(天地六合の中で、東南が左、西北が右である。陰陽二気は上下四方で回転する。晝夜が循環するのと同様に、人間の陰陽も天地の気と同じである。晝夜の循環により左右は陰陽の道路となる。)

水火は陰陽の兆しである。
(天は一つで水を生み、地は二つで火を生む。火は陽であり、水は陰である。水と火は形を持つため、陰陽の兆しである。)陰陽は万物の始まりの力である。(乾は大いなる始まりを知り、坤は簡素な力を持ち、万物を生じる。)

だからこそ、陰は内にあり、陽を守るものであり、陽は外にあり、陰を司るものである。
(陰は内に静かにあり、陽は外に動いている。陰陽の動静により万物が生じる。前の文は天地の陰陽の気を論じ、上下四方に運用する。ここでは再び陰陽の気が外と内を支配すると述べられている。天地では天が地の外に覆いかぶさり、人間では陽が陰を守るための防御役となる。)

原文

中央生濕。
(中央主土。而灌溉四旁。故生濕。)

濕生土。
(在天為氣。在地成形。以氣而生形也。)

土生甘。
(土主稼穡。稼穡作甘。)

甘生脾。
(地食人以五味。甘先入脾。故主生脾。)

脾生肉。
(脾之精氣。主生肌肉。)

肉生肺。
(五行之相生者。以所生之氣而相生也。)

脾主口。
(脾氣通於口。脾和則能知谷味。故脾主口。)

其在天為濕。在地為土。在體為肉。在臟為脾。
(人之形身臟腑。由五行五氣而生。五氣五行。又歸於神化。)

在色為黃。
(中央土色也。)

在音為宮。
(宮為土音。大而和也。)

在聲為歌。
(脾志思。思而得之。則發聲為歌。)

在變動為噦。
(氣逆於肺胃之間。則為噦。胃之上。肺之下。脾之分也。故脾氣變動則為噦。)

在竅為口。
(脾者。主為衛使之迎糧。故脾竅在口。)

在味為甘。
(土之味也。)

在志為思。
(因志而任變謂之思。脾主運用。故所志在思。)

思傷脾。
(五臟化五氣。以生五志。用志則傷氣。氣傷則臟傷。)

怒勝思。
(怒為肝志。故能勝思。)

濕傷肉。
(脾主肉而惡濕。故濕勝則傷肉。)

風勝濕。
(風乃木氣。故勝土濕。)

甘傷肉。
(味傷形也。)

酸勝甘。
(酸乃木味。故勝土之甘。)

西方生燥。
(西方主秋金之令。故其氣生燥。)

燥生金。
(因氣而生形。)

金生辛。
(因形而成味。)

辛生肺。
(因味而生臟。)

肺生皮毛。
(因臟而生形。)

皮毛生腎。
(肺氣主於皮毛。因金氣而生腎。肺主鼻。(肺氣通於鼻。肺和則鼻能知香臭。故肺主開竅在鼻。)

其在天為燥。在地為金。在體為皮毛。在臟為肺。
(在天為氣。在地成形。形氣相感而化生萬物。人為萬物之靈。在體為皮毛。在臟為肺者。感天地之形氣而化生也。)

在色為白。
(肺金之色也。)

在音為商。
(西方之音。輕而勁也。)

在聲為哭。
(肺志在悲。故發聲為哭。)

在變動為咳。
(臟氣變動。則及於喉而為咳。)

在竅為鼻。
(鼻者。肺之竅也。)

在味為辛。
(金之味也。)

在志為憂。
(精氣並於肺則憂。)

憂傷肺。
(過則損也。)

喜勝憂。
(喜則氣散。故能勝憂郁。)

熱傷皮毛。
(秋令燥熱。反傷皮毛。)

寒勝熱。
(嚴肅之令複。則炎爍之氣消。)

辛傷皮毛。
(氣主皮毛。辛散氣。故傷皮毛。)

苦勝辛。
(火味勝金也。)

北方生寒。
(北方主水故生寒。)

寒生水。
(形生氣而氣生形也。)

水生鹹。
(水味鹹。故鹹生於水。)

鹹生腎。
(味之鹹者。主生養腎。)

腎生骨髓。
(腎之精氣。生長骨髓。)

髓生肝。
(腎之精髓。複生肝木。言五臟之相生。由天之五氣。地之五味之所生也。)

腎主耳。
(腎氣通於耳。腎和則耳能聞五音。故腎氣所主在耳。)

其在天為寒。在地為水。在體為骨。在臟為腎。
(五方生五氣。五氣生五行。五行生五味。五味生五體。五臟者。言人本天地之形氣而生成也。其在天為寒。在地為水。在體為骨。在臟為腎者。言天地人之成象成形者。皆本於陰陽不測之變化。)

在色為黑。
(色有陰陽也。)

在音為羽。
(聲有陰陽也。)

在聲為呻。
(呻者。伸也。腎氣在下。故聲欲太息而伸出之。)

在變動為栗。
(栗、戰栗貌。寒水之氣變也。)

在竅為耳。
(腎開竅於耳。)

在味為鹹。
(水之味也。)

在志為恐。
(腎藏志。而為作強之官。故慮事而時懷惕厲也。)

恐傷腎。
(靈樞經曰:恐懼而不解。則傷精明感腎也。)

思勝恐。
(思慮深。則處事精詳。故勝恐。)

寒傷血。
(寒甚則血凝泣。故傷血。王子方問曰:風傷筋。濕傷肉。以本氣而傷本體也。在心則曰熱傷氣。在腎則曰寒傷血者。何也?曰:氣為陽。血為陰。火為陽。水為陰。心主火而為熱。腎主水而為寒。是以熱傷氣而寒傷血者。同氣相感也。下文曰:陰陽者。血氣之男女也。水火者。陰陽之兆征也。心腎為水火陰陽之主宰。故所論雖與別臟不同。而亦是本氣自傷之意)燥勝寒。(燥主秋熱之令。故能勝寒。)

鹹傷血。
(鹹走血。故食鹹則傷血矣。)

甘勝鹹。
(甘為土味。故能勝鹹。莫子晉問曰:五方注釋。曷多不同。曰:陰陽之道。變化無窮。是以五方之經文。亦少有差別。愚故引經注經。各盡其義。學人引而伸之。總不外乎陰陽之大道也。)

故曰:天地者。萬物之上下也。
(天覆於上。地載於下。天地位而萬物化生於其間。)
陰陽者。血氣之男女也。(陰陽之道。其在人則為男為女。在體則為氣為血。)

左右者。陰陽之道路也。
(在天地六合。東南為左。西北為右。陰陽二氣。於上下四旁。晝夜環轉。而人之陰陽。亦同天地之氣。晝夜循環。故左右為陰陽之道路。)

水火者。陰陽之兆征也。
(天一生水。地二生火、火為陽。水為陰。水火有形。故為陰陽之征兆。)
陰陽者。萬物之能始也。(乾知大始。坤以簡能。而生萬物。)

故曰:陰在內。陽之守也。陽在外。陰之使也。
(陰靜於內。陽動於外。陰陽動靜而萬物化生。上文論天地陰陽之氣。運用於上下四旁。此複言陰陽之氣。又有外內之所主也。在天地則天包乎地之外。其在人則陽為陰之衛也。)


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