周礼83

秋官司寇11
#秋官と司寇という役職についての章

修閭氏:掌比國中宿互柝者與其國粥,而比其追胥者而賞罰之。禁徑逾者,與以兵革趨行者,與馳聘於國中者。邦有故,則令守其閭互,唯執節者不幾。
#修閭氏 (しゅうりょし)は、国の中で宿互柝者(しゅくごたくしゃ)とその国の粥を比較し、追胥者(ついしゃ)と賞罰を与えました。途中で禁を犯す者に対しては、兵革を用いて趨行させ、国の中を馳聘させました。国に故事があれば、閭互を守るように命じましたが、節を持つ者はほとんどいませんでした。

冥氏:掌設弧張。為阱擭以攻猛獸,以靈鼓驅之。若得其獸,則獻其皮、革、齒、須、備。
#冥氏 (めいし)は、弧張を設ける役職でした。阱を擭(こ)いて、猛獣を攻撃し、靈鼓(れいこ)を鳴らして駆使しました。もし獣を捕らえることができれば、その皮、革、歯、毛をすべて献上しました。

庶氏:掌除毒蠱,以攻說禬之,嘉草攻之。凡驅蠱,則令之,比之。
#庶氏 (しょし)は、毒蠱を除去し、說禬(せつかい)を攻撃し、嘉草(かそう)で攻撃しました。毒蠱を駆逐する際、それらに命じ、対抗させました。

穴氏:掌攻蟄獸,各以其物火之。以時獻其珍異皮革。
#穴氏 (あなし)は、蟄獸を攻撃し、各々適した方法で火を使いました。そして、適切な時にその珍しい皮や革を献上しました。

翨氏:掌攻猛鳥,各以其物為媒而掎之。以時獻其羽翮。
#翨氏 (しつし)は、猛禽を攻撃し、それぞれの方法で鳥を媒介して捕獲しました。そして、適切な時にその羽を献上しました。

柞氏:掌攻草木及林麓。夏日至,令刊陽木而火之。冬日至,令剝陰木而水之。若欲其化也,則春秋變其水火。凡攻木者,掌其政令。
#柞氏 (さくし)は、草木や森林の攻略を担当しました。夏至になると、陽の木を刻んで燃やしました。冬至になると、陰の木を剥いて水に浸しました。もし変化を望むなら、春と秋に水と火を変えました。木を攻略する際、政策と規則を管理しました。

薙氏:掌殺草。春始生而萌之,夏日至而夷之,秋繩而芟之,冬日至而耜之。若欲其化也,則以水火變之。掌凡殺草之政令。
#薙氏 (げし)は、草を除去する役職で、春に始まり生えてくる草を摘み取り、夏になると刈り払い、秋には縄で束ね、冬になると鍬で掘り返しました。もし変化を望むなら、水と火を使って変えました。草を除去する際、政策と規則を管理しました。

硩蔟氏:掌覆夭鳥之巢。以方書十日之號、十有二辰之號、十有二月之號、十有二歲之號、二十有八星之號,縣其巢上,則去之。
#硩蔟氏 (せっそくし)は、若い鳥の巣を覆う役職で、方書に記された10日ごとの期間、12辰ごとの期間、12か月ごとの期間、12歳ごとの期間、28星座ごとの期間に、それらの巣を数え、それから巣を取り除く役割を担いました。

翦氏:掌除蠹物;以政禜攻之,以莽草熏之;凡庶蠱之事。
#翦氏 (せんし)は、害虫を除去する役職で、政策や禜(禍除けの儀式)を用いて攻撃し、草で煙を巻いて害虫を駆逐する役割を担いました。一般的に、害虫の問題に関連する仕事を担当しました。

赤犮氏:掌除墻屋,以蜃炭攻之,以灰灑毒之。凡隙屋,除其貍蟲。
#赤犮氏 (せきたつし)は、壁や家の修理を担当し、石炭を使って攻撃し、灰を撒いて害虫を駆逐する役割を果たしました。一般的に、家屋の隙間から侵入してくる害虫を取り除きました。

蟈氏:掌去蛙黽,焚牡蘜。以灰灑之,則死。以其煙被之,則凡水蟲無聲。
#蟈氏 (こうし)は、カエルとオタマジャクシを除去する役職で、ボウフウ(一種の植物)を焚いて、その灰をまいてカエルとオタマジャクシを死なせました。その煙で水生生物は音を立てなくなりました。

壺涿氏:掌除水蟲。以炮土之鼓驅之,以焚石投之。若欲殺其神,則以牡橭午貫象齒而沈之,則其神死,淵為陵。
#壺涿氏 (こつたくし)は、水中の害虫を除去する役職で、土を用いて鳴らして害虫を追い払い、石を焼いて投げ込みました。もし神を殺したい場合、マルブノキの木の棒を使って象の歯を貫通させ、それを水中に沈めると、神が死に、淵が墓となります。


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