周礼28

地官司徒1
#地官と司徒という役職についての章

(補注)前章の天官冢宰が主に統治や王宮に関わる仕事に対して、地官司徒は前章では教育を担っている60の役職と説明されていました。実際に読んで地官司徒の役割を確認していきましょう。

地官 (じかん):
 地官は、周王朝の官僚制度において、土地や農業に関連する行政組織を監督する役職でした。彼らは農業の生産と土地の管理に責任を持ち、灌漑や農業生産の計画を立てるなど、農村社会の基盤となる重要な職務を担っていました。

司徒 (しと):
 司徒は、周王朝における高位の官職で、文官の一つでした。彼らは教育・文化・倫理・礼儀などを監督し、国家の文化的・道徳的側面を担当していました。また、教育制度や官吏の登用にも関与しました。

 これらの役職は、周王朝の官僚制度において統治と行政の重要な柱を担い、社会の発展や秩序を維持するために重要な役割を果たしていました。

惟王建國,辨方正位,體國經野,設官分職,以為民極。乃立地官司徒,使帥其屬而掌邦教,以佐王安擾邦國。
#王が国を建国すると、適正な地位を明確にし、国内外の情勢を理解して、官職を設けて国民の幸せを追求しました。そこで、地官と司徒を設立し、その下に属する人々を指導して、国の教育を担当させ、王の統治を補佐し、国を安定させるために努めました。

教官之屬:大司徒,卿一人。小司徒,中大夫二人。鄉師,下大夫四人。上士八人,中士十有六人,旅下士三十有二人。府六人,史十有二人,胥十有二人,徒百有二十人。
#教官の職階構成は以下の通りです:

大司徒:1人の卿(高位の官職)がいます。
小司徒:2人の中大夫(中級の官職)がいます。
鄉師:4人の下大夫(下級の官職)がいます。
上士:8人がいます。
中士:16人がいます。
旅下士:32人がいます。
府:6人がいます。
史:12人がいます。
胥:12人がいます。
徒:120人がいます。

鄉老,二鄉則公一人。鄉大夫,每鄉卿一人。州長,每州中大夫一人。黨正,每黨下大夫一人。族師,每族上士一人。閭胥,每閭中士一人。比長,五家下士一人。
#鄉老 :2つの鄉に公(高位の地方役人)が1人います。
鄉大夫:各鄉には卿が1人います。
州長:各州には中大夫が1人います。
黨正:各黨には下大夫が1人います。
族師:各族には上士が1人います。
閭胥:各閭(村の区画)には中士が1人います。
比長:5つの家族で1つの下士が1人います。

(補注)表現的には鄉、州、黨、族、閭の順に小さくなるイメージだと思います。
日本的には
鄉老:関東地方の地方数県の長
鄉大夫:都道府県知事
州長:大きめの市区町村の長
黨正:小さめの市区町村の長
族師:町内会長
閭胥:団地やマンションの管理人
比長:5家族のまとめ役(古代中国なので大家族×5だと思いますが、、、)
あくまでイメージなので、もっと規模としては大きいと思います。

※(補注)説明に矛盾がありますが、私にも詳しくはわからないので雰囲気だけでも感じて下さい

周王朝時代の鄉、州、黨、族、閭の規模については、具体的な数値は明確に記されている史料が限られているため、正確な数字を示すことは難しいです。また、当時の地域や時代によっても異なる可能性があります。
ただし、一般的には以下のような傾向が考えられます:

鄉(村):
周代の鄉は、数百戸から千戸以上の規模の集落が存在したとされています。鄉は農村の基本的な単位であり、地域社会の中核を担い、地方行政や統治を行っていました。

州:
州は鄉を統括する行政区画で、多くの鄉を管轄していました。周代の州の規模は、数十から数百の鄉を含むと考えられています。

黨:
黨は州よりも小規模な行政区画で、周代の州に属している地域がさらに細かく区切られたものです。黨の規模は数十の鄉から数百の鄉程度とされています。

族:
族は家族や血縁に基づく社会集団であり、周代の時点では、1つの族は多くの鄉にまたがることがありました。

閭:
閭は鄉の中での更なる区分であり、数軒から数十軒の家族が居住する地域を指しています。

ただし、これらの規模はあくまで一般的な推測であり、地域や時代によって異なることを理解しておく必要があります。さらなる詳細や具体的な数字を知るためには、古代中国の歴史や考古学的な研究を参照する必要があります。

