黄帝内経素問集注(生氣通天論篇3-5)

翻訳

陰と陽の調和は重要です。心の健康は治療に欠かせません。陰と陽のバランスが崩れると、生気が失われます。
(精氣神を調整する場合、まず陰と陽のバランスを整える必要があります。ただし、聖人のみが陰と陽の調和を完璧に実現できます。)

露によって風が生じ、寒熱が生じます。そのため、春は風によって損傷を受け、邪気が残留し、洞泄病になります。夏は暑さによって損傷を受け、秋は瘧熱になり、秋は湿気によって損傷を受け、咳が生じます。冬は寒さによって損傷を受け、春に必ず温病が生じます。
(露は陰の邪気、風は陽の邪気です。寒さは陰の病、熱さは陽の病です。陰陽が固く結びつかないと、天の陰陽の邪気が私たちの体の陰陽を傷つけ、寒熱の病気になります。そのため、四季の陽の邪気によって陰病となる人もいれば、四季の陰の邪気によって陽病となる人もいます。これらは私たちの体の中の陰陽が上下に出入りし、変化するものです。喉は天気を主とし、咽は地気を主とします。陽は風気を受け、陰は湿気を受けます。風によって傷つく人は、まず上に影響が出ます。湿気によって傷つく人は、まず下に影響が出ます。陽の病気の場合、上に行き過ぎてから下に向かいます。そのため、春は風による損傷が洞泄病になります。陰の病気の場合、下に行き過ぎてから上に向かいます。そのため、秋は湿気による損傷が咳になります。これは陰陽が上下で相乗することです。夏は暑さによって損傷し、暑さによる汗が十分に出ず、炎気が隠れています。秋の時には陰気が外に出てきて、熱気と出会い、瘧熱になります。冬は寒さによって損傷し、邪気が直ちに発現しません。寒気が隠れています。春の時には陽気が外に出て、邪気が気に従って熱に変化し、温病になります。これは陰陽が出入りする気の変化です。風は陽の邪気であり、洞泄病や陰病となります。湿気は陰の邪気であり、喉の咳や陽病となります。暑さは陽の邪気であり、瘧熱や陰瘧となります。寒さは陰の邪気であり、温病や熱病となります。これらは人の体内の陰陽の気の変化です。天には陰陽の邪気があり、人には陰陽の気があります。天の陰陽の邪気によって病気の寒熱が生じることもありますし、人の気の変化によって陰病や陽病が生じることもあります。邪気と正気、陰陽は変化が予測できないものです。陰陽の二気は調和せずに秘密裏に変化することもあります。経曰:地の湿気は感じると人を害します。皮肉筋骨が逆行して咳が生じます。陰陽の気に関する議論であり、痿厥となる形のある筋骨の病気です。楊氏が質問しました。「秋は乾燥した気を主とする季節であり、なぜ秋は湿気によって損傷を受けるのですか?」と。答えは、「長夏の湿った土壌が気を主とするためです。だから、四季の気は、大暑、立秋、処暑、白露、と太陰が主とするものです。ただし、六気の邪は風、寒さ、暑さ、湿気を止め、人の陽気を傷つけるものです。)

四季の気は五臓にも損傷を与えます。
(四季の気とは風、寒さ、暑さ、湿気のことです。四季の邪気は、単に陰陽の気の変化に病気をもたらすだけでなく、五臓の有形な部分にも損傷を与えます。病気が長く続くと、変化が伝染します。)

陰の生じる所は五味にある。陰の五臓は五味によって傷つく。
(神気は陰の精から生じます。五臓の精は五味から生じます。そのため、最初に気について説明し、最後に味について説明します。臓象論には次のように述べられています。「五味は口に入り、腸胃に蓄えられます。味は特定の臓器に蓄えられ、五つの気を養います。気が調和し、津液が相互作用し、神が生じます。」本神篇には次のように述べられています。「五臓は精を主に蓄えるものです。それらを傷つけてはなりません。傷つけると守護を失い、陰が虚弱になります。陰が虚弱になると気がなくなり、死に至ります。そのため、五味を慎重に調和させ、天命を長く保つべきです。精神と気血は、すべて五味によって生じ、養われるものです。五宮は五臓の神が宿る場所です。五味による傷つけとは、味の偏りがあることを意味します。莫仲超は次のように述べています。「酸味は肝を生み、苦味は心を生み、甘味は脾を生み、辛味は肺を生み、塩味は腎を生みます。これらは陰が生じる所であり、本質的には五味に存在します。」)

したがって、酸味が過剰になると、肝気は津液となり、脾気が絶えます
(酸味は肝に入りますが、酸味が過剰になると、肝は津液を多く生成します。津液が肝に溢れると、脾気の転送が停止します。)

味が過剰に塩辛い場合、大きな骨は労弱し、筋肉は短くなり、心の気は抑えられます。
(大骨とは、背骨の高い部分であり、腎臓の府所です。塩辛いものを過剰に摂取すると、腎臓が傷つきます。その結果、骨の気が労弱し、水邪が盛んであれば土を侮り、肌肉は短縮します。水が心を侵し、心の気が抑えられるのです。)

味が過剰に甘い場合、心の気は喘ぎ悶え、色は黒くなり、腎の気が不均衡になります。味が過剰に甘いと、土の気が充満します。土が充満すると、心の気が子に伝わることができず、喘悶が生じます。腎は水を主とします。その色は黒いです。土が亢進すると、腎に損傷を与え、色は黒くなり、腎の気が均衡しなくなります。味が過剰に苦い場合、脾の気は潤わず、胃の気が濃くなります。
(陽明絡は心に関連し、母子の気が相互に通じることを意味します。五味は胃に入りますが、苦味が最初に心に入ります。味が過剰に苦いと、母の気が盛り上がり、胃の気が強くなります。胃が強くなると、脾の陰気との関係が絶たれます。脾は胃にその津液を転送しないため、脾の気は潤わず、胃の気は濃くなります。)

味が過剰に辛い場合、筋と脈が抑制され緩み、精神は中心になります。(「沮」は音読みで「抑える」を意味し、ここでは抑制されることを指します。「弛」は緩むことを意味します。金の気が過剰になると、肝の気が傷つきます。そのため、筋と脈が緩んで弛みます。中心とは同じく、辛味が強いと乾燥し、津液が相互作用できず、精神がその影響を受けます。)

したがって、五味を慎重に調和させると、骨は健全で筋は柔軟となり、気と血は流れ、皮膚の組織は密になります。このようにすると、骨の気は精細となります。適切な道に従って慎重に行動すれば、天命を長く持つことができます。
(腎は精を蓄え、骨を主とします。肝は血を蓄え、筋を主とします。風邪や淫気が侵入すると、邪気が肝を傷つけ、精気が失われます。五味を慎重に調和させると、骨は正常になり、筋は柔軟になり、皮膚の組織は密になります。これによって陽気は陰の精から生じ、陰の外衛となります。したがって、「陰」は精を蓄えて急速に生じるものであり、「陽」は外部を護り、堅固なものです。陰陽の内外の道を知り、陽を煩わせずに疲弊させることなく、五味を調節して陰を養うことが重要です。慎重に調養を行うことで、陰陽は調和し、天命を長く持ち続けることができます。)

原文

陰平陽秘。精神乃治。陰陽離決。精氣乃絕。
(調養精氣神者。當先平秘其陰陽。惟聖人能敷陳其陰陽之和平也。)