封人:中士四人,下士八人;府二人,史四人,胥六人,徒六十人。
#封人 :中士4人,下士8人;府2人,史4人,胥6人,徒60人。

鼓人:中士六人;府二人,史二人,徒二十人。
#鼓人 :中士6人;府2人,史2人,徒20人。

舞師:下士二人;胥四人,舞徒四十人。
#舞師 :下士2人;胥4人,舞徒40人。

牧人:下士六人;府一人,史二人,徒六十人。
#牧人 :下士6人;府1人,史2人,徒60人。

牛人:中士二人,下士四人;府二人,史四人,胥二十人,徒二百人。
#牛人 :中士2人,下士4人;府2人,史4人,胥20人,徒200人。

充人:下士二人;史二人,胥四人,徒四十人。
#充人 :下士2人;史2人,胥4人,徒40人。

載師:上士二人,中士四人;府二人,史四人,胥六人,徒六十人。
#載師 :上士2人,中士4人;府2人,史4人,胥6人,徒60人。

閭師:中士二人;史二人,徒二十人。
#閭師 :中士2人;史2人,徒20人。

縣師:上士二人,中士四人;府二人,史四人,胥八人,徒八十人。
#縣師 :上士2人,中士4人;府2人,史4人,胥8人,徒80人。

遺人:中士二人,下士四人;府二人,史四人,胥四人,徒四十人。
#遺人 :中士2人,下士4人;府2人,史4人,胥4人,徒40人。

均人:中士二人,下士四人;府二人,史四人,胥四人,徒四十人。
#均人 :中士2人,下士4人;府2人,史4人,胥4人,徒40人。

師氏:中大夫一人,上士二人;府二人,史二人,胥十有二人,徒百有二十人。
#師氏 :中大夫1人,上士2人;府2人,史2人,胥12人,徒120人。

保氏:下大夫一人,中士二人;府二人,史二人,胥六人,徒六十人。
#保氏 :下大夫1人,中士2人;府2人,史2人,胥6人,徒60人。

司諫:中士二人;史二人,徒二十人。
#司諫 :中士2人;史2人,徒20人。

司救:中士二人;史二人,徒二十人。
#司救 :中士2人;史2人,徒20人。

調人:下士二人;史二人,徒十人。
#調人 :下士2人;史2人,徒10人。

媒氏:下士二人;史二人,徒十人。
#媒氏 :下士2人;史2人,徒10人。

司市:下大夫二人,上士四人,中士八人,下士十有六人;府四人,史八人,胥十有二人,徒百有二十人。
#司市 :下大夫2人,上士4人,中士8人,下士16人;府4人,史8人,胥12人,徒120人。

質人:中士二人,下士四人;府二人,史四人,胥二人,徒二十人。
#質人 :中士2人,下士4人;府2人,史4人,胥2人,徒20人。

廛人:中士二人,下士四人;府二人,史四人,胥二人,徒二十人。
#廛人 :中士2人,下士4人;府2人,史4人,胥2人,徒20人。

胥師,二十肆則一人,皆二史。賈師,二十肆則一人,皆二史。司虣十肆則一人。司稽,五肆則一人。胥,二肆則一人。肆長,每肆則一人。
#胥師は24の小規模な部隊で構成され、各部隊には2人の史(下級の官職)がいます。賈師も24の小規模な部隊で構成され、各部隊には2人の史(下級の官職)がいます。司虣は14の小規模な部隊で構成されています。司稽は54の小規模な部隊で構成されています。胥は24の小規模な部隊で構成されています。肆長はひとつの小規模な部隊で構成されています。

泉府:上士四人,中士八人,下士十有六人;府四人,史八人,賈八人,徒八十人。
#泉府 :上士4人,中士8人,下士16人;府4人,史8人,賈8人,徒80人。

司門:下大夫二人,上士四人,中士八人,下士十有六人;府二人,史四人,胥四人,徒四十人。每門下士二人,府一人,史二人,徒四人。
#司門 :下大夫2人,上士4人,中士8人,下士16人;府2人,史4人,胥4人,徒40人。毎門下士2人,府1人,史2人,徒4人。

掌節:上士二人,中士四人;府二人,史四人,胥二人,徒二十人。
#掌節 :上士2人,中士4人;府2人,史4人,胥2人,徒20人。

遂人:中大夫二人。遂師:下大夫四人,上士八人,中士十有六人,旅下士三十有二人;府四人,史十有二人,胥十有二人,徒百有二十人。
#遂人 :中大夫2人。遂師:下大夫4人,上士8人,中士16人,旅下士32人;府4人,史12人,胥12人,徒120人。

遂大夫:每遂中大夫一人。縣正,每縣下大夫一人。鄙師,每鄙上士一人。酂長,每酂中士一人。里宰,每里下士一人。鄰長,五家則一人。
#遂大夫は遂中大夫(中級の官職)の中から毎回1人が選ばれます。縣正は各縣(県)ごとに1人の下大夫(下級の官職)が配置されます。鄙師は各鄙(郷)ごとに1人の上士(上級の官職)が配置されます。酂長は各酂(村)ごとに1人の中士(中級の官職)が配置されます。里宰は各里(集落)ごとに1人の下士(下級の官職)が配置されます。鄰長は5つの家族ごとに1人が配置されます。

旅師:中士四人,下士八人;府二人,史四人,胥八人,徒八十人。
#旅師 :中士4人,下士8人;府2人,史4人,胥8人,徒80人。

稍人:下士四人;史二人,徒十有二人。
#稍人 :下士4人;史2人,徒12人。


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