因於露風。乃生寒熱。是以春傷於風。邪氣留連。乃為洞泄。夏傷於暑。秋為 瘧。秋傷於濕。上逆而咳。發為痿厥。冬傷於寒。春必病溫。
(露、陰邪也。風、陽邪也。寒、陰病也。熱、陽病也。言陰陽不能固密。則在天陰陽之邪。傷吾身之陰陽。而為寒熱病矣。是以有傷四時之陽邪而為陰病者。傷四時之陰邪而為陽病者。皆吾身中之陰陽。上下出入而變化者也。夫喉主天氣。咽主地氣。陽受風氣。陰受濕氣。傷於風者。上先受之。傷於濕者。下先受之。陽病者。上行極而下。是以春傷於風。乃為洞泄。陰病者。下行極而上。是以秋傷於濕。上逆而咳。此陰陽上下之相乘也。夏傷於暑。暑汗不泄。炎氣伏藏。秋時陰氣外出。與熱相遇。發為 瘧。冬傷於寒。邪不即發。寒氣伏藏。春時陽氣外出。邪隨氣而化熱。發為溫病。此陰陽出入之氣化也。夫風為陽邪。洞泄、陰病也。濕為陰邪。喉咳、陽病也。暑為陽邪。 瘧、陰瘧也。寒為陰邪。溫病、熱病也。此皆人身中之陰陽氣化也。天有陰陽之邪。人有陰陽之氣。有病天之陰陽。而為寒熱者。有感人之氣化。而為陰病陽病者。邪正陰陽。變化不測。陰陽二氣。可不和平而秘密與。經曰:地之濕氣。感則害人。皮肉筋骨。上逆而咳。論陰陽之氣也。發為痿厥。病有形之筋骨也。楊君舉問曰:秋主燥氣。而曰秋傷於濕者。何也?曰:長夏濕土主氣。是以四之氣。大暑立秋。處暑白露。乃太陰所主。然六淫之邪。止風寒暑濕。傷人陽氣也。)

四時之氣。更傷五臟。
(四時之氣。風寒暑濕也。言四時之邪。非只病陰陽之氣化。而更傷五臟之有形。蓋病久則傳化也。)

陰之所生。本在五味。陰之五宮。傷在五味。
(神氣生於陰精。五臟之精。生於五味。是以首論氣而末論味焉。臟象論曰:五味入口。藏於腸胃。味有所藏。以養五氣。氣和而生。津液相成。神乃自生。本神篇曰:五臟主藏精者也。不可傷。傷則失守而陰虛。陰虛則無氣。無氣則死矣。是以謹和五味。長有天命。蓋精神氣血。皆由五味之所資生而資養者也。五宮、五臟神之所舍也。傷在五味者。味有所偏勝也。莫仲超曰:酸生肝。苦生心。甘生脾。辛生肺。鹹生腎。是陰之所生。本在五味也。)

是故味過於酸。肝氣以津。脾氣乃絕。
(酸味入肝。若過於酸。則肝多津液。津溢於肝。則脾氣乃絕其轉輸矣。)

味過於鹹。大骨氣勞。短肌。心氣抑。
(大骨、腰高之骨。腎之府也。過食鹹則傷腎。故骨氣勞傷。水邪盛則侮土。故肌肉短縮。水上凌心。故心氣抑郁也。)

味過於甘。心氣喘滿。色黑。腎氣不衡。味過於甘。則土氣實矣。土實。則心氣不能傳之於子。故喘滿也。腎主水。其色黑。土亢則傷腎。故色黑而腎氣不平。味過於苦。脾氣不濡。胃氣乃濃。
(陽明絡屬心。子母之氣相通也。五味入胃。苦先入心。味過於苦。則母氣盛而胃氣強。胃強則與脾陰相絕矣。脾不為胃轉輸其津液。而脾氣不濡矣。脾不轉輸。故胃氣乃濃。)

味過於辛。筋脈沮弛。精神乃央。
(沮音咀沮、遏抑也。弛、懈弛也。金氣偏盛。則肝氣受傷。故筋脈弛懈也。央殃同。辛甚則燥。津液不能相成。而精神乃受其殃也。)

是故謹和五味。骨正筋柔。氣血以流。腠理以密。如是則骨氣以精。謹道如法。長有天命。
(腎主藏精而主骨。肝主藏血而主筋。夫風客淫氣。則邪傷肝而精乃亡。謹和五味。則骨正筋柔而腠理以密。是陽氣生於陰精。而為陰之外衛。故曰:陰者。藏精而起亟也。陽者。衛外而為固也。知陰陽外內之道。無煩勞以傷其陽。節五味以養其陰。謹能調養如法。則陰陽和平。而長有天命矣。)

